男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
《岡太一・略歴》 / 《岡太一・国際大会成績》 / 《男子グレコローマン85kg級展望》 / 《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子グレコローマン》
(文=増渕由気子)
3度目の世界で飛躍なるか。世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)の男子グレコローマン85kg級は、2013年以来3度目の代表となった岡太一(自衛隊)が挑む。
岡は2010年12月に全日本選手権初制覇し、翌年の2011年に世界初出場。2013年にも出場するなど、ずっと全日本のトップの実力を維持。今年5月のアジア選手権(カタール)では銅メダルの結果を残した。岡太一は3度目の世界選手権を前に「厳しい重量級ですが、自分の形にもって行けば、勝てる見込みはある」とオリンピック出場権獲得に燃えている。
■アジア3位でも厳しい現実
アジア選手権銅メダル――。そろそろ世界でも結果が出せそうに見えるが、それはあくまでもアジア圏での成績。グレコローマンが盛んな欧州を含めた“世界”を相手にすると、まだ思った成績が出せていない。3月のハンガリーGPや、7月のピトラシンスキ国際大会(ポーランド)は、ともに初戦敗退だった。
ピトラシンスキ国際大会は世界選手権の前哨戦ともいえる大事な大会。結果を出せなかったことで、「スタンド、グラウンドともに攻撃が全然できていなかった」と反省しきりだった。
ポーランド遠征から帰国した後の全日本合宿でも克服には至らず、8月上旬からの2週間の重量級3選手によるハンガリー遠征での課題に繰り越されてしまった。自信を失った岡を救ったのは、笹本睦コーチの「最初の1週間は、ポイントを取られてもいいから思い切って差して前に出よう」というアドバイスだった。
ハンガリー合宿は7ヶ国から多くの選手が集結。岡は同階級の選手はもちろん、80kg級や98kg級の選手たちとも積極的に手合せしては、自分の形を貫いて見せた。「最初は、ボコボコにやられました」とまったく歯が立たなかったという。
だが、何十人と手合せしているうちに、外国選手に対する思いが変わった。「外国人は、ひとくくりに体力(スタミナ)がないとか言いますが、本当にいろんな選手がいて、いろんな技がある。たくさんの選手とやって気がつきました」。
試合だと勝ち上がった数だけの選手としか組み合えないが、この夏はポーランドとハンガリーで計4週間も海外で練習を積んだ。外国選手に対する先入観を払しょくでき、合宿の終盤に入ると、歯が立たなかった選手たちにも、互角に戦えるまで成長できたそうだ。
「強い選手の傾向も分かりました。一様に体幹がしっかりしていました。そういう選手にも、自分のレスリングを確立していけば、勝てると思えるようになったし、外人に対する怖さも減りました」。ポーランド遠征で自信を喪失した岡だったが、ハンガリー遠征では、しっかりと自信を取り戻して帰国。西口茂樹強化委員長(拓大教)も「85kg級は少しずつ、世界と闘えるレベルになってきた」と言及した。
■アジア銅を取ったように、メダルを持ち帰りたい!
私生活では2013年10月に結婚し、昨年の秋には挙式、披露宴を行った。妻の真理子さんは管理栄養士の資格を持ち、毎日、岡の体調を気にかけた食事を作ってくれるという。「本当に僕の支えになっている」と感謝し切れない岡に、さらにうれしいニュースが舞い込んだ。今回は、真理子さんもラスベガスに応援に駆けつけてくれるという。「海外の試合に来てくれるのは初めて。力になりますし、もっと頑張らないと、と思います」。
岡自身は、内容に満足できなかったアジア選手権の銅メダルも、真理子さんは手放しに喜んでくれた。その笑顔が岡を励ましたことは言うまでもない。「メダルを持ち帰ったら、すごく喜んでくれた。今回もメダルを獲って(妻の首に)かけてあげたい」。
闘いを控え、「少なくとも以前の僕よりは絶対強くなっています。世界で負けっぱなしは嫌。世界選手権のほかにも、オリンピック予選はありますが、ラスベガスで勝負をかけたいです」。今夏3度目の海外遠征が、3度目の世界選手権となる。岡太一が、慣れてきた“世界”を相手に実力を発揮できるか―。
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