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2015.11.15

【全日本大学選手権・特集】喘息を乗り越えて4連覇の偉業達成…97kg級・山本康稀(日大)

(文=増渕由気子)

 キャプテンの意地でもぎ取った史上6人目の快挙達成! 全日本大学選手権の97kg級は、山本康稀(日大)が決勝で洞口幸雄(早大)に5分25秒、10-0のテクニカルフォールで勝って優勝。2011年の高谷惣亮(拓大=現ALSOK)以来、6人目の大会4連覇を達成した。

 日大は昨年の団体優勝大学で、今大会は連覇を目指すチーム。山本は「4連覇もできて、同期の小山内も優勝できた。団体優勝に向けていいスタートが切れた」と満足そうな表情を浮かべた。

 6月の全日本選抜選手権で負けている相手、園田平(拓大)との準決勝は、手に冷や汗を握る展開だった。序盤から一方的に攻めたてられてあっという間に0-8。園田は攻撃の手をゆるめず、すかさずタックルを繰り出して、山本の足をつかんでバランスを崩そうとした。

 万事休すの山本だったが、「0-8と追い込まれた時、相手もばてていました。心理的には自分の方が楽だった」と冷静に対応してエスケープ。両足タックルなどで一つずつ反撃し、終盤にはタックルからのグラウンドの連続技で8-8に追いつき、ラストポイントによって逆転勝ちした。「僕はキャプテンで、学生最後の大会」と山本が胸を張るように、年下の園田に経験の差を見せつけた。

■誕生日に花添えた4連覇の快挙

 いつもより動きが悪い理由があった。「実は、喘息(ぜんそく)になってしまっていた。国体前から調子が悪く、夜も寝られず疲労も取れなかった」。喘息は小さい頃からの持病だが、練習ができなくなるほどに悪化したのは初めてのこと。結局、1ヶ月のドクターストップがかかり、10月は、有酸素、無酸素に関係なくすべての運動が禁止された。

 “練習の鬼”として「誰よりも練習する」と評価の高い山本が、学生の最後の大会前に離脱。普通なら焦ってネガティブになる状況だが、山本は「練習場には顔を出し、みんなにアドバイスをしていたら、それはそれで楽しかった」と、自ら違った形でレスリングにアプローチして1ヶ月を過ごした。

 マットに復帰したのは11月に入ってから。「監督やコーチからは、『負けている状態から(ポイントを)獲る練習をしておくように』と言われた」と厳しい戦いをシミュレーション。メンタル面も鍛え、園田に0-8と追い込まれても、動じずに逆転して見せた。

 4連覇の偉業を達成できた山本。「今日、誕生日だったんです。負けられなかった」と、22歳の誕生日に自ら花を添えた。


 







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