出場選手の声…アジア選手権最終日＝斎川、園田追加

（５月10日、カタール・ドーハ、取材＝池田安佑美）

　■男子グレコローマン98kg級・斎川哲克（栃木・足利工高教）＝昨年のアジア大会に続く銅メダル「決勝までは行きたかったですね。アジア大会で闘った準決勝の中国に、２回続けて負けたくないという気持ちで闘ったけれども、練習で追い込めていないのでローリングのディフェンスができず、失点につながった。アジア大会の時にやられたリフト技は防げたけど、ローリングを立て続けに決められてしまった。

　今の練習環境は、高校生を相手に練習していて、自分が納得できる練習はできていない。それが負けた原因でもあるけど、その環境を望んで選んだのは自分自身。所属の校長先生や教頭先生などの理解があってレスリングを続けさせてもらっているので、これからも一生懸命がんばっていきたいです。

　今回、銅メダルを取れたことで最低限の手土産を持ち帰ることはできました。その点はよかったです」

　■男子グレコローマン130kg級・園田新（拓大）＝３位決定戦で敗れメダルを逃す「日体大の合宿で教えてもらった腰を落として胸を張って、胸から相手に当たっていくことを意識して試合に臨みました。でも、いざ３位決定戦となった時、あと１勝の壁を乗り越えたいという気持ちになってしまって、自分のレスリングができていませんでした。（事前の）ビデオ研究で首投げに来ることは分かっていたけれど決められてしまった。ふがいなかったです。

　準決勝は、自分の体の柔らかさを生かして、ローリングを乗ってやろうと思ってしまったことがいけなかった。しっかり切るべきだった。今回の課題に対応していかないとオリンピックに行くという話ではなくなってくるので、しっかりと練習していきたい」
 

　■男子グレコローマン66kg級・泉武志（一宮グループ）＝初戦敗退「初出場のアジア選手権で、経験することすべてが初めてなことばかり。いい経験になりました。初戦で負けてしまいましたが、世界と闘う流れが分かり、たくさんの課題が見つかりました。

　相手に最初からスタミナを使わせようと思ったけれども、自分のいいところが出せなかった。グラウンドのディフェンスが、ずらしなどができず全然駄目でした。スタンドも、構えが高かったし足がおぼつかないところもあった。構えはもっと重心を落としてやらないといけないと思いました。

　今年の目標は、世界選手権に出ること。オリンピックのキップを獲って３位以内に入りたい。４月からスポンサーがついて完全にレスリングに没頭できている。環境は抜群なので頑張りたいです」

　■男子グレコローマン75kg級・金久保武大（ＡＬＳＯＫ）＝初戦敗「今まで後半にパッシブを取ってグラウンドで返して勝つというスタイルでやってきた。今まで通りにやっていたら、先に試合が終わってしまった。

　ルール変更で１ポイントがなくなり、コーションやローリングのすべてが２ポイントになったことに対応できなかった。今まで０－４だったところがあっという間に０－６になっていた。今までルールに頼った闘い方をしていたのが、そのまま出てしまったのと、グラウンドでしっかり守れなかったのが敗因です。

　負けたけど、今回のルールを経験しておいたよかったです。６月の全日本選抜選手権は、ルールに則した戦いかたを練習して優勝目指します」

　■男子グレコローマン80kg級・角雅人（自衛隊）＝初戦敗退「課題が多く残った。序盤はいい感じでスタンドも動けていた。焦らず、ポイントを取ろうと思って、じっくり崩して行こうと思い、ちょっとずつ前に出られたらいいな、と思っていた。

　闘った相手は、ハンガリー遠征の合宿で何度も手合せした相手で、その時は一度も負けていない。投げ技をしない選手だったので、左足を前に出したところを首投げにかかってしまった。課題がはっきりしたので、そこを修正すれば勝てない試合ではなかった。

　６月の全日本選抜選手権から階級を85kg級に上げます。その階級の先輩たちを脅かせる存在になれるように頑張ります」