アジア・ジュニア選手権参加の男子両スタイル・チームが帰国
ミャンマー・ネピドーで行われたアジア・ジュニア選手権に出場した男子両スタイルのチームが７月14日、成田空港着のタイ航空で帰国した。昨年はフリースタイルが銀メダル２個、銅メダル３個の計５個、グレコローマンはメダルなしと対照的な結果だったが、今年は両スタイルがともに活躍し、４つずつメダルを獲得した。
フリースタイルは120kg級の宮原将裕（大東大）と96kg級の石黒峻士（埼玉・花咲徳栄高）が銀メダル、60kg級の前田頼夢（日大）と西日本から唯一参加した66kg級の田辺雄史（同志社大）が３位となった。 メダル獲得選手。（前列左から）桑山裕貴（専大）、山本貴裕（日体大）、櫻庭功大（拓大）、西山慎吾（日体大）、（後列左から）前田頼夢（日大）、田辺雄史（同志社大）、石黒峻士（埼玉・花咲徳栄高）、宮原将裕（大東大）。
フリースタイルの小幡邦彦コーチ（山梨学院大職）は「去年よりメダルは１つ少なくなりましたが、もう少し力を出せばメダルに届く選手もいて、もったいなかった。全体的に、強豪選手と対戦しても物おじせずに攻撃し、守って負けた選手は一人もいなかった。内容はよかった」と合格点を与えた。
金メダルを逃した点は昨年と同じで、「初戦からずっと攻撃パターンを変えず、読まれていた。作戦として違う技を出すなど、かけひきも覚えてもらいたい」と、攻撃パターンを増やすことを課題に挙げた。
両スタイルの重量級の選手が銀メダルを獲得し、石黒が高校生で結果を出した点について、「今回の収穫です。技は負けていないが、力負けする場面が見られた。今後、所属で強化してほしい」と振り返った。
一方、グレコローマンは、シニアで見送りとなったパーテール・ポジションの選択廃止のルールが適用された。松本慎吾監督（日体大教）は「日本はグラウンドが弱いので、スタンド中心の闘いになったことで結果につながった」と、ルール変更の影響で成績が向上したと言及。
だが、「ルールが変わっても課題は同じ。負ける選手はスタンドやグラウンドのどちらも駄目でした。あらためてスタンド、グラウンドともに強化が必要だと感じた大会だった」とも話す。グレコローマン最高成績の西山に関しても、「差し押しができた点はよかったが、そこからポイントを取る技がないので、強化が必要」と課題を指摘した。
銀メダル獲得選手。（左から）石黒峻士（埼玉・花咲徳栄高）、西山慎吾（日体大）、宮原将裕（大東大）。
■フリースタイル96kg級２位・石黒峻士（埼玉・花咲徳栄高＝高校生で唯一メダル獲得）「今回はくじ運がよくて上のブロックに入り、強い選手もいなくて決勝まで行けました。海外での試合はだいぶ慣れてきましたが、今回は一番苦戦しました。ご飯があまり合わず、慣れるのに時間がかかりました。ミャンマーについて試合まで時間があったので、適応することができました。試合は、ごつい選手があまりいなくて、びびらずいけたことがよかった。タックルもいつもどおりに取れました。次の目標はインターハイ。今回は120kg級に出場するので、筋力をつけてミスしないでやり切りたい」
■グレコローマン84kg級２位・西山慎吾（日体大）「目標は優勝だったのですが、２位でした。でも、国際大会初のメダルを持って帰れてホッとしています。ルールが変更でグラウンド（コーションの際のパーテールポジション）がなくなり、スタンド中心の自分の得意なスタイルに持ちこめた。海外の選手はスタミナがないので、自信がつきました。ミャンマーでは、思っていたより食事がきちんととれました。環境への適応能力はついたし、海外での場数も踏めました。来年は世界ジュニア選手権に出られるように、所属で練習して勝っていきたいです」
■フリースタイル66kg級３位・田辺雄史（同志社大＝西日本大学から唯一参加で３位）「久々の海外遠征でしたが、同級生などがいてやりやすかった。結果は３位でしたが、西日本からせっかく出ているので、もうちょっといい成績を残したかったです。最近は、同志社の練習に森川（一樹）先輩が練習しに来て、練習をつけてくれます。週２回ほどですが、ボコボコにされ、いい練習をさせてもらっています。差し押しができて技術もある先輩なので、いろいろ教えてもらっています。この勢いで次はインカレも頑張りたいです」
