【全日本選手権最終日・特集】健闘選手の声（女子）
（文＝増渕由気子、渋谷淳、目黒広菜、渡辺新平、撮影＝矢吹建夫）
登坂絵莉（至学館大）を追い詰めた入江ななみ（九州共立大）
■55kg級２位・菅原ひかり（至学館大＝念願かなった吉田沙保里と初対決するも、敗れて２位）「大学４年で就職も決まった。全日本レベルの大会に出ることや至学館のシングレットで試合をするのも最後だから頑張ろうと思った。吉田沙保里選手には練習で２点取ると、20点取り返されることもあった。最後はカウンタータックルで受けてしまったけど、最後にあこがれの選手と対戦できてうれしかった。（６月の）全日本選抜選手権では木村安里選手に負けたけれど、今回は至学館のみんなのおかげで勝つことができた。来年４月から岩手で高校教師になる。国体要員として採用してもらった。これからは、レスリングの指導がメーンになるので、自分の中では競技は一区切りです。いい選手を育ててこの場所に連れて来たい」
■55kg級・浜田千穂（クリナップ＝吉田沙保里を終盤追い詰めるが、が城を崩せず）「もう少し、じゃ駄目です。オリンピック（出場の可能性）がなくなって、初めてレスリングを辞めようと思った。１ヶ月くらいマットに上がらない状態で、周りの人には本当に迷惑を掛けた。（吉田）沙保里さんに勝って今年度を終わりたかった。今回55（kg級）にしたのも、沙保里さんに勝つための選択。試合に勝って、監督やコーチ、会社など支えてくれた周りの人たちに、ありがとうと言いたかった。（今後については）正直全然分からない」
■55kg級・木村安里（群馬大＝今年の世界選手権代表、準決勝で敗退）「全然攻められなかったので、接戦というよりかは守ってばかりの試合でした。（今大会に向けては）沙保里さんとやりたいという気持ちでやってきました。世界選手権が終わって教育実習とかがあったのですが、これに向けて大勢の人を巻き込んで練習をやってきたので悔しいですね。次の大会は６月の明治杯（全日本選抜選手権）なのですが、そこで優勝できるようにしっかりやっていきたいと思います」
■75kg級２位・工藤佳代子（自衛隊＝決勝で渡利璃穏と逆転に次ぐ逆転の末、敗れる）「69kg級で世界選手権に出られなかった時点で引退も考えたけど、可能性があるならと周りに背中を押してもらって75kg級に出場しました。応援してくれる人たちの力でここまでこられたので、その人たちに恩返しできるようにと思って決勝に臨みました。今後のことはこれから考えます」
