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2015.04.18

【特集】戻って来た頼もしい男! 大けがを乗り越え、世界を目指す…男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード)


 男子フリースタイルの重量級に頼もしい男が帰ってきた。2013年世界選手権(96kg級)で8位に入賞。飛躍が期待されながら、グルジア遠征中に左ひざのじん帯を断裂。長期間のブランクを余儀なくされた97kg級の山口剛(ブシロード)。

 復帰戦となった昨年12月の全日本選手権は、まだ完ぺきな状態ではなかったにもかかわらず、5試合に快勝して優勝。衰えぬ実力を見せつけ、3月のロシア~モンゴル遠征で出場した2大会はともに銅メダルを獲得。国際舞台でも実力が戻ったことを示した。5月6日からのアジア選手権(カタール・ドーハ)は、もう負傷あがりの“試運転”ではない。たくわえたエネルギーを一気に爆発させて上位入賞を勝ち取りたい。

■イラン遠征が流れると、すぐにグルジアへの単独遠征を決意

 山口は3月の遠征での好成績を、結果もさることながら、「課題が明確になり、それでモチベーションが上がってくれたことがよかったです」と振り返る。例えば、モンゴル・オープン準決勝のクデルブルガ・ドルジハンド(モンゴル)戦。昨年のアジア選手権優勝の選手で、結果は0-5で敗れたが、作戦次第では勝てる感触があり、克服すべき課題が分かった。アジア・チャンピオンとの実力差を肌で感じることでアジアでの自分の立ち位置が分かり、それが気持ちの高揚につながっているという。

 遠征では、試合出場だけではなく、合宿練習を経験できたことが「大きなプラスになった」と言う。「外国選手は日本選手とは違った闘い方をするし、やはり緊張する。その中で練習したことで、けがをする前の感覚が取り戻せた。自分の得意技の決め方も確立しつつあり、かかる技とかからない技の確認もでき、とても有意義な遠征になりました」。

 全日本選手権で圧勝優勝した時から、気持ちは世界へ戻っていた。2月のイランへの遠征を楽しみにしていたが、中東情勢の悪化で中止になると、すぐにグルジアへの単独遠征を実行。世界で実力を試したいという気持ちを行動に移した。「海外に行かなければならないと思いましたので」と、2月中旬から約2週間、欧州の強国に身を投じた。

 グルジアというのは、昨年の単独遠征の際に負傷した国。いわば「縁起の悪い国」だ。縁起をかつぐ選手なら避けるところだが、山口は「とにかく国内だけで練習していては駄目だと思いました。けがをした国ですが、そこで(練習で)勝って、それを自信にしようと思いました」と、あえて嫌な思い出のある国へ向かった。

 練習とはいえ、約1年ぶりの外国選手との手合せだった。最初は「すごく緊張し、もつれた時とかは怖かったです」と言う。無理をせず、「とにかくけがをしないことを念頭においた」という遠征だったが、外国選手の四つ組みからの強さなど、日本での練習ではなかなか経験できない闘いを経験すたことで、「自分の技を生かせる部分や、逆に弱い部分が分かりました」という収穫。3月の2大会の好成績は、渦中の栗を拾うような思いで行ったグルジア遠征があればこそだったかもしれない。

■ブランク中の徹底した筋トレのおかげで、パワーで劣ることなし!

 5月のアジア選手権(カタール・ドーハ)は、病み上がりの手さぐり状態での闘いではなく、結果を求める大会となった。この階級のアジアのトップは、2013年世界選手権96kg級優勝で昨年のアジア大会優勝のレザ・ヤズダニ(イラン)。アジア大会2位のマゴメド・ムサエフ(キルギス)もロンドン・オリンピック7位の選手で、同3位のクデルブルガ・ドルジハンド(モンゴル)は昨年のアジア選手権王者であり、今回のモンゴル・オープンで山口が負けた選手。韓国もインドもあなどれない。どの選手が出てくるかは分からないが、壁は厚い。

 しかし、「オリンピックのアジア予選(来年3月)は決勝に残らないと出場枠を取れません。それを考えると、今回は決勝進出が最低の目標です。接戦をものにできるよう、厳しいトレーニングを課していきたい」とひるむ気持ちはない。ブランクの間の徹底したウエート・トレーニングのおかげもあり、外国選手が相手でも「パワーで押されて、どうしようもない」という感覚はなくなっているというから、課題は技を防ぐタイミングや技術の習得だ。

 全日本合宿では、特別参加しているアレッグ・ボルチン(山梨学院大)相手にパワー&外国選手対策を練るとともに、74kg級世界2位の高谷惣亮(ALSOK)ともスパーリングをしてスピード対策に取り組む。外国選手は高谷選手くらいのスピードやテクニックを持っている選手もいるとのこと。パワー、スピードの両面での練習が積める今の練習環境は世界へ飛躍するためにはうってつけのようだ。

■プロレス入りを目指す岡倫之の分まで頑張る!

 同じブシロード所属の岡倫之(125kg級)は、プロレス入りを視野に入れた活動にシフトし、このままプロレス入りへ進む可能性が高い。「ちょっと寂しい面はありますね」と言う。しかし、「彼には彼の生き方があります。元々プロ志向の選手。今、とても生き生きしているから、いいと思います」と選んだ道を尊重。その分、自分がブシロードのレスリングチームをけん引していく腹積もりだ。

 「まずは世界選手権。そこでオリンピックの出場枠を取りたい」。完全復活を遂げた重量級のエースが、世界へ飛躍する。


 







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《オリンピック・レスリングNo.62》

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