【全日本選手権第２日・特集】健闘選手の声（男子グレコローマン）
（文＝増渕由気子、布施鋼治、目黒広菜、渡辺新平、撮影＝矢吹建夫）
■71㎏級２位・倉野真之介（横浜市消防局＝法大勢として久しぶりの決勝進出も２位）「（永田克彦は）圧力のかけ方がうまかったり、自分が行こうとした時のいなし方がうまいなと思いました。それで２回ほど点数をとられた。世界で闘ってきた人というのはこういうものなんだと感心しました。体力勝負に持っていけば相手もばてるかなという気持ちもちょっとあったので、スタンドで勝負するしかないと思っていました。それをうまさでカバーされてしまった」
階級ダウンも、決勝で力尽きた鶴巻宰（自衛隊）
■75㎏級・阪部創（神奈川大＝学生王者。国体に続いて屋比久翔平に敗退）「前半は自分の動きができたけど、第２ピリオドになったら相手に攻め込まれてしまった。グラウンドで２回守れなかったことが敗因だと思います。（屋比久には）国体で初めて闘って、そこで負けている。今回はリベンジして優勝したかったので悔しい。ゼロからやり直したい」
■75㎏級・清水博之（自衛隊＝2014年世界選手権５位）「これが今の僕の実力であり、限界ですね。（負けた屋比久翔平戦は）スタンドでポイントをとっていたのは僕なので、そのあとのグラウンドで守り切っていれば…。あそこが勝負どころだったと思います。もう引退ですね。自分より若い選手に負けてしまって。去年、右ひざをけがして、それから復活してここまで来たけど、支えてくれた周りに感謝したい。ここまでやらせてもらって、自衛隊には本当に感謝しています（涙声）。オリンピックに出る夢はかなわなかったけど、ここで一線を退いて自分がやってきたレスリングでみんなに恩返ししていきたいと思います」
■75kg級・金久保武大（ＡＬＳＯＫ＝今年の世界選手権代表。準決勝敗退）「まず11年間の競技人生を支えてくれた家族、選手のみなさん、会社に心から感謝します。競技に集中できるようにサポートしてくれたから、競技を今まで続けてこられた。けれども、その気持ちは相手（鶴巻宰）の方が強かった。（俵返しに乗られて失点したが）攻撃したことに悔いはない。僕が持っている技は俵返ししかない。ばれていても、あれで勝負すると決めていたので、そこに対しては悔いはありません。負けたら終わりだと思っていた。競技を始めるきっかけになった松本慎吾先輩に期待してもらっていたのに、申し訳ない。結果を残せなかったことには悔いが残ります」
■85kg級・天野雅之（中大職員＝準決勝で角雅人に敗れる）「今日をもって選手としては終わりです。一線を引くつもりです。悔しい気持ちはありますが、いいコンディションを作って試合に臨み、実力を出しての結果です。角選手なり、岡選手なりにはオリンピックの出場枠を獲得して、オリンピックで金メダルを獲ってほしいと思います」
■85kg級２位・角雅人（自衛隊＝決勝で自衛隊の先輩、岡太一に敗れる）「勝つつもりでいたので悔しいです。自分はまだ強くなれると思う。これでオリンピックが終わったわけではないので、先輩が出場枠を取れなかったら。自分が取ってきて、プレーオフで勝ちたいです」
■98㎏級・前川勝利（ワセダクラブ＝2013年世界選手権130kg級代表）「敗因は相手（奈良勇太）に合わせすぎ。四つにくっついて勝負したかったけど、向こうはくっついてくれなかった。強引に行ったら合わせられてしまった。相手が左構えだと苦手意識があるので、それは克服していかないといけない。（２回戦で闘った）大坂昴さんは普段から練習で一緒なので手の内はわかっていた。たまたま投げがかかったので勝てたんだと思う。これでリオデジャネイロ・オリンピックに出場する可能性はほぼゼロになったけど、僕は年齢的に東京オリンピックを狙えるので狙っていきたい」
■98㎏級・大坂昴（三菱電気＝昨年アジア選手権２位）「（１回戦で前川勝利に敗れ）こんなもの。いままでやってきたことが全て。（敗因は？）とくにない。アイツ（前川は大学の後輩）が階級を落としてきた時点で、いつかやるだろうと思っていました。やりにくいということはなかった」
■98㎏級２位・米平安寛（三恵海運＝ロンドン・オリンピック代表の斎川哲克の壁を越えられず）「オリンピックを目指して今までやってきたけど、こういう結果ではふがいないというか、ひとつひとつ取り切る力や技術をもっと追求して行かないとオリンピックという舞台は遠い。斎川さんはロンドン・オリンピックまでの間、けいこをつけてもらった先輩。６月の全日本選抜選手権は腰を壊して途中欠場したので、僕が勝たなければいけないと思っていたけど残念です。この内容でリオデジャネイロの予選に参加させていただけるかどうか分からないですけど、それ以降のことは考えていません」
