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2015.02.03

【関東高校選抜大会・特集】個人戦で5階級決勝進出も、団体戦でまさかの1回戦敗退…霞ヶ浦(茨城)

(文・撮影=増渕由気子)

 3月の全国高校選抜大会の予選を兼ねる関東高校選抜大会。今年で41回目を迎える同大会で、2つの“大事件”が起きた。ひとつは学校対抗戦で埼玉栄(埼玉)が37年ぶりに団体制覇を成し遂げたこと。もうひとつは、埼玉栄と1回戦で対戦して敗退した昨年王者の霞ヶ浦(茨城)が、創部初となる全国大会出場を逃したことだ。

 インターハイ23回優勝、全国高校選抜大会は20回優勝。高校レスリング界の雄、霞ヶ浦は、押しも押されもせぬ存在。これまでに、学校対抗戦では「あと1点で負ける」という状況からフォール勝ちして流れを変えるなど、伝統の力で数々のピンチを乗り越え、優勝を手にしてきた。

 年明けのこの時期は、3年生が抜けてチームの底上げ時期。さらに、インフルエンザなどが流行しやすい時期で、例年、けがも含めて各チームともに万全ではないことが多いが、それはどの学校も同じ条件。その中でも、霞ヶ浦は大会に照準を合わせてくるチームだった。

 今回は74kg級の内山皓太がけがで棄権し、霞ヶ浦は6階級で臨む厳しい布陣だったが、対する埼玉栄も部員不足で120kg級が不在のため6階級での登録。霞ヶ浦には55kg級の岡迫大誠や120kg級の冨栄雅秀と、昨年の全国高校選抜大会優勝時の主力メンバーが残っていることを考えると十分に勝機はあった。

 だが、冨栄主将は「チームがひとつになっていなかった。それが一番の欠点だった」と、6人での結束力が埼玉栄に及ばなかったことを敗因に挙げた。50kg級、55kg級で2連勝して、幸先のいいスタートを切ったかに見えたが、60kg級を全国2位の実績を持つ吉村拓海に取られ、そのあと3連敗。120kg級の冨栄の前に勝負が決まってしまった。冨栄は不戦勝が決まっていたので、60kg級から84kg級の4階級で1勝でもすれば、霞ヶ浦の勝利だった。

 冨栄は「全部、自分のせいです。悔しすぎて考え込んでしまいました。主将の僕がひっぱっていかなくてはいけなかった。みんなが緊張しているというのに、声かけなどができてなかった」と、主将としてチームをまとめきれなかった自分を責めた。

 団体戦で全国に行けないという現実に直面したが、試合は団体戦だけではない。個人戦もある。冨栄は個人戦を前に主将としての役割を果たそうと、真っ先に気持ちを切り替えた。「メソメソするな。もう団体戦は終わったんだから、負けたことは仕方がない。落ち込むひまがあるなら、切り替えて個人戦で全員優勝しよう!」。

 その一言で発奮したのか、霞ヶ浦は5階級で決勝に進出。優勝は冨栄一人だけだったが、ベスト8以上に6名が入り、全国大会の切符を手にした。冨栄は「大澤(友博)監督に、『おまえたちが個人でどれくらいやれるのか見ているぞ』と言われた中で、出場したほとんどのメンバーが全国出場を決められたので、うれしい。3月の全国の舞台では、優勝しか見えていない」と、団体の屈辱を払しょくできた様子だった。


 







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