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2015.05.18

【特集】全日本大学選手権優勝をステップに、リーグ戦でも12年ぶりの頂点目指す日大

(文・撮影=増渕由気子)

 昨年11月、本命視された山梨学院大を退け、9年ぶりに全日本大学選手権の大学対抗得点で優勝を飾った日大。その勢いを、今度は5月20日から始まる東日本学生リーグ戦で発揮したいところだ。同大会での優勝は2003年以来なく、優勝すれば12年ぶりとなる。

 昨季のリーグ戦は、池田智主将が中量級の柱となって4位。その後の半年間でチームをさらにまとめ、優勝を引き寄せた。今年は、全日本選抜選手権優勝や3年連続で大学王者に輝くなど、学生界では不動の王者となっている山本康稀(4年)が主将を務める。

 山本主将はチームの仕上がり具合に「どこの大学も同じだと思いますが、日大もゴールデンウイークに合宿を組み、練習はメリハリをつけて、きつめに追い込んできました。いい結果が残せるように頑張っています」と自信のぞかせた。

■水風呂にサウナも! 新環境でメリハリ練習

 「メリハリ」というのは、昨年9月に新合宿所がオープン。そこから自転車で5分の場所に新道場を設立して、新しい日大レスリング部をスタートさせたことにつながる。以前は、合宿所と練習場が同じ建物にあった。山本主将は「練習と生活が切り離され、いい意味でオンとオフをしっかりもてます。練習は今まで以上に追い込めるようになりました」と、練習環境の向上を話した。

 物理的な改善点もある。以前の練習場は少々手狭で、「サークル一面分もなかったので、ゾーン際の練習ができず、だいたいこの辺が場外だという感じでやっていた」(山本主将)。勝敗を分ける場外ポイントの研究がしにくかったのに対し、今では思い切りできるようになった。

 現在、ロシアを拠点に練習を積み、来月の明治杯全日本選抜選手権出場のため一時帰国して日大で練習を積んでいる赤澤岳OBは「道場が広くなったことも僕らの時に比べたらよくなった点なのですが、合宿所の施設が、格段にいい環境になっています。サウナや水風呂まであって、いつでも使い放題。減量など体調管理が楽になると思います」と話した。

 さらに以前のようにマットも完備。近隣住民への配慮でスパーリングなどの音がでる練習は控えなければいけないが、技術練習の程度の自主練習は可能のようだ。

■現状、主力メンバーに大きなケガなし

 今季の予想されるメンバーは下記の通り。

57kg級: 前田頼夢(2年)=全日本大学選手権3位
61kg級: 山田来哉(3年)=東日本学生春季新人選手権2位
65kg級: 山縣良嗣(4年)=全日本選手権出場
70kg級: 沢谷雄大(3年)=東日本学生春季新人選手権ベスト8
74kg級: 小山内光将(4年)=全日本大学選手権3位
86kg級: 白井勝太(2年)=全日本大学選手権優勝
125kg級:山本康稀(4年)=全日本大学選手権97kg級優勝(3連覇)

 池田主将が抜けて中量級は新エースの誕生を期待したいところだが、そのほかは昨年、全日本大学選手権を制したメンバーが、ほぼそのまま残る、経験値のあるメンバーで臨めそうだ。さらに山本の出身高であり、ここ数年は高校レスリング界で安定して全国トップレベルの成績を残している花咲徳栄(埼玉)から多数の選手が在籍中だ。

 57kg級の前田、61kg級の山田、74kg級の小山内、そして125kg級の山本主将だ。ここに86kg級で1年生大学王者を達成した白井が加わる布陣で12年ぶりの優勝に挑む。主力選手の状態は「大きなけがもなく順調です」(山本主将)ときっぱり。100パーセントの力でリーグ戦に臨めそうだ。

 だが山本主将は「レギュラーだけが頑張ってもダメ。一人ひとりが一生懸命やることで、きっといい結果が出る」と指摘した。それは以前、山本主将自身に苦い経験があったからだ。

 「僕が1年生の時、とある試合で4-3で勝てると計算したことがありました。結果は2-5で負けました。先を計算するのではなく、一つ一つ、その試合ごとに集中しないといけないことを学びました。当時は、『おまえが勝てばいい』という雰囲気がありましたが、今は、一人ひとりが『オレが勝つ』という雰囲気になっています。全員で勝利をつかみます」とリーグ戦にかける気持ちもまとまりつつあるようだ。

■今年のプールは拓大、青学、中央のDグループ

 今年は拓大、青学、中央のDグループに入った。このグループで1位にならないと優勝をかけた決勝(1~4位決定)リーグに進出できない。「昨年は決勝リーグに進出しましたが、そこで全敗でした。僕自身も1勝2敗と負け越してしまって、悔しい思いをした」と振り返る。その悔しさのばねがあってこそ、9年ぶりの大学選手権優勝につながったともいえる。

 「決して、内閣(全日本大学選手権)の優勝で酔いしれてはいないです。普段通りの力を出せば(1~4位決定リーグに)勝ち上がれると思います」。チーム一丸になって重量級に回せば、大学王者の白井と山本という大物2枚が待ち構える日大。

 山本主将が、12年ぶりの栄冠の4勝目を挙げることはできるか―。

昨年から使い始めた新道場で練習する選手

2003年大会で優勝を決めた時の日大。12年ぶりに再現されるか。


 







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