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2015.08.27

【特集】2015年世界選手権へかける(18)…男子フリースタイル70kg級・小島豪臣(神奈川・中原養護学教)


男子フリースタイル 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 86kg 97kg 125kg
男子グレコローマン 59kg 66kg 71kg 75kg 80kg 85kg 98kg 130kg
 女   子  48kg 53kg 55kg 58kg 60kg 63kg 69kg 75kg

《小島豪臣・略歴》《小島豪臣・国際大会成績》《男子フリースタイル70kg級展望》《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子フリースタイル》


(文=保高幸子)

 32歳の“帰ってきたエース”小島豪臣(神奈川・中原養護学教)が、全日本選手権の男子フリースタイル60・66kg級、さらに70kg級の3階級を制覇した実績を引っさげ、2006年以来9年ぶり2度目の世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)で金メダルを狙う。

■米満達弘(自衛隊)の最大のライバル

 小島は66kg級時代、2012年ロンドン・オリンピックで金メダリストに輝くことになる米満達弘(自衛隊)の最大のライバルだった。最後は3連敗を喫したが、通算の対戦成績は4勝3敗。米満がロンドン・オリンピックの出場枠を獲得したことを機に、2011年後半は1階級上の74kg級に挑戦した。しかし、オリンピックに手は届かなかった。

 「気持ちが落ちた」と、2012年6月の全日本選抜選手権の優勝を最後に惜しまれつつ引退。神奈川・中原養護学校での勤務が始まり、高校生6名のクラス担任として職務に邁進していた。

 再び表舞台に戻ってきたのは1年半のブランクのあと。「他の選手がどれだけ練習しているか知っていますから、復帰の決心は容易にはつきませんでした」-。練習量は「0」に近かった。まずは1回、と出場した2013年全日本選手権(74kg級)。国士館大の学生だった嶋田大育(現青森市協会)に2回戦で敗退した。

 しかし、「悔しかったです」と、心に熱いものがよみがえってきた。そして昨年1月、階級区分変更によって通常体重に近い70kg級が新設され、完全復帰の気持ちが高まった。「生徒に金メダルを見せてあげたい、喜んでほしい!」と6月の全日本選抜選手権に再挑戦。「応援に駆けつけてくれた生徒に負けた姿は見せられない」と奮戦し、本戦、プレーオフとも勝ち抜いて生徒たちに初めての金メダルを披露できた。

 この優勝によってアジア大会(9月・韓国)の代表権を獲得。3月に入籍をした妻・華奈子(かなこ)さんと、9月に予定していた結婚式を中止することを決めた。「『結婚式より優先』と言ってくれた。生徒たちが壮行会を開いてくれ、タダでは帰れないぞと思った」という4年に1度のアジアの祭典。ヤマ場となった初戦のインド戦も、アジア選手権チャンピオンのムスタファ・ホセインハニ(イラン)との2回戦も、劣勢からの大逆転劇を実現することができた。

 ホセインハニから逆転ポイントを奪うアタックでは、華奈子さんのお腹に宿り、妊娠5ヶ月にして名前を決めていた息子・豪太(ごうた)くんの名を叫んでタックル! 息子と生徒に力をもらい、結果を出した。2ケ月前の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)に続くメダルを獲得。帰ってきたエースの存在感を見せつけた。

■1年半の休息・エネルギー充電が小島を強くした

 今年になっても勢いは変わらず、世界選手権代表選考がかかった6月の全日本選抜選手権で世界選手権出場を決めた。生徒たちはマットサイドの特別席で小島の試合を観戦。「生徒や保護者のみなさんが応援グッズまで作ってくれました。代々木競技場まで来るだけでも大変な生徒もいます。これは負けられない!と緊張しました」と良いプレッシャーを力にした。

 「いつもは車椅子席からだった生徒たちがすぐそばで見られるよう計らっていただき、レフェリーの方は生徒たちに向けて勝ち名乗りを上げてくださって、すごくうれしかったです」と振り返った。

 「あの時、休まずに(選手活動を)ずっと続けていたら、いっぱい、いっぱいになっていたと思います」-。国内の激戦区で長年戦い続けていた小島にとり、1年半の休息は吉と出た。

 今年4月から法大のコーチとなり、練習は週3日に。「指導中心でスパーリングには何度か入る程度ですが、普段はこの練習量がベストだと感じています」というように、練習不足の不安は消えた。8月は「世界選手権で結果を残す」と、仕事との折り合いをつけ練習に専念。若いトップレスラーたちとのスパーリングもこなして、気持ちも盛り上がっている。

 復帰以来、少ない練習量ながらすべての国際大会でメダルを獲得している小島。「今思えば、米満とあそこまでやりあえていたということが自信になっていると思います」。唯一無二の経験が現在の小島の基礎になっている。さらに、引退し社会に出たことで、幅広いサポーターを得たことが小島をいっそう強くした。「昔は“勝つ! 勝つ! 勝つ!”でしたが、今は応援してくれる人が増え、“絶対に負けられない!”という気持ちです」-。

 70kg級はオリンピックでは実施されない。「目の前の大会に集中している」というが、オリンピックを意識しないわけではない。「世界選手権で金メダルを獲ったら、オリンピックを目指します」-。何kg級で、はまだ先の話。まずは世界のメダルだ。

 「金メダルを獲りたい。みんなのために」。応援してくれる人たちの喜ぶ顔が最大のモチベーション。目標を達成する小島の姿を、大勢が待ち望んでいる。


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