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2015.08.15

【特集】2015年世界選手権へかける(11)…男子グレコローマン59kg級・田野倉翔太(クリナップ)


男子フリースタイル 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 86kg 97kg 125kg
男子グレコローマン 59kg 66kg 71kg 75kg 80kg 85kg 98kg 130kg
 女   子  48kg 53kg 55kg 58kg 60kg 63kg 69kg 75kg

《田野倉翔太・略歴》《田野倉翔太・国際大会成績》《男子グレコローマン59kg級展望》《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子グレコローマン》


(文=布施鋼治)

 男子グレコローマン59㎏級で世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)へ出場する田野倉翔太(クリナップ)。階級区分変更の困難に見舞われながら、努力と工夫のかいがあって今年6月の全日本選抜選手権で優勝。プレーオフにも勝って世界選手権行きのキップを手にした。

 「2年前の世界選手権(ハンガリー=55kg級)に出場していることはアドバンテージになるか?」と聞くと、「去年は出ていないですからね…」と複雑な表情を浮かべた。「2年前は普通に優勝しようと思っていたけど、結果は警告失格。自分の力を出し切れずに終わってしまった。その反省をふまえ、今回は1回戦から自分の力を出し切りたい。そして(選考規定の)メダルを確実に獲ってリオデジャネイロ行きを決めたい」―。

 身体は小さくても勝てるレスリングを、ラスベガスでも実践できるか。 

■4kgの差は大きいが、「最終的にはレスリングの強さ」

 田野倉には忘れられない思い出がある。2013年12月、グレコローマンの55㎏級は廃止となり、最軽量級が59㎏級になるというニュースを耳にしたことだ。田野倉は「ついに来たか」という思いでいっぱいになった。

 「数ヶ月前から55㎏級はなくなるといううわさは聞いていました。その時点では新しい区分がはっきりしていなかったので、最軽量が57㎏くらいだったらラッキーだと考えていました」

 59㎏級が最軽量と決められたら、長年55㎏級を主戦場にしてきた田野倉にとって、ほかに選択肢はなかった。「もし59㎏級の下に52㎏級があったら、僕は身長も低いので(158㎝)間違いなくそっちにしていたでしょう」

 「軽量級で4㎏の差は想像以上に大きいのではないか」と振ると、田野倉は神妙な面持ちでうなずいた。しかし、直後に「でも、やっぱり」と言葉をひるがえした。「結局、レスリングが強ければ、階級は関係ない。(2012年ロンドン・オリンピック60kg級銅メダリストの)松本隆太郎先輩だって、60㎏級であれだけ強かったので、66㎏級でも(全日本選抜選手権で)優勝し、アジア大会で2位をとっている。最初は体重が問題になるとしても、最終的にはレスリングが強ければ問題はないんじゃないですかね」

■ハンディを武器に変え、オリンピック出場を目指す

 だからといって、世界選手権出場を決めるまでは決して平坦な道のりではなかった。一番大きな障壁は、昨年11月に腰に大けがを負ってしまったことだろう。「10月に国体(の1回戦)で後輩に負けてしまって、その焦りから高重量のウエートトレーニングに挑んでいる時に椎間板がつぶれてしまった。普通だったら平気な重量なのに、そうなってしまったのは疲れがたまっていたからでしょう」

 不安と焦りの交錯。行きたかった全日本合宿や海外遠征に名を連ねることはできなかった。無理を承知で出場した12月の全日本選手権は準決勝で負傷箇所が悪化し、3位決定戦を欠場せざるをえなかった。やりたくてもマット練習ができない日々。「田野倉はもう限界」という心ない声も耳にしたが、「けがしている今を有効利用しよう」と励ましてくれる仲間もいたことが救いだった。

 59㎏級の体を作るため限られた部位を徹底的に鍛えるとともに、同級の試合で得た課題を徹底的に追究しようと努めた。「背の高い相手に対して、僕が胸を合わせて四つに組んだりすると足が地につかず、そのまま投げられてしまう。正面からぶつかったら負けてしまう。横から攻めたり腕をとったりすることを心がけるようにしました」

 世界の舞台には、スペンサー・マンゴ(米国)のように田野倉より3cmも低い身長ながら、2008年北京・2012年ロンドン両オリンピックに連続出場。コンスタントに世界のトップに進出している選手もいる。ハンディを武器に変え、田野倉がオリンピック出場を目指す。


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