日本レスリング協会公式サイト
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2015.09.28

「負けたことから何かを学び、もう一度挑む! 決して挑戦をあきらめてはいけません」…ザ・デストロイヤー氏からのメッセージ

 「ザ・デストロイヤー杯港区レスリング大会」のパンフレットには、「フィギュア・フォー・クラブ」の顧問である元プロレスラーのザ・デストロイヤー氏のメッセージが掲載されている。大会参加の選手というより、全国の少年少女選手権へのメッセージでもある。

 同クラブの本多尚基監督の了承のもと、全文を掲載します。(段落変え、漢字、句読点、見出しなど、一部修正しています)


 残念ながら、私は今年の素晴らしい港区レスリング大会に出席することが出来ません。とても参加したかったのですが、「フィギュア・フォー・クラブ」の本多尚基監督と、その仲間や教え子達が、私の志を継いでくれるでしょう。

 私からは出場する皆さんに大切なメッセージお伝えします。このことは、おそらく私が皆さんにお伝えしたいことの中で一番大切なことです。

 まず1つ目に、“負ける”ということに関してです。これはとても大切なことですので、心に刻んでいただければ幸いです。

 皆さんお分かりのように、レスリングとは、もっとも正直で尊敬に値するスポーツの1つです。2人の選手が競い合い、ひとりが勝ち、もうひとりが負ける。どのように勝つか、どのように負けるのか、それぞれが問われます。勝者が自分の勝利を大げさに自慢したり、負けた相手をけなしたりすることは、本当の勝者ともスポーツマンとも言えません。

 スポーツの世界に限ったことではなく、歩んできた私の人生の中で、そのような人を見てきました。このようなタイプの勝者は、実は小さな精神の持ち主であり、土台がなっておらず、状況が変わると転落の道をたどることになります。

 しかし、負けた選手を称えようと手を差しのべたり、周りやスポーツに敬意を払うことができる勝者は、競技として本当の精神を理解しています。このような勝者は強靭な精神を持ち、しっかりとした土台のある人です。たとえ過酷な状況になろうとも、気持ちは揺らぎません。

■負けた時に何をするか…、答えは簡単!

 それでは敗者はどうでしょうか。 “負けた選手たち”にメッセージを届けたくて書きました。私たちは皆、時々失敗をします。誰もが負けを経験したことがあります。その畤、“負けたときにどうするか”が、とても大切です。

 負けた時に何をするか、その答えは簡単です。「もう一度、頑張る」。それだけです。再び立ち上がって、負けたことから何かを学び、そしてもう一度挑むのです。決して挑戦をあきらめてはいけません。もし挑戦をあきらめたら、それは人生をあきらめることと同じです。

 これまで“英雄”と呼ばれる人たちは、皆、歩んだ人生のなかで負けを経験してきています。ここに、アメリカ史上、偉大なる大統領のひとりである、セオドア・ルーズベルト大統領のお言葉を引用します。私は時々、この言葉を思い返します。1910年の演説にて、ルーズベルト大統領は、新たに形成・成長する国家において求められる人間像について話をしました。

 名誉は、すべて、実際にアリーナに立つ人にある。その顔は汗と埃、血で汚れているだろう。勇敢に戦い、失敗し、何度も何度もあと一歩で届かないことの繰り返しだ。そんな人の手に名誉はある。なぜなら、失敗と欠点のないところには努力はないからである。

 常に完璧を目指して現場で闘う人、偉大な熱狂を知る人、偉大な献身を知る人、価値のある志のためなら自分の身を粉にしていとわない人…。最後に勝利の高みを極めるのはこのような人達なのだ。

 最悪、失敗に終わっても、少なくとも全力で挑戦しながらの敗北である。彼らの魂が眠る場所は、勝利も敗北も知らない冷たく臆病な人達と、決して同じにはならない。

                        セオドア・ルーズベルト大統領

 私の大切な仲間であるレスラーの皆さん、あなたが勝っても負けても、堂々と立ち、下を向かず前を向きましょう。それは皆さんがこの場所にいたからです。例え恐怖を感じたとしても、マットの中央に上がり、相手と顔を合わせ、そして一歩を踏み出し挑戦する。このことが皆さんを特別なものにし、更には自分が知っている以上に特別な何かを教えてくれるのです。

 世の中には何も挑戦しようとしない人達が大勢います。そういう人達は、目の前のことに挑戦しようとしないから、何の恐れも知りません。このような人達は、目の前にある人生が、ただ過ぎ去っていくのを見ていることに満足してしまいます。

 自分の人生の途中でその場に座り込み、過ぎゆく列車を見送り、乗ることもせずに…。そうです、どこへも行こうとしないのです。

 しかし、みなさんはこの素晴らしい人生の列車に乗り込み、挑戦し、例え負けてしまっても挑戦し続け、何度も繰り返し挑み続けます。つまり、より良い経験を積み、それが精神的な蓄えとなっていくのです。

 皆さんは、勝利も敗北も知らない冷たく臆病な人達と決して同じになってはいけません。なぜなら、今日ここに存在していることで、あなたは人生の勝者なのです。

■Get Tough!=努力を惜しまず強くなれ!

 2つ目に皆さんにお伝えしたい大切なことは、「Get Tough!=努力を惜しまず強くなれ!」ということです。なぜなら、皆さんはもっともっと強くなるからです。努力をすることはレスリングに限りません。人生のあらゆることに対してです。

 たとえ辛い練習であっても、頑張ってたくさん練習したら、さらに強くなれます。その強さや努力は必ず勝利に導いてくれます。勉強でも、頑張れば頑張るほど、成績が上がります。仕事も頑張れば頑張るほど、会社でより価値のある人材になるでしょう。すべてのことを頑張って、自分自身が強くなれば、成功への道に近づきます。

 この瞬間も努力をせず、何にもしていない人はたくさんいます。私に言わせれば、目の前のことだけを見ている人は、成功しません。

 いま、この大会に参加していることも特別なことです。私は真剣にそう思います。この会場にいる皆さんは、みんな優勝するために頑張っており、勝ちたいという向上心があります。このことは人生でとても素晴らしいことなのです。

 皆さんは、すでに人生で成功するために努力している数少ない優秀な人達の中にいます。

 私は今日、皆さんの健闘を直接、会場で見たかったです。皆さんと一緒にいられることを心から願っていました。参加できずに申し訳ございません。大会の成功と、皆さまの今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。


ザ・デストロイヤー(本名=ディック・べイヤー) 

 1931年7月1日、ニューヨーク州バッファロー生まれ。シェラキュース大学時代には.フットホールとレスリングの選手として活躍。1954年にプロレス入り。1962年4月に.覆面レスラー「ザ・デストロイヤー」に変身。1963年に日本に登場し、当時日本のフロレス界のスター、力道山と名勝負を繰り広げた。1973年に全日本プロレスの一員となり、約6年間、ジャイアント馬場のよき相棒として全日本プロレスを盛り上げた。1993年に現役引退。ニューヨークに帰り、小中字校の教師(数学、教育、体育)をしながらレスリングと水泳のコーチをやり青少年の育成に努める、レスリングと水泳の選手を何年にもわたり日本の青少年大会に連れて来て、国際交流に努めている。


 







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