フリースタイルで3度の世界王者に輝いた後、グレコローマンに転向して昨年の世界選手権で3位に入賞したバイリャル・マホフ(ロシア)が、7月4~5日にロシア・カスピスクで行われた男子フリースタイルの「アリ・アリエフ国際大会」の125kg級に出場して優勝した。
マホフは3月に行われた男子グレコローマンのロシア選手権でも優勝しており、短期間で両スタイルのハイレベルの大会を制したことで、ロシア内では今年の世界選手権には両スタイルに出場し、両スタイル優勝を期待する声もあがっている。
マホフはロシア・レスリング協会ホームページのインタビューに対し、「自分自身をテストするために(フリースタイルに)出場した。忘れていなかったね」と苦笑いし、両スタイルで世界選手権、さらにリオデジャネイロ・オリンピックを目指すことについては、「自分だけでは決められない」と明言を避けた。
オリンピックの両スタイル王者は、1932年ロサンゼルス・オリンピックでイバー・ヨハンソン(スウェーデン)が達成しており、グレコローマン72kg級とフリースタイル79kg級を制した。その後、1960年ローマ・オリンピックの両スタイル87kg以上級でウイルフリード・デードリッヒ(当時西ドイツ)が挑んだが、フリースタイルで優勝、グレコローマンで2位に終わっている。
なお、マホフはすでに米国の総合格闘技イベント「UFC」とも契約したと伝えられ、リオデジャネイロ・オリンピックのあとは総合格闘技に進むものと思われる。