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2016.04.05

【ジュニアクイーンズカップ・特集】憧れの至学館大でオリンピックを目指す! 55kg級・向田真優(至学館大)

(文・撮影=増渕由気子)

 至学館のシングレットで初優勝だ! ジュニアクイーンズカップのジュニア55kg級は、一昨年のユース・オリンピック金メダリストで至学館大に進学したばかりの向田真優が制した。初戦と準決勝はテクニカルフォール勝ち、決勝も8-0で勝ちで、全試合無失点の優勝。同世代でのレベルの違いを見せつけた。

 上出来だと思われた内容だったが、向田は「決勝でテクニカルフォールができなかった。第1ピリオドで圧倒的に勝てなかったのが残念。もっと練習します」と反省の弁。スーパールーキーとしての意識の高さがうかがえた。

 向田は三重・四日市ジュニア時代に全国少年少女大会で4年連続優勝し、最後の年(2009年)に全国少年少女連盟選手出の年間最優秀選手賞を受賞。その経歴をもってJOCアカデミーの三期生として入校。中学・高校の6年間にわたってエリート教育を受け、カデット時代から全日本の舞台でも注目を浴びた次世代のホープだ。

■人数、レベル共に日本一のチームに身を投じた!

 向田が高校卒業にあたって選んだ進路は、リオデジャネイロ・オリンピックの日本代表を総なめにした至学館大だった。これまで、アカデミーの先輩たちの多くは男女ともに関東の強豪大学に進んでいたが、向田は至学館大の門をたたいた。

 「関東から出ることは、ものすごく勇気がいることでした。けれども、全日本合宿などで至学館大の選手を見て、意識の高さなど刺激を受けました。自分も至学館大でオリンピックを目指したいと思ったので、思い切って関東を出ることにしました」。

 アカデミーで実力を順調に伸ばしていた向田だが、自分に足りないと思ったことが一つあった。「自分はメンタルが弱いので、同じ階級に何人かいるところの方がいいと思った」。関東の大学で女子が10名以上いる大学はない。一方、至学館なら高校生、大学生、さらにOGの“プロ選手”を含めると30名以上になる。しかも、その中には現役世界女王はもちろん、リオデジャネイロ・オリンピックの全階級の代表がいるのだから、人数、レベル共に日本一の大学だ。

 向田は「練習は毎日きついのですが、終わったあとの達成感があります。すごくいい環境に入れたので、送ってくれたアカデミーのコーチやたくさんの方たちに感謝の気持ちを忘れずに、頑張りたいです」と今後の抱負を話した。

■憧れであり、ライバルの吉田沙保里選手と毎日練習

 決勝をテクニカルフォールで勝てなかった要因として、向田は「いつもと違う環境に入って慣れない緊張感などがあったのかな」と話したが、環境を変えたことで、プラスになったこともある。「今回、アカデミーの選手がすごく頑張っていた。東京の選手に負けないように頑張ろうと思えた」と、同門だったアカデミー選手の活躍だ。古巣の仲間と今後も切磋琢磨していく気持ちは変わらない。

 向田が至学館に進んだ一番のメリットは、最大のライバルであり、選手として憧れの吉田沙保里(フリー)と同門になったことだろう。以前は合宿や試合でのみ顔を合わせていた吉田が、毎日の練習にいる。「身近にいて、学ぶことがたくさんありますし、アドバイスももらえる。憧れの至学館に来てよかったです。一つ一つ受け止めて、沙保里さんのようになりたいです」と目を輝かせた。

 エリートアカデミー~至学館大と最強の進路を歩み始めた向田が、今後どのように進化していくのか楽しみだ。次の試合は4月23~24日のJOC杯(横浜市)。「確実に優勝したい」と、至学館所属で2つ目のタイトルに向けて気合を入れた。


 







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