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2016.06.03

【明治杯全日本選抜選手権・特集】グレコローマン重量級を支えられるか…男子グレコローマン98kg級・奈良勇太(日体大)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

 明治杯全日本選抜選手権の男子グレコローマン98kg級は、日体大3年生で昨年の全日本大学王者の奈良勇太(日体大)が初優勝。決勝でベテランの山本雄資(警視庁)に競り勝ち、長年このクラスを引っ張ってきた斎川哲克(栃木・足利工高教=2012年ロンドン・オリンピック代表)の後継者に名乗りを上げた。

 決勝の山本戦は豪快な首投げを見せながらも直後に失点するなど、すきも見せた。最終的には、相手の脚をかけて倒した反則によって逆転勝ち。「優勝はできたけど内容はよくなかった。たまたま相手の足がかかったラッキーな勝利だった」と頭をかいた。

 父・英則さんは日大~警視庁の男子グレコローマン最重量級で活躍した強豪で、全日本王者にも輝いている。しかし、奈良は小中学校時代は野球に熱中した。恵まれた体格を生かし、捕手で4番打者と活躍したが、ひじを壊して「硬式は無理だと言われた」ため、野球を断念。父に背中を押され、埼玉・花咲徳栄高に進学してからレスリングを始めた。

 周りには幼少の頃からレスリングに親しんでいる選手が多く、フリースタイルでは苦労したようだが、高校2年生のとき「投げが得意だったのでグレコローマンの試合に出たいと」と考えてコーチに直訴。JOC杯ジュニアオリンピックのカデット85kg級に出場して優勝。頭角を現した。

 ちなみに首投げは英則さんも現役時代に得意としており、アドバイスを受けて磨いた技だという。

 英則さんはオリンピックで3度の金メダルを獲得した“レジェンド”アレクサンダー・カレリンと世界選手権で2度対戦した経験を持ち、カレリンズ・リフト(俵返し)の洗礼も受けた選手。父から何度かカレリンの話を聞かされたという奈良は、「俵返しがすごかった、と。一方、両手で握手をしてくる紳士だったとも聞いています」と言う。

 カレリンのスタイルへのあこがれを問われると、「もちろん、あります。でも、まだまだ課題があるので、俵返しは社会人に入ってから勉強したい」と、目を輝かせた。

 体格とパワーに恵まれた逸材とはいえ、全日本レベルで才能が開花するのはこれからだ。奈良は「今は差し、ローリングを磨いている。筋力も技術力もまだまだアップしないといけない」と課題をしっかり自覚。目標とする父、そしてカレリンに一歩でも近づくためには練習あるのみで、このあとは、8月30日にフランスで開幕する世界ジュニア選手権が最初の目標だ。


 







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