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2015.09.14

2015年世界選手権/取材日記

2015年世界選手権/取材日記


9月5日(土) 9月6日(日) 9月7日(月) 9月8日(火) 9月9日(水)
9月10日(木) 9月11日(金) 9月12日(土) 9月13日(日) 9月14日(月)

 【9月14日(日)】

 日付変更線を超え、予定より50分も早い午後1時20分に成田空港に着陸。日本チームの乗っているフライトは午後4時55分着で、それから会見。時間があるので、空港内のネットのデスクで原稿執筆。TBSのFさんは「マッサージに行ってきます」だって。テレビ局の金持ち人間はやることが違う。

 4時に空港内シャトルバスで第1ターミナルから第2ターミナルへ移動。今は第3ターミナルにも寄るから時間がかかる。会見室をセットし、ロビーへ戻ると、イスに座っていた菅事務局長と遭遇。頭を丸坊主にしている。「男子の不振の責任をとったんですか」と声をかける。「あんたもだろ」と事務局長。いえいえ、私は髪が少なくなったので、かなり前から坊主に近いヘアスタイルにしているのであって、惨敗の責任をとったわけではありません。

 この段階で、福田会長の存在に気がつきませんでした。下を向いて、何かを書いていたこともあって。JTBのHさんが、私が福田会長の存在に気がついていないことを察し、小声で「会長ですよ」と教えてくれた。

 あ! 八田イズムの真骨頂。そういえば、福田会長、戦後のオリンピックで初めて金メダルを逃した1992年バルセロナ・オリンピックのあとも、責任をとってやりましたね~(その時は、確か副理事長で、オリンピックの強化責任者)。その時のことを覚えている人、どれくらいいるかな。

 ま、勝負は来年です、来年。リオデジャネイロでは絶対にメダル獲得の伝統を守りましょう! ご愛読、ありがとうございました。

成田空港で女子チームを待つ報道陣

ツルツルになった福田会長がチームを迎えた


 【9月13日(日)】

 朝4時40分に起床。最後の荷物詰めをして、5時から朝食。こんな早い時間に空いているのは助かる。5時半、ちょうどよくホテルの前にタクシーがいて、それに乗って空港へ。来る時は30ドルだったが、今回は20ドル。到着時に遠回りされたというより、空港からの道が一方通行とかで、そううなったという感じ。遠回りされた気はしないのだか、どうだったのかな。

 空港へ着き、ユナイテッド航空の看板があるところへ行ったが、普通のカウンターといったものが存在しない。どこに行けばいいのか。自動チェックイン機がずらりと並んでいる。そうか、機械を相手にしないとならないのか。カウンターで航空会社のきれいなお姉さん(おばさんだったりする場合も多いけど)と相対して、搭乗券を出してもらう時代じゃないんだ。

 そこへ、「樋口さん」と声をかけて来る人あり。希和選手のお母さんの坂本涼子さんだ。もう手続きを終えて荷物を預ける段階までいっているので、「どうするの?」と聞くと、やはり自動チェックイン機で手続きをしたそうだ。「日本語もあります」とのこと。これなら楽だけど、すべて機械が相手というのは、ちょっと寂しいね。

 やっぱり、きれいなお姉さんから(おばさんでもいいけど)搭乗券を受け取り、「行ってらっしゃいませ」と言ってもらえる方がいい、というのは、筆者だけではあるまい。

 その坂本選手、会場にいる歴代の世界チャンピオン紹介でマットに上がったそうですね。それを話すと、「そうなんですよ。何で記事にしてくれないんですか」とクレーム。その時間、筆者はUWWラロビッチ会長の会見に出ていたので、知らなかったんですよね。矢吹カメラマンが撮影したみたいなので、「必ず載せます」と約束しました。

 ラスベガスからの飛行機は国内線だから、チェックが厳しいとは思えなかったけど(荷物のチャックはありましたよ)、乗り換え地のサンフランシスコでも、税関なるところは通らずに成田行きの飛行機へ。パスポートをチェックして、スタンプを押してくれる箇所があるとばかり思っていたけど、そうした手続きは一切なし。

 「え? 出国って、こんなに緩いの?」と疑問。出て行く人間は、薬物を持っていようが、ピストルを持っていようが、「ウチは関係ありませ~ん。受け入れる国でチェックしてください」ということか。前回(2003年)のニューヨークはどうだったかな? 出国に際して、パスポートにスタンプを押してくれない国は、初めてのような気がするけど…。


 【9月12日(土)】

 世界選手権も最終日。きつかった連日の取材も、最後になると、どこともなしに名残り惜しくなるから不思議です。日本フリースタイルにとっては、期待の選手が出ることも、疲れを忘れさせてくれるのでしょうか。

 しかし、次々と敗れ、ファイナルに進むことができませんでした。残念ですが、これが現実なら、受け入れなくてはなりません。リオデジャネイロ・オリンピックの男子の出場が「0」になったら、、、、。あと3度の予選、必死に闘ってほしいものです。

 この日は男子4階級ということで選手数も多く、第1セッションと第2セッションの合間もほとんどなし。2日間の慣例となったウォーミングアップ場での昼寝もできませんでした。ただでさえ、昨年から24階級に増えました(それまでは21階級)。加えて、従来より1日少ない日程は、やはりスケジュール的にきついですね。

 ところで、世界選手権も2017年からは3スタイル同時でなくなる可能性もあるとか。3スタイル24階級を一気にやるのは時間的、財政的に厳しいからとのこと。3スタイルだから注目が集まるという面があるわけですが、3スタイルでは開催できないが1スタイルならできる、という国もあります。

 途上国なら1スタイルででも実施、普及に努めたいところでしょう。どちらがいいのかは分かりませんが、皆さんはどう考えますか。

 男子フリースタイルの団体表彰は、ロシア、イラン、グルジアの代表が上がりました。池田記者が、「ア! ツルツル3人が上がっている」とゲラゲラ。確かに3人とも髪の毛がない! 偶然か、それともトップがこうだった方が、強いチームが育つということか。確かに、日本の女子のトップも、この頭だ。いや、今は男女を通じたトップだ。ならば、来年は男子もやってくれるだろう。期待しています。

 全日程が終わり、記者の方も三々五々に帰っていきます。最初に栄和人強化本部長と間違った朝日新聞のS記者はリオデジャネイロへ帰ります。「また、いろいろな情報、聞きますね」とあいさつ。もう、リオデジャネイロ取材へシフトチェンジしないとなりません。もちろん、来年のオリンピック予選が先。まず3月のカザフスタンです。前回と同じく、ドイツ経由で行こう、などと考えています。

 共同のI記者はロサンゼルスへ帰ります。「いい大会でしたね。感動しましたよ。大会の運営といい、日本レスリング協会の対応といい。ボクの心の中でレスリング、3番目にランクされました。1番が(自分のやっていた)ラグビー、2番が(いま取材している)大リーグ、3番目にレスリングがきました」とのこと。

 マスコミへの対応をきちんとすることは、日本レスリング界に脈々伝わる伝統なのです。今回は事務局から武田さんが来てくれ、報道とチームとの間に立ってくれたので助かりました。広報メンバーだけでは、自分たちの取材で手いっぱいで、こうはいきません。意思疎通を欠く部分もありましたが、東京オリンピックへ向け、報道対応の方向性はできたような気がします。

 トランシーバーも100%活用し切れていなかったのも事実。しかし、やってみて分かることも多いわけで、今回の経験を次回、カザフスタンでの予選に生かしたいと思います。

 最後にUSAレスリング協会広報担当のゲーリー・アボットさんとボブ・コンドロンさんにあいさつ。「最高のチャンピオンシップ。毎年、USAで開催してほしいです」という言葉は、お世辞でもなんでもなく、掛け値なしの本心です。報道対応もすばらしいこうした大会をやっていけば、メディアもレスリングをどんどん取材し、注目も上がると思います。

 ありがとう、USAレスリング協会!

地元の英雄、ジョーダン・バローズの優勝に沸く満員の観客

バローズの優勝で最高の盛り上がりとなったフィナーレ

祭りの後。マットが撤去され、2015年の最大のイベントが幕を閉じた

この日の夕食。6日間、こんな感じの食事でした


 【9月11日(金)】

 前日の保高カメラマンの“カメラ忘れ事件”に続き、この日は筆者がホテルにカメラを置き忘れて会場に来てしまいました。保高カメラマンは盗まれたとばかり思っていて、結局、置き忘れでしたが、私は最初から置き忘れであることを自覚していました。

 保高カメラマンが「盗まれた!」と慌てていた時、別にからかったりしたわけじゃないですよ。一緒になって動きましたよ。もし、知らんぷりしていたら、そのたたりかもしれませんが、私は人の不幸を喜んだろ、知らんぷりすることはできません。2009年のデンマーク大会で、今は人妻&母になった東京スポーツのA・N記者が携帯電話を亡くした時だって、一緒に探したんですよ(クリック)。

 まあ、私にとってカメラはこのブログ用と個人の記念撮影用です。試合撮影用ではないから、なければないで何とでもなります。この日は携帯電話での撮影でカバーすることになります。

 さて9月11日といえば、多くの人がピンときますよね。ニューヨークほかを襲った同時多発テロの日。米国国民にとっては忘れることのできない日です。試合前、会場の大型ビジョンに星条旗が映り、観客に起立を求めて、犠牲者の冥福をお祈りしました。

 グレコローマンの不振を挽回してほしいフリースタイルですが、今ひとつです。61kg級の鴨居選手が3位決定戦へ進みましたが、オリンピック階級でないので、報道陣の盛り上がりも今ひとつ。ま、鴨居選手には何の責任もないですけどね。

 この日は手持ちの現金がなくなりつつあったので、オーリンズホテルのロビーにあるATMに引き出しに行きました。クレジットカードでいつものようにキャッシング。ところが、、、、、、レシートだけが出てきて、現金が出てこないのです!!!!

 なんだ、これは! レシートには間違いなく引き落とす予定だった金額が書いてある。それで現金を手にできないとは! よく見ると、レシートの一番下に何か説明が書いてある。読もうとしても、老眼鏡(一番度が低いものですが、もうこれがないと小さな字が読めない年齢になってしまいました)を持ってこなかったので、よく読めない。

 記者席に取りに戻ることにした。保高カメラマンがいたので、「何と書いてある?」と聞くと、「2時間以内にキャッシャーで受け取れ」という内容らしい。カジノのキャッシャー? ま、現金が出てこない理由は分かった。

 キャッシャーに行ってみると、「IDを示してくれ」とか何とか言ってくるが、とにかくやり方としては間違っていないようだ。パスポートを示し、受け取りにサインして、やっとゲット。でも、手数料として10ドルくらい取られている。やっぱりキャッシングは経済的ではないかもしれない。

 この日も第2セッション前、インド・チームが残っていたけど、ウォーミングアップ場のすみっこのマットの上でゴロリ。約30分、意識がなくなるほど“熟睡”。元気を回復して記者席に戻り、ファイナルのセッション。

 無線LANのスピードが今ひとつだ。ここのLANは、「media」というLANを選び、決められたパスワードを入れる方式。2日目から同じだから、そのパスワードが、メディア以外の人にかなり流出していて、みんなが一斉に使っているからなのではないか。パスワードは毎日変える必要があると思った。

 ファイナルに進んだ日本選手は1人いうこともあって、どの社も早めに終了。こちらも、前日までに比べれば少しは楽になった。絶対に12時までには寝よう、と思ったが、どうしても時間がかかってしまう。それでも、12時半にはベッドに入れる。いつもより、ゆっくり寝るぞ!

観客席ロビーでは前日優勝したアデライン・グレイが撮影会をやっていた

私の好きなウクライナ、今年も世界一の選手が出ましたね~。


 【9月10日(木)】

 朝、会場へ到着、さて試合、という時、保高カメラマンが慌てふためいる。「カメラがないいです!」。そんなバカな。「持ってきたのか?」と筆者。「持ってきたはず」と言う。記憶をたどり、朝、ホテルでの食事の時には必ずあったという。

 会場に来て、記者室に入った時も持っていたという。さらに記憶をたどり、借りているロッカーを開けた時、近くのテーブルの上に置いたところまでは記憶があるという。そのあとの記憶が途絶えているそうだ。そこに置いたままのカメラを盗まれた可能性が大きい。

 記者室には、記者とカメラマンIDを持っている人しか入れない。同業者の持ち物を盗む人などいないと信じたいが…。去年は高橋侑希選手がシングレットを盗まれ(たぶん、同じ選手にだと思う)、3位決定戦は「Kamoi(鴨居)」と書いてあるシングレットを着て闘った。

 1997年の世界選手権(ロシア・クラスノヤルスク)では、東京スポーツの某カメラマンが、計量会場に置いたバック一式を盗まれ、カメラは手に持っていたので無事だったが、パスポートやロシアビザなどを盗まれ、大騒ぎになった。

 去年のアジア大会でも他競技であった。他人のものを盗む人間はどこにでもいる。「神のおぼしめしだ」という理由で、罪悪を感じない人もいるらしい。

 保高カメラマンはスタッフに事情を訴え、警備などに動いてもらった。警備員が忘れ物として処理してくれているかもしれない。あるスタッフの勧めでホテルに戻ることにしました。「1%くらいの可能性があると思います」とか何とか言って。

 ところが…。ちゃんと部屋にあったのです! 「ホテルでの食事の時にはあった」「記者室に入った時も持っていた」「借りているロッカーを開けた時、近くのテーブルの上に置いた」というのは、すべて保高カメラマンの錯覚だったのです。

 聞いたところによると、前日は数時間しか寝ていないとか。幻覚症状が出るほど、疲れていのでした。疲れているのは筆者も同じ。睡眠時間は極端に少ないです。

 この日は第1セッションと第2セッションの間、耐えきれずに横になることにしました。外の芝生で、と思いましたが、気温100度を超える暑さでは、難しいことが分かりました。

 あ、100度と言うのは、華氏ですよ。日本は摂氏です。世界的には摂氏ですけど、米国はこうした単位、とことんこだわるんです。「ポンド」「ヤード」「フィート」とか。米国は自国の伝統にこだわるんですね。

 それはともかく、会う記者ごとに、「疲れていますね」と言われます。ま、自分自身にも悪いところはあるんですけどね。このブログを書く時間を「30分。それで書ける分量」と決めながら、気がつくと1時間を大きく超えているわけです。時間の経過を忘れて没頭することを「フローの状態」というらしいです。

 でも、人間はこの「フローの状態」こそが、幸せの度合いであり、この状態が多くある人ほど幸福を感じているんだそうですね。レスリングの強い選手は、例外なく練習で「フローの状態」になるわけです。この技を自分のものにしようと取り組んでいたら、あっという間に2時間、3時間経っていたとか。

 筆者のはるか昔の現役時代は、「あと何分?」とか思って、時計をチラチラ見て練習していたわけです。こういう選手では強くなれません。人にやらされていることなら、まず「フローの状態」にはなりません。

 今はフローの状態になることが、とても多い。まあ、幸せなんだ、と思います。、まあ、それも体力が続いてのこと。寝ないとなりませんので、短いようですが、きょうはこのあたりで。

 あ、最後に(と思っているのに、次々に思い出すことがあって、書いてしまう、というのが常です。もうフローの状態になっている!)、この日のファイナルマッチ、男子フリースタイル65kg級の決勝、イタリア-ウズベキスタンは、「これぞ世界一決定戦」というすばらしい試合であったことを、付け加えておきます。

 保高カメラマンが「写真では伝えられない」と言っていましたが、文章でも伝えられません。動画でも難しいかもしれませんが、いずれリンクしますので、ぜひこの試合を見てください。

最高試合を演じたフランク・チャミゾ・マルケエス(イタリア=元キューバ)

この日の夕食


 【9月9日(水)】

 武田事務局員との間で使っているトランシーバーの電池の消耗がすごいことが分かる。4本使っても半日はもたない。日本の100円ショップで買って来た電池はもうなくなったので、昨夜、近くのコンビニを探したが見当たらず。武田さんに「そちらのホテルでは手に入りませんか?」とメールしておいた。

 朝、「ゲットしました」とのメール。とりあえず、ほっとしたが、実際に会ってみて、「え!」。単4が必要なのに、武田さんが買ったのは単3だったんですよね^^; 「単4」と伝えたはずんだったんですが、、、。「取り換えてきます」と武田さん。ごめんなさい。

 交換に行ったところでは単4は4本しかなかったそうなので、近くの大型電気店まで行ってくれ、20本入りの格安品があったそうだ。よかった。次回からは充電式の電池を持ってこようと思った。何事も、やってみて分かることはある。

 会場で某大学の某コーチに会う。昨日の某国会議員&某協会副会長&某元プロレスラーのフェイスブックで、「タクシーのチップ、3ドル渡すところを300ドル渡した」とばらされていた。すごい個人情報の流出! ま、削除されていないところを見ると、オープンになっても問題ないのだろう。

 で、本人にその真相を聞いてみたところ、チップではなく、単純に渡し間違ったのが正しいそうだ。14ドルかそのあたりの金額を渡すところ、1ドル札と思って渡した紙幣3枚が100ドル札だったそうだ。食事の時、財布を開いたら、「あれ、100ドル札がない!」となって気がついたそうです。

 やはり伝聞は正しく伝わらない、事実関係の確認は、記者の魂。「運転手がニコニコしていたんですよね…。後になって、理由が分かりました」とがっくりの某コーチ。300ドル(約3万6000円)の損失。痛手ですね。

 私は、こうしたことは絶対にないですね。100ドル札は、手持ちの財布にはまず入れませんから! 米国ではクレジットカードはどこでも使えるし、キャッシュデスペンサーはそこいらにあるので、最近は多額の現金は持ってきません。

 手持ちの現金は多くても100~150ドルくらい。100ドル紙幣なら腰巻式のパスポート入れにパスポートなどと一緒に入れて持ち歩くので、手持ちの財布の中には、1ドル札、5ドル札、10ドル札くらいしか入っていません。

 これなら、3ドルと30ドルを間違っても、3000円ちょっとの損失。あきらめがつきますね。最初に海外に行った1986年(社会主義国のハンガリーでした)、けっこう多めのお金を持って、しかもトラベラーズチェックなどという、今あるのかどうか分からないような代物(しろもの=白色の物ではありません)を持って行きましたね。

 来年のリオデジャネイロはどうかな? 知っている人がいたら教えてください。

 で、1986年の頃は、ひとたび外国へ行ったら、日本の情報はまったくと言っていいほど入ってきませんでした。ブルガリアへ行った時など、電話も通じず(交換手に頼んだ切り、朝まで何の連絡もないのです)、1週間も日本を離れれば、浦島太郎でした。

 でも、今はネットによって日本の情報が簡単に手に入ります。この日は、池田記者の故郷、栃木が大雨ですごいことになっているというニュースがありました。川が氾濫して海のようになっている映像が目に入ってきます。実家のあるところが特にすごいそうです。

 慌てて実家に電話する池田記者。お父さんと連絡がつき、お母さんは「畑(農家というわけではありませんが、、、)の様子を見に行っている」との返答。災害の際の典型的な事故のパターン。「見に行かなくてもいいのに…」と顔面蒼白の池田記者。しばらくして、無事が確認されました。

 でも、毎日、真夏の太陽を見ている(アリーナに入ったら見えませんが)私たちにとっては、遠い国の出来事です(本当に、今は遠い国にいます)。

 さて試合開始。かつて“ウクライナの妖精”と呼ばれ、今はやらなくなりましたが、1997年世界選手権(フランス)のミス・レスリングに輝いたタチアナ・コーチに、2012年の東京ワールドカップ以来、約3年4ヶ月ぶりの再会です。最初の出会いは1994年までさかのぼります。

 今はジュニアのコーチをやっていて、今年3月のロシアでのワールドカップには来るかな、と思ってメールしたら、「行けない」という返信でした。今回も来ないだろう、と思って連絡もしなかったのですが、、、。

 来ることが分かっていたら、羽田空港で「これぞ日本」というお土産を買ってきたのですが、、、。とりあえず、日本から持ってきたアシックス製のバッグとタオルを渡したら、すごく喜んでくれました。今やレスリング界におけるアシックス製のブランド力すごいですね。

 アシックスのT君(中大レスリング部OB)、何かほしくて書いているんじゃないからね。「ほしい」と言っているわけではありませんよ。「ほしい」とは言っていませんよ、「ほしい」とは! 

 ということで、試合です。3階級でファイナルに進出。試合が終わってからも仕事が続くインターネット記者は、本当にきついのです。「取材終了=仕事終了」という「月刊レスリング」時代が懐かしい。あの時は、ゆっくり夕食を取り、酒も入りという毎日でしたね。

 保高カメラマンはファイナルにそなえ、セッションの合間にアリーナそばの芝生で日光浴を兼ねて昼寝したみたいです。あとで矢吹カメラマンが「見たぞ」と伝えていました。若い女の子が(ン? 保高カメラマンって、若かったかな?)、公共の場所で、おへそを出して(たぶん=筆者の推測です)昼寝をしてスタミナを温存する、、、、普通の生活をしたかったら、インターネット関係の仕事はやらない方がいいですよ。特に某競技団体のホームページね!

 すべての試合が終わりと、今大会のメダルはいつもの大会以上に大きいことが話題になりました。大ざっぱな私は、「いつもより大きいメダル」と書きますが、世界の通信社、共同通信の記者は、それでは満足せず、何センチかを書きたがっています。M記者が「定規ないかな、、、」と探していたので、私は自分の持っていたメモ帳を見たら、ありました! メモ以外でも役に立つことが多いですね~。

 で、吉田沙保里選手に計らせてもらったら、直径13センチだったそうです。共同通信から配信されたそうなので、新聞で見た人も多いと思いますが、参考までに。

手帳についていた“定規”。役に立った!

本日の夕食です!


 【9月8日(火)】

 この日は朝9時からUWWのメディアコミッションの会議。去年、委員長だった人がUWWの理事選挙で落選し、委員長を外れてから活動していなかったんです。私はメールで再三、再開を訴えましたが、なかなか動かなかった。やっと、前IOC広報委員で2013年にFILA(現UWW)の広報を手伝ってくれたボブ・コンドロンさんを中心に再開しそうです。

 コンドロンさんはIOC広報を2012年限りで退任し、故郷で悠々自適の生活を送る予定でした。そこに、レスリングのオリンピック競技からの除外危機。USAレスリング協会の知り合いの頼みで、急きょFILAの臨時広報へ。ローザンヌへ単身赴任し、レスリングの立て直しに尽力しました。

 最初にFILAの事務局へ行った時、その旧態依然とした組織にびっくりしたとか。やはり、レスリングの危機はFILAの組織に問題があったんですよね。レスリング界には、いい薬だったんです。あの時は、FILAからのリリースが頻繁に流れてきました。メディアに記事を書いてもらうには、これくらいしなければならない、ということです。

 私がホームページに情報をアップし続けるのは、レスリング関係者やファンもさることながら、メディアの人に読んでもらい関心を持ってもらおう、という意味もあるのです。

 私は、コンドロンさんにそのままローザンヌにいてもらってFILAの広報を続けてほしかったのですが、そうは行かないのでしょう。米国に戻りましたが、今でもレスリングを支援してくれているのです。

 会議では、世界のメディアへレスリングをアピールするための方策などが話し合われました。とにかくスタートですね。

 会場では知り合いの米国記者から、「きのうはバローズに質問してくれて、ありがとう」と声をかけられる。記者会見というのは、やはりいろんな質問がとんでこそ、開く意味があるというもの。感謝されるのだから、質問してよかった!

 記者席でUSAレスリング協会のホームページ見ていたら、オリンピック専門サイトの記事にUWWのラロビッチ会長の「2024年に女子のグレコローマンを採用」といったインタビューがあることを知る。つきに来たか、と思った。IOCが男女同数を求めてくるのは当然と思っていたので、十分にありうることだと筆者は思いました。

 しかし、目の前で展開されているグレコローマンの力勝負が、果たして女子にできるのか、という疑問は残ります。決して差別ではありません。体の構造の違いからして、胸と胸を合わせて闘うスタイルが、果たして女子に合っているのか、障害が残らないのか、という疑問があるわけです。女性には赤ちゃんを育てる役目があるわけです(子供を育てる役目は男女にありますけどね)。

 誤解を覚悟で書かせてもらうなら、女子の相撲も反対です。胸と胸をあんなふうに強打する格闘技が、女子に向いているとは思えないのです。

 試合は日本4選手が次々と撃沈。ま、こんな時もありますよ。それにしても外国の強い選手は、思い切った投げ技を仕掛けてきますね。まずコーションかテークダウンを取って、それから勝負、という発想ではないですね。もちろん強い選手同士の試合では1点をめぐる攻防になるわけですが、グレコローマンに対する日本全体の意識を変えていかなければならないのでしょうか。

 59kg級のスーリヤン(イラン)、130kg級のペレス(キューバ)という8度目の世界一を目指す選手が、ともに優勝を逃す。スーリヤンは2度の頭突きが完全なる反則とみなされ、失格負け。相手が眉(まゆ)の上を切って流血してしまったほど強烈な頭突き。本人は「故意じゃない」と強くアピールしていたけど、審判は故意と判断して反則負けとなりました。

 マットサイドで撮影していた、保高カメラマンが「まゆ毛の上がぱっくり開いていました」と、“毛”を強調して筆者に伝えてきました。耳ざわりだ!

 セッション間には、会場の大型スクリーンで、なんと1975年の世界選手権のビデオが上映されています。その中にフリースタイル級48kg級で活躍した工藤章さんの試合が流れました。「アー、工藤さん!」と口走ったら、保高カメラマンが「工藤さんて、だれですか?」と一言。

 「モントリオール(オリンピック)で銅メダル取った工藤章さんだよ」と説明しましたが、通じません。ま、モントリオール・オリンピックは1976年で、もう39年たっているんですよね。保高カメラマンが生まれる前。知らなくても仕方ないか。池田安佑美記者は千代の富士もよく知らないんだから、時代は流れました。年をとりました。髪もなくなりました。

 髪といえば、今大会の報道陣に配布されたプレスキットの中に、パソコンにUSBでつないで、キーボードを照らす簡易電気スタンドがありました(右写真)。ファイナルは会場の電気を消し、マットにスポットライトを照らすので、手元のパソコンのキーボードがよく見えませんので、とても役に立ちます。

 もちろん、明るい時は必要ありません。私は、パソコンから引っこ抜きますが、東京スポーツのM記者は明るい時でもパソコンにつけていて、ひっくり返しているので、私の後頭部を照らしています。「まぶしい!」と保高カメラマンと池田記者。

 2人から言われました。「きっと(現在、子育てのためこちらに来ていない同社レスリング担当記者の)A嬢の差し金じゃないの?」。そうか。引き継ぎ事項にあるんだろうな、「樋口さんの後頭部を照らすと、電気代が節約できるから、協力しなさいよ」とか、何とか。

 ラスベガスにいても、A嬢の魂はいつも私のそばにいるみたいな気がしました。(棚橋弘至ばりに)愛してま~す!

計量会場での1シーン。こんな喧噪の中でも寝られるのこそ、レスリング魂!

今夜の夕食!


 【9月7日(月)】

 いよいよ試合開始。USAレスリング協会のアボット広報担当の運営が素晴らしいのだろう、報道対応は「すばらしい」の一言。私の場所は、記者席の中央に配置してくれた。目の前にテレビカメラがあって、見づらいところもあるが、特等席を割り当ててくれたことには感謝。

 UWWホームページ担当のビル・メイさんとも再会。きのうはお腹の調子が悪く、部屋で横になっていたとか。日本からビールのつまみを持ってきたので渡す。上野のアメ横で7袋1000円+α。日本を去って13年になるメイさんだが、日本独自のつまみみには喜んでくれるのです。

 協会事務局の武田さんにトランシーバーを渡す。最初はうまくつながらないので、説明書を見て再度トライしてOK。これで記者席とウォーミングアップ場がつながる。まあ、私たち協会の人間は特別にウォーミングアップ場に入れるIDにグレードアップしてくれたから、いざとなったら、行けばいいんですけどね。

 試しにウォーミングアップ場へ行ってみたら、どこにもチェックする人がいなく、そのまま入れた! なーーんだ、IDの意味ないじゃないか。

 会場の記者席にいると、向こうから栄和人強化本部長がやってくる。メガネをかけてる? ン? 彼はメガネをかけていたかな? しかも、小柄できれいな朝日新聞の女性記者をつれてくる。なぜ? ここは記者しか入れず、選手、コーチは入れないはずだが、、、。

 「久しぶり」と声をかけてくる。ン? そんなに久しぶりではないのに…。「来年、リオデジャネイロで待っています」のあいさつに、あ、栄本部長じゃない。朝日新聞の元レスリング担当で、いま、リオデジャネイロにいるS記者だ。頭がそっくりなので、間違ってしまった^^; すみませ~ん。私もすぐに追いつきまーーーーーす。

 来年のリオデジャネイロに備え、いろいろと事情を収集。とにかく宿舎が高いそうです。私もいろいろ調べていますが、会場の前にある某ホテル、今年8月の4人(ツイン2部屋)10泊で17万円くらいの部屋が、オリンピック期間中は150万円を超えているんですよ! それを話すと、「そんなもんですよ。それで、どこもいっぱいですよ」と肯定していました。大会が近づくと、借り手がいなくて下がるかも、という予想は、まず外れるでしょう。

 さすがに、会場から離れたところは、そこまでは高くないけど、3倍、4倍、5倍は当りまえの世界。ただ、タクシー代は日本より安いそうで、ワンメーター(2km)あたり500円はいかないようです。それであっても、う~ん、厳しい!

 試合会場には、ハワイ出身の日系選手、クラリッサ・チャンの姿が。2008年に東京で行われた世界女子選手権の48kg級で優勝した選手。岐阜県中津川市で幼稚園の先生修業もしたことがあります。ショートヘアで愛想のいい可愛い子です。2年前に家族でハワイ旅行した時、「いま、あなたの故郷にいます。とても素晴らしい場所ですね」とメールしました。

 今回はテレビ局のインタビュアーとのこと。現役は続けているそうで、来年のリオデジャネイロ・オリンピックまで目指すそうです。

 さて、試合開始とほぼ同時くらいに、UWWサイトのホームページがダウン。日本協会のホームページでも、全日本選手権とかの時、たまに(いつも?)ありますけど、UWWでもあるんですね。全世界からアクセスが殺到しますから、仕方ないですね。

 テレビだったら、どんなに多くの人が一斉に視聴しても、見られなくなることはありません。しかし、ネットはあるのです。(と、日本協会HPがダウンした時の言い訳を書く筆者でした)

 試合が始まり、75kg級のマット、ロンドン・オリンピック金メダリストのロマン・ブラソフ(ロシア)が闘っているではないか。確かエントリーされていなかったはず。HP記事にもそう書いた。「※エントリーしていない選手でも、出場が認められるのがこれまでの慣習です」との注釈はつけて逃げ道をつくってあるけど、こういうことをやってくれると、HPの信ぴょう性が揺らぐんだよなあ…。

 66kg級のマットでは、共同通信の前担当記者のS記者のそっくりさんを発見。記者席にいた現担当のM記者に「Sさんがいる」と教えると、周囲の記者からも爆笑! 「似てる」という声が圧倒的だったが、HPの池田記者だけは「私、似てると思ったことありません」だって。コンタクトレンズが合っていないんじゃないのか。

 S記者似の選手は見事に決勝へ進出。S記者に「決勝進出、おめでとう。ラスベガスより」と祝福メールを送りました。

 75kg級は前述のブラソフが優勝。ところが、表彰式では、レスリング会場では何度も聞く「チャチャン、チャチャ、チャンチャチャ、チャーンチャチャチャッチャ」という曲ではなく、別の曲が流れました。隣の池田記者に「ロシア国歌、変わったの?」って聞きました。

 すると、ブラソフが「違う、違う」というゼスチャアをしています。そうですよね、違う国歌が流れたんですよね。2007年のアゼルバイジャンの世界選手権でも、ブルガリアの国歌が間違われました。あるんですね~。その時は最後まで正しい国歌が流れず、観客の拍手で終わりましたけど、今回はロシア国歌流れました。米ロ戦争に発展しなくてよかったね。

 夜、寝る前にメールをチェックすると、S記者から「決勝では負けましたがリオ五輪で金メダル取ります」との返信あり。来年は頑張ってね!

開会式。

開会式で流れたプロモーション・ビデオ。額の中は登坂絵莉選手です

電光掲示板の国旗掲揚。もうフラッグ掲揚の世界選手権はないかもね。

表彰式のプレゼンテーター。来年のリオデジャネイロへも行く?

間違った国歌が流れた75kg級表彰式

今夜の夕食! コンビニからビールを買ってきましたけど、、、


 【9月6日(日)】
 

 朝9時に食事。10時半にIDカード取得や下見で試合会場へ向かいます。この日は試しにバス移動。ネットで調べて10時46分発。しかし、なかなか来ない。こちらのバス停は不思議なことに時刻表がない。待っている人に聞いたら、11時発だという。休日ダイヤとのこと。でも、時刻表がないのは、何か変ですよね。

 バス停3駅でニューオーリンズ・ホテル前へ。1階のスロットマシンの数は、私たちが泊まっているホテルとは比べものにならないほどすごい。あとで、これは序曲であって、もっとすごいのがラスベガスと知ることになるのだけど・・・。

 そういえば、保高カメラマンがぷりぷりしている。朝、知り合いの某国の記者に会ったそうです。あいさつしたまではよかったけど、「部屋はどこ?」って聞いてきたそうです。下心見え見えというか、これが欧米の男の普通なのでしょうか、、、、私にはとても真似できません。

 ま、チェックインのあと、保高カメラマンに「部屋、何号室?」って聞いたのは事実だけど。保高カメラマンは、「あの男とは2度と口を聞かない!」って言っていた(私には言ってこなかった^^)。

 IDカードを無事取得。今までは、現地に行って、待たされて、顔写真を撮られて、そこでIDカード発行でした。今回は申請全員の分ができていて、名前を言えば、顔を照合してもらえる仕組み。待ち時間は0分(正確に言えば、探す時間もあるし、全員がもらうのに1、2分はかかったけど)。さすが米国。こうでなければね。きっと、当日申請はNGなのでしょう。日本で国際大会を開催する時は、このくらいのことをした方がスムーズですね。

 ここでUSAレスリング協会のゲリー・アボットさんや、元IOCメンバーで、2013年に国際レスリング連盟の広報を担当していたボブ・コンドロンさんらと遭遇。日本は取材メディアも多く、レスリング界にとって貴重な存在。日本協会ホームページはUSAレスリング協会ホームページに海外での試合の写真提供などで協力関係にあり、最優遇を約してくれました。長年の蓄積のおかげですね(と自画グランドファーザー、、、、でなくて、自画じーさん、、、でなくて自画自賛^^;)。

 時差ぼけもあって眠くなったので、いったんホテルへ戻り、短い昼寝。グレコローマンの計量時に再び会場のニューオーリンズ・ホテルへ。けっこう知った外国人に会う。日本から来た記者やカメラマンとも遭遇。ひと足早く現地入りした記者に、いろんな情報を聞く。

 組み合せ表の前は黒山の人だかり。以前ならここでチェックしなければならなかったけど、今はネットで分かるので、会場の記者室へ移動。

 ネットに組み合わせが掲載されると、保高幸子カメラマンが「98kg級(米平)はアルメニア!」と、大声で叫ぶ。昨年の世界チャンピオンで、現在、国際大会で連勝中の選手。厳しい組み合わせだが、筆者は「その方が、敗者復活戦に回れる可能性があるからいいよ」となぐさめる。逆境をチャンスに考えることが大事なのです。

 6時半から米国チームの記者会見が始まり、各スタイルの監督と代表1選手が参加。出席した記者は、米国のメディアと、日本から数名。筆者は覚悟を決めて手を挙げ、フリースタイル74kg級のオリンピック・チャンピオンのジョーダン・バローズに質問しました。

 「I would like to hear your evaluation(評価) to Japanese Sosuke Takahashi, a last year’s silver medalist?」。そばにいた保高カメラマンが「高谷でしょ」と、言ってきました。緊張していたのでしょう、「ソ-スケ・タカハシ」と言ってしまいました。そこを訂正し、「Please speak slowly for Japanese media」と付け加えると、米国記者団が爆笑しましたが、愛嬌ですね。

 バローズはていねいに答えてくれましたが、意味はよく分かりませんでした。ICコーダーに録音したので、後で聞いてみることにしました。意味が分かるかどうか、分からないけど。まあ、日本のメディアからも注目されているとなれば、バローズも悪い気はしないでしょう。

 UWWのホームページ担当のビル・メイさんを探したけど、分からずじまい。フロントで部屋を聞こうとしても、チェックインの客で長蛇の列なので、あきらめる。いったんホテルへ戻り、夕食で街中へ。直線距離にして1kmちょっとのところが、いわゆる目抜き通りなので、散歩がてらに徒歩で行く。しかし、しかし、です!

 米国は車社会なので、歩行者のための構造になっていないのです。高速道路を超える歩道が行けども行けども見当たらず、繁華街へたどりつけません。夜、かなりのスピードで走る車道の隅を歩くだけの勇気はありません。運転手もそんなところに人が歩いているなんて思わないでしょうから、そんな危険なことはできません。

 タクシーで行こうよ、と思っても、条例か何かあるのでしょう、こちらは道端にタクシーは止まってくれません。やっとの思いで歩道のある道路を渡って向こう側へ。日曜日ということもあって、すごい混雑ぶりでしたが、「これが世界の歓楽街か」と思える場所で食事にありつけ、束の間の旅行気分を味わいました。明日から試合。自由時間はありません!

計量会場で沖山功審判員を見つけた

計量会場の組み合せ表前は黒山の人だかり

米国チームの記者会見

バンダレイ・シウバのジムを見つけた!

ラスベガスの街

モノレールが走っていたラスベガスの街中

ラスベガスで有名な噴水のある広場

1時間さまよった揚げ句にありついたシュリンプ・タコス


 【9月5日(土)】
 

 この日の夕方、男子フリースタイルと女子のチームは成田空港からラスベガス直行の日本航空&アメリカン航空で出発。厳密には直行ではなく、お客さんの乗り降りをさせないだけで、給油と入国のためロサンゼルスに立ち寄るそうです。だったら、ロサンゼルスで降りる人を乗せればいいのに、と思います。実際に乗せているのかどうかは分かりませんけど。

 ホームページのメンバーは、夜、羽田空港に集まりました。深夜0時5分(すでに6日になっている)の全日空でロサンゼルスへ向かいます。皆さん、他に仕事を持っているので、土曜日も働き、その後に出発なのです。

 羽田発の深夜便は便利ですよ。まあ、選手は米国、欧州に問わず、深夜便は好まないようですね。確かに、今回の場合はラスベガス到着が深夜になるので、体調維持のためにはよくないかもしれません。

 最近、羽田発の国際線、多くなりましたね。今の若い人にはピンとこないかもしれませんが、昔は国内、国際とも羽田空港だったんですよ。1978年かな、成田空港ができたのは。以来、国内は羽田、国際は成田、が定着してきましたが、海の上に滑走路をつくったことで、羽田が24時間空港となり、国際線を戻してきましたね。

 東京在住者には、その方がいいのですが、成田空港が廃れると、困る人たくさんいますね。千葉県にお金が落ちなくなるし、京成電鉄も減収。せっかく成田空港まで延ばしたJRも、まだ元が取れていないんじゃないかな。ま、どこかで、だれかに泣いてもらわないと、時代は先に進みませんね。2020年には、かなりの便が羽田になっているのではないでしょうか。

 さて、ロサンゼルスには時間をさかのぼって、5日の午後6時半頃に到着。入国審査場には長蛇の列。係員が「ビザ(こっち)、エスタ(こっち)」と誘導します。米国入国は、仕事の場合を除いてビザは要りませんが、エスタというビザに代わるものを取得しないとなりません(私たちは仕事なのですが、現地で収入を得るわけではないので、エスタで通れます)。

 以前、それを知らないある元レスリング選手のお母さん、お嬢さんを米国に行かせようとして成田まで見送りに来て、何度やってもチェックインができず、係員に聞いたら、「エスタ取りました?」「何ですか、それ」というやりとりがあったそうです。

 説明を受け、慌ててその場でネット申請してエスタを取得。出発時間ぎりぎりに間に合った、という話がありました。そのお嬢さんも、世界カデット選手権で好成績を挙げました。この一件で何ものにも動じない精神力ができたからでしょうか。

 皆さん、米国へ行く時は、ビザは要りませんが、エスタは取らないと駄目ですよ。マスターカードやJCBカードでも駄目ですからね^^

 ロサンゼルスでは、トイレに行ってはぐれた矢吹建夫カメラマンがなかなか税関を通過してきません。保高幸子カメラマンと待つこと15分。来ない! 過去の悪さがばれて拘束されたか、などと話し合っているうちに、やっと登場。「待たされましたよ」と言っていたけど、その真偽は不明。どこかに連行されたのでは、と思っている私と保高カメラマンでした。

 ラスベガスへ到着しても寝るだけだからと、レストランで食事。レストランと言っても、バーガーくらいしか置いてないですけど。しかし、3人で103ドル(約1万2000円)、ちょっと高いのでは、と思いましたが、サービス料が18%もついているんですね。加えて10%程度のチップが常識の国。ま、最初にこういう経験をしておけば、財布も引き締まるから、かえってよかったか。

 午後11時、ラスベガスへ到着。飛行機を降りて通路を出ると、そこには多くのスロットマシン。さすがギャンブルの街。空港内にスロットマシンが置いてあるとは、、、、。私はギャンブルはしないから、何も感じませんが、ギャンブル好きなら、空港を出るまでにかなりの金を落としそうな街ですね。

ロサンゼルス空港での食事。これで約4000円分!

ラスベガス空港へ到着し、飛行機から降りての光景。空港内にスロットマシン。


 

 







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