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2015.03.31

【全国高校選抜大会・特集】埼玉県から山崎弥十朗(埼玉栄)と石黒峻士(花咲徳栄)が優勝、インターハイでダブル優勝を目指せるのは?

(文=樋口郁夫)

 高校レスリング界の“核”となりつつある埼玉県から、84kg級の山崎弥十朗(埼玉栄)と96kg級の石黒峻士(花咲徳栄)が優勝。ともに昨年のインターハイ王者で、アジア・カデット選手権優勝の選手で、その実力を見せつけた。

 昨年のインターハイ団体優勝の花咲徳栄と、1月の関東選抜大会で霞ヶ浦と花咲徳栄を破って優勝した埼玉栄は、全国トップレベルでのライバル関係。学校対抗戦は花咲徳栄が準優勝で、埼玉栄がベスト8と差はついてしまったが、個人戦は花咲徳栄が「優勝1人、2位1人、3位1人」で、埼玉栄が「優勝1人、3位2人」と、ほぼ互角の結果を残した。

■山崎弥十朗はグレコローマン王者を下しての優勝

 山崎は決勝で同じ関東ブロックの飯村友基(茨城・鹿島学園)相手に、タックルとローリングで攻めて10-0の快勝。「関東予選で闘った時には第1ピリオドで勝っていたので、第1ピリオドで決めたかった」と残念そうな表情を浮かべながら、「みんな強くなっていますから」と話し、満足のいく結果と内容だった様子。

 準々決勝では、昨年の大会で3-1の接戦を演じた藤井達哉(滋賀・栗東)と対戦し、「ここが一番のヤマだった」と言う。藤井は全国高校生グレコローマン選手権の王者で、腰投げなどの強烈さは承知済み。「(投げを受けないように)脚を前に出すことのないように気をつけた」と、相手の必殺技封じの作戦をとった。

 ほぼ思った通りの試合運びができたそうで、「スコアは4-1で去年とあまり変わりありませんでしたが、内容的には満足しています。この時点で優勝がぐっと近づきました、まあ、次の川村洋史(静岡・飛龍)も強くて、体力を消耗しましたが…」と振り返った。

 昨年の高校三冠王者(全国高校選抜大会、インターハイ、国体)であり、jOC杯カデットを含めれば全国四冠王者。ほかに、ユース・オリンピック優勝、世界カデット選手権3位など、肩書を挙げれば切りがないほど。国内の大会では「勝って当たりまえ」とも思えるが、逆にプレッシャーも感じていた。

 「終わってみると、安心(ホッとした気持ち?)が7割、うれしさが3割です」とのこと。“重圧”を乗り越えての今シーズン最初の大会での勝利に、「幸先いいスタートが切れました」とうれしそうに話した。

■石黒峻士も圧勝の優勝飾る

 山崎の次の試合で決勝のマットに上がった石黒も、山崎に対抗するかのような怒とうの攻めを見せてテクニカルフォールで圧勝。「ホッとしました」と振り返ったあと、「準々決勝(岐南工・二ノ宮寛斗戦)が一番きつかった。それを乗り越えられたのは、リラックスして闘えたからだと思います」と、技術うんぬんより余分な力が入らずに闘えたことを勝因に挙げた。

 昨年のインターハイでは、個人優勝のみならず、学校対抗戦優勝のメンバーでもあった。この大会も、当然、学校対抗戦と個人の両方の優勝が目標だった。学校対抗戦は決勝で無念の黒星。気持ちの切り替えが問題となったが、自身は勝ったこともあり、「悔しかったですけど、比較的スムーズに切り替えられました」と振り返った。

 学校対抗戦と個人の全10試合を勝ち抜いたのは立派。それでも、「崩しとタックルがまだよくできない。インターハイまでに、そこをしっかりと直したい」と話した。

■インターハイは県1枠という非情な定め

 山崎、石黒、両者とも当然、学校対抗戦と個人の両方でインターハイ優勝を目指している。だが、学校対抗戦に埼玉県から出場できるのは1校だけ。ダブル優勝を目指してインターハイに臨めるのは、どちらか一人だ。それ指摘されると、ともに「そうなんですよね…」と苦笑いし、“困っている”といった表情を浮かべた。

 山崎が「花咲徳栄は本当に強い。そこを何とか退け、団体でもインターハイに出たい」と言えば、石黒は「軽量級の頑張りが必要です。一致団結してそこをしっかり強化し、みんなでインターハイに行きたい」と話した。

 一昨年は埼玉栄が出場して長崎インターハイでは3位。昨年は花咲徳栄が出場して悲願の初優勝。どちらが出ても、上位進出、いや優勝候補の一角は間違いない。その雌雄が決するのは6月20日。インターハイの前に、埼玉県では47都道府県で最も熱い県予選が待っている。


 







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