日本レスリング協会公式サイト
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2015.01.03

【新春特別対談・棚橋弘至-高谷惣亮(3)】目立とう! 輝こう! キング・オブ・スポーツ、レスリング!

《第2回》 ← → 《第4回》


 ――高谷選手は、喜怒哀楽の「怒」「哀」をあまり見せないですよね。国内で無敵の強さを誇っていますが、一昨年の東京国体の決勝戦で久々に黒星をつけられた時も、負けてもさわやかさを保っていましたよね。一流選手であっても、というか、あまり負けない一流選手だからこそ、負けると真っ青になって落ち込む選手がいますが。

 高谷 東京国体で負けた時は、逆に負けを利用しようと思いました。負けたことで落ち込むっていうより、バネにするというか。でも、みんなの前では「負けてごめんな」ってさわやかにしていたけど、控室の後ろの方で、思い切り泣いたんですよ。誰にも見られていない隅のほうで。泣いてスッキリして、さあ次行こうって思えました。

 棚橋 今の話を聞いて、高谷選手は成功する考え方を持ってるなと思いました。プロスポーツ選手で一番必要なのは、切り替えです。試合間隔が短いとき、いかに敗戦を引きずらないかが重要です。プロレスはシリーズが始まると毎日試合があります。お客さんを盛り上げられなかったとか、相手をけがさせてしまったとかで落ち込みそうになることもありますが、落ち込むひまがあったら、切り替えてベンチプレスをやるとか、練習しないといけないのです。高谷選手はまだ25歳なのに、その切り替えができていますね。素晴らしいです。

 ――プロレスラーと言えば、肉体美が武器のようにお見受けしますが。

 棚橋 自分の視点ですが、今再び、筋肉男子がモテ始めています。アスリートの部分が見直されているということです。一世を風びした「草食男子」はもう古いです。僕らの時代が来ると思っています。これはいい傾向ですね。それと、僕はスターがスターになる法則を見つけたんです。

1月4日の東京ドーム大会に注目!

 棚橋選手は1月4日の東京ドーム大会で、オカダ・カズチカ選手相手にIWGPヘビー級王座の防衛戦に臨みます。
 大観衆を相手に、力強く輝く棚橋選手の姿をぜひ、ご覧下さい。チケットは残りわずか。
 テレビ中継は、テレビ朝日で4日(日)深夜1時35分~2時35分=日付は5日、スカパーで4日(日)午後4時~10時に生中継。ネットLIVE配信もあります。(クリック)

 ――スターがスターになる? 目立つために法則があるのでしょうか? ぜひ教えてください。

 棚橋 あるとき、美容室に俳優の佐藤隆太さんが入ってきて、「あ、佐藤隆太さんだっ!」ってなりました。でも、なんでタレントさんを見てスターだと思うのかというと、それはいろいろなところで見ているからなんです。テレビや雑誌、映画などで、その人の顔を見ているという刷り込みなんです。僕は「海猿」好きだったので、そこでも佐藤さんをよく見ていたので、本人を見た時にスターだと思ったんです。

 僕がそうなるためには、僕のことをみんなに見てもらう必要があります。いろいろなところにちょこちょこ顔を出して、知名度を上げていくしかないのです。

 ――それもあって、芸能のお仕事にも精を出しているのですね

 棚橋 はい。本も出させてもらったり、大卒という枠でクイズ番組にも出させていただいています。

 高谷 「ミラクルナイン」(テレビ朝日系)拝見しています。面白かったです!

 棚橋 4年前からブログも始めています。最初は、写真はなくてもいいかな、と思っていたのですが、今は必ず顔写真を載せて、多くの方に見ていただこうと思っています。その積み重ねが、プロレスの幕が開いたときに歓声に比例すると思っています。レスリング選手も、そうすることが必要じゃないかな、と思います。

 ――高谷選手はALSOK所属で会社のCMにも出演しています。ですが、目立つには最前列にいないといけませんね(笑)。

 高谷 CMでは一応、前の方にいるんですけど、ちょうど吉田沙保里さんとかぶってしまっているんですよ(笑)。次作ではぜひ、ベストポジションを確保したいですね。

■「全力で日々努力していけば、それが実になる日が来る」…棚橋弘至

 ――高谷選手のように成績を残している選手はともかく、競技の壁にぶつかって伸び悩んでいるレスラーもたくさんいます。レスリングの場合、まず強くなることが必要です。強くなって目立つためのアドバイスをお願いします。

 棚橋 筋トレによって筋肉が大きくなるのと同じで、レスリングもある日突然強くなったり大きくなったりすると思います。もちろん、継続して努力することが必要です。壁にぶつかったとしても、全力で日々努力していけば、それが実になる日が来るので、腐らずに続けていくことが大事だと思います。

 ――棚橋選手はKENSO選手(鈴木健三)と同期。入団当初は、ラグビー界から鳴り物入りで入団したKENSO選手と棚橋選手とでは格差があったのですよね。今は完全に逆転しています。デビュー当時、その差をどう埋めようと思ったのですか。

 棚橋 KENSOは明大のラガーマン。身長190cmと体も大きくて注目度もありました。入門当時の格差にあきらめず、自分の長所を伸ばす努力をしました。僕は体がきれいだったので、見た目を磨くことにしました。ある日、トータルで見た時に主役感や主人公感が僕の方があるな、と気がつきました。僕は、ロールプレイングゲーム(RPG)やアニメでも、勇者や主役の立ち位置だったんです。サイズも大きすぎず小さすぎず、マスクの部分など生まれ持ったビジュアル面を含めて。190cmと大きいとどうしてもRPGでは戦士タイプで主役ではないのです。レスリングでも、自分の長所や得意技を伸ばすことで、差は縮まっていくと思います。

 ――今のプロレスは、コスチュームの色やデザインに凝ることが目立たせる一つの手法だと思います。レスリングはシングレットの大枠の色やデザインは決まっているので、見た目で魅せるには難しい部分がありますね。

 棚橋 シングレットを着ている人の肉体がかっこいいから、シングレットのデザインの問題ではないと思います。軽量級から中量級の選手は、脂肪がほとんどないですからね。レスリング選手の肉体的な強さは、あらゆるスポーツの中でトップクラスということを多くの人に知ってもらいたいです。何と言っても、練習量が半端ではないですよね。身体能力面や持久力の面でもトップクラスだと思います。体力の強さはレスリングがピカ一ですね。

 ――さすが、レスラーの体事情には詳しいですね。

 高谷 僕は、自分の身体能力には自信を持っています。小さい時から身体能力は高くてスポーツテストではずっと、学校で1位でした。いま、ウエイトトレーニングのトレーナーさんもついてもらっているのですが、僕の体を奇跡の体だと言ってくれているので、それも自信につながっています。レスリングをやっているからこそ、ここまでの体になりました。

 棚橋 僕はレスリングをやっているとき、70~80kgくらいの階級で、極端な減量はありませんでした。すごい減量をしている選手は、計量会場に食べたいものを持ちこんでいた。終わったらすぐに食べるためだろうけど、そんなに限界なのかなと思ってしまいました。

 高谷 いまだにその光景はありますよ(笑)。

《第4回に続く》

棚橋弘至(たなはし ひろし)
 1976年11月13日、岐阜県大垣市出身。高校時代は野球の選手で、立命館大へ進んでからレスリングを始める。1998年2月に新日本プロレスの入門テストに合格し、1999年3月に大学を卒業してから入門。同年10月10日、東京・後楽園ホールでデビュー。

 2006年に第45代IWGPヘビー級王者へ。現在まで7度王座につき、同王座の通算最多防衛記録(27回)を保持。「プロレス界100年に1人の逸材」と名乗り、現在は第61代王者として新日本プロレスを支えている。

 2015年は1月4日の東京ドーム大会でオカダ・カズチカ相手に王座の防衛戦に臨む。2011年から5年連続で新春・東京ドーム大会のメーンイベントに登場。


 







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