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2015.06.24

【全日本選抜選手権・特集】過酷な4連戦を勝ち抜く…男子フリースタイル57kg級・高橋侑希(山梨学院大)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 2年連続でプレーオフを制す! 全日本選抜選手権の男子フリースタイル57kg級は、昨年世界選手権5位、全日本選手権2位の高橋侑希(山梨学院大)が、決勝で全日本王者の森下史崇(ぼてぢゅう&Bum's)を4-2で、続いて行われたプレーオフでも2-0で勝ち、2連勝して2年連続2度目の世界選手権を決めた。高橋は試合後の公式会見で、「うれしい限りです。日頃の練習の成果が出ました」と、涙を流しながら優勝への喜びを口にした。

 森下とは高校時代から勝ち負けを繰り返してきた最大のライバル。2連勝することがどれだけ大変なことかを高橋の涙が物語っていた。ライバルは森下だけではない。高橋にとっては試練のトーナメントと言える歯ごたえのある組み合わせだった。

 初戦は2012年ロンドン・オリンピック銅メダリストの湯元進一(自衛隊)、準決勝は昨年11月の全日本大学選手権で敗れている学生王者の中村倫也(専大)、そして決勝は長年のライバル、森下。過酷な組み合せだった。

 それでも、「天皇杯(全日本選手権)でも初戦が湯元選手だった。強かったけど、若手が台頭しないと日本のレスリングが終わると思って集中した」と、初戦から全力を出し切って勝利。敗れた湯元は引退を示唆し、引導を渡した形となった。

 オリンピックに向け、神様が高橋に与えた課題は、強い相手と対戦することだけではなかった。「体にばい菌が入り、計量の前日まで点滴を打っていました。腕もパンパンに腫れて…」。以前も、交通事故で世界ジュニア選手権の予選となるJOC杯を棄権した過去がある高橋にとって、不安でいっぱいだった。

 だが、体調も万全ではない中、強豪選手と全4試合を勝ち抜いて見せ、内容も素晴らしかった。昨年は優勝したものの、決勝では微妙な判定がチャレンジによって変わり、すっきりとしない部分もあった。

 今回は森下を攻めたてて主導権を常に握り、森下の終盤のラッシュもうまくさばいてみせた。「今回はチャレンジなしで、きっちり勝つことができました。世界選手権ではメダルを取って自分がオリンピックに行きます」。試合前の体調不良、そしていばらのトーナメントを制した高橋は、この大会で一段と成長したことだろう。

 これを自信に変え、2度目の世界選手権で一気にオリンピックを決められるか。


 







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