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2015.08.07

【インターハイ個人戦(男子)・特集】2年前の王者が余裕の復活優勝!…60kg級・成國大志(三重・いなべ総合学園)

(文=樋口郁夫)

 インターハイ個人戦の60kg級は、2年前の長崎インターハイ50kg級で1年生王者に輝いた成國大志(三重・いなべ総合学園)が5試合を勝ち抜いて王者に返り咲いた。勝った直後、「シャー!」と叫んだ成國は、「去年のこと(3回戦で左手甲を骨折し、次の試合で黒星)があり、あの悔しさを持ち続けた1年間だった。その気持ちが正直に出た」とパフォーマンスの理由を説明。初優勝にも劣らない感激だったようだ。

 決勝の礒川利音(京都・網野)戦は序盤から受ける展開。しかし、カウンターでバックを取ってポイントを重ね、第1ピリオドを8-0とリードしたのだから、「消極的」ということではなく、「余裕ある闘い」と言うべきだろう。3月の全国高校選抜大会決勝では0分44秒で快勝した相手だけに、焦ることなく闘っただけ。

 「深追いせず、まずしっかり守って次の攻撃に備えていました」。最後、片足タックルで攻めて10点差としたのだから、思っていた通りの展開での勝利だった。

 気持ちに余裕があったのは、決勝の相手が3月に苦戦していた榊大夢(鹿児島・鹿屋中央)ではなかったこともあるようだ。榊は「やりづらいタイプ。苦手意識があるんです」と言う。実は学校対抗戦の2回戦でも対戦し、6-4で勝ったものの、右わき腹を負傷。すんなりと勝たせてもらえない相手だった。

 榊が準決勝で礒川に負けたことで対戦が実現せず、決勝へ臨む気持ちはかなり楽になっていたようだ。ただ、榊戦で負った負傷でわき腹はかなり痛かった。「バックへ回られてローリングを仕掛けられたら、一気に(10点差に)もっていかれたかもしれません。バックに回られないよう気をつけていました」と、決勝に限らず、個人戦に臨むにあたって一抹の不安があったのも事実だった。

■すぐに未踏峰のタイトル「全国高校生グレコローマン選手権」へ挑戦

 全国高校選抜大会で勝ち、大会は違うがいち早く“全国一”には返り咲いていた。「復活優勝ということで、本当にうれしかった」。優勝直後は涙ぐんでいたほどだった。今回は追われる立場として「プレッシャーに押しつぶされそうにもなり、レスリングが楽しくない、と思った時もあった」という日々を乗り越えての優勝。

 両大会の価値に差をつけることに異論もあるだろうが、どこも時間をかけて仕上げてくるインターハイの王座奪還で、本当に「復活優勝」という気持ちになれたのではないか。

 11日後には全国高校生グレコローマン選手権(大阪・堺市金岡公園体育館)に出場する予定。一昨年は世界カデット選手権のため、昨年は負傷のため、ともに出場しておらず、高校生が出場できる5つの全国大会で唯一タイトルを獲得していなのが、この大会。「入学前、この大会で3連覇するつもりだったんです」とのことで、その大会を無冠で終わることはしたくない。

 休む間なく次の闘いにそなえなければならない。熱く燃えるべく夏は、まだ続く。


 







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