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2015.11.17

【全日本大学選手権・特集】32年ぶりの快挙に緊張するも、下馬評通りに優勝…61kg級・有元伸悟(近大)

(文=増渕由気子)

 西日本学生選手権で4連覇を達成し、全日本学生選手権(インカレ)61kg級王者でもある有元伸悟(近大)が、全日本大学選手権61kg級でも力を見せつけて学生二冠王者に輝いた。西日本の大学所属選手として、1983年の石森宏一(大体大)以来、32年ぶりの“大記録”だ。

 快挙達成に有元は「二冠王者が(西日本にとって)珍しい記録ということを試合前に知って緊張してしまった」と苦笑いしたが、インカレや国体で苦戦し、最大のライバルと考えていた日体大の山崎達哉が出場しないことを知ると、「絶対勝たないとダメだな」と、わき目もふらずに優勝だけを見据えて戦った。

 “大記録”のプレッシャーとの闘いは、有元に見えない重圧をかけ続けた。「最初の方は動きが硬くなってしまった。学生の大会なのに失点も6と多かったことが気になってしまった」。途中から何を目標としているのか、初心に戻り、「二冠とか無失点とかじゃなく、この大会を(優勝で)おさめることだ」と再確認し、準々決勝から決勝までの3試合は、すべて10-0と無失点のテクニカルフォール勝ち。

 攻撃もさえ、葛西飛駿(国士舘大)との決勝では、タックルやがぶり返しを決めて得点を重ね、最後はバックポイントで10点目を挙げた。

■西日本のエースとして注目された4年間の総決算で優勝

 今大会は西日本学生連盟が主管で、大阪で行われた。それだけに西日本所属選手の活躍に期待がかかった。インカレ両スタイル優勝で、軽量級の有元と並ぶ西の重量級の顔、津田大健(中京学院大)は、準々決勝で負傷棄権。担架で運ばれてしまい学生二冠という快挙はならなかった。

 西の代表として勝たなければ、という使命感がぐっと増したことも、尻上がりに調子を上げた要因かもしれない。有元は「振り返ってみたら、組み合わせにも恵まれていた。出来すぎの内容だった」と、学生の大会最後の個人戦を優勝で締めくくったことに合格点を与えた。

 今季の学生タイトルを総なめしたほかは、6月の全日本選抜選手権でも決勝の舞台に上がって2位だった。昨年の全日本選手権は3位。全日本レベルの大会で3位、2位とくれば、次の目標は言うまでもない。有元は「全日本選手権は61kg級でエントリーします。王者の鴨居さんが(オリンピック階級に)変更するみたいなので、優勝を狙っていきたいです」とキッパリ言い切った。

 現在大学4年生で、卒業後もレスリングを続ける予定。来年のリオデジャネイロ・オリンピックへ向けてオリンピック階級に変更する選手が多い中、有元は61kg級にこだわる理由をこう述べた。「自分はまだ、オリンピックに出られるほど強くない。まずは、学生のうちに天皇杯(全日本選手権)を獲りたいという気持ちが強いです。体型的に57kg級は減量が厳しく、65kg級は大きすぎる。61kg級はベストの体重なので、この階級で全日本選手権を優勝します」。

 中学時代までは大阪・吹田市民教室所属で、2008年に高橋侑希(現山梨学院大)や太田忍(現日体大)らとともに全国中学生選手権の王者へ。高校時代はタイトルがなかったが、近大に進学し、西日本のエースとして4年間、注目された。「近大で伸び伸びやれたし、部員たちと楽しくレスリングをやってこられた。フォーカスを当てられ、期待されたことがモチベーションになって、それにこたえることができたと思う。楽しい4年間だった」と振り返った。

 全日本選手権では、近大初の全日本王者に名を刻めるか—。


 







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