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2016.12.06

【特集】2016年世界選手権へかける(6)完…女子55kg級・向田真優(至学館大)

(文=布施鋼治)

 “ポスト吉田”の呼び声が高い向田真優(至学館大)が初めて世界一に挑む-。非オリンピック階級・世界選手権(12月10~11日、ハンガリー・ブダペスト)の女子55kg級代表は、2014年ユース・オリンピック優勝、今年の全日本選抜選手権53kg級優勝の向田が選ばれた。

 抱負を聞くと、「緊張して体が動かなくなるかも」と切り出した。「でも、今までやってきた練習を出せるようにいまの勢いを大事にして頑張りたい」-。

 過去に出場した国際大会でも、緊張からガチガチになった苦い過去があるが、キャリアを重ねるにつれ、それを克復した。「インターバルで戻ってきた時にコーチからアドバイスをもらえるじゃないですか。そこで気持ちを切り換えました。世界選手権では戻ってくる前に勝てるようにしたい」と言う。

■“ポスト吉田”の呼び声に、「偉大な先輩に対して申し訳ない」

 世界選手権に向けての課題も念頭に置く。「雑にならず、しっかりと、ていねいに取りにいきたい。今日の練習ではポイントを取ることを意識しすぎて雑になってしまった。その点については(吉田)沙保里さんからもアドバイスをいただきました」

 今日の練習とは、11月24日から東京・味の素トレーニングセンターで始まった3スタイルの全日本合宿の初日を指す。「最初に整列した時、本当に東京オリンピックに向けてスタートしたんだなと思いました」

 合宿先の味の素ナショナルトレーニングセンターは、JOCエリートアカデミー時代に6年間生活した思い出深い施設だ。向田にとっては「第2の故郷」と言っていい。「中学と高校時代を過ごしたところ。(施設で働く)いろいろな方々があいさつしてくださったので、本当に帰ってきたという気がします」-。

 向田は今春、至学館大に進学した。リオデジャネイロ・オリンピック後、吉田は兼任コーチに就任した。目標とする吉田から常に指導を受けられるという最高の環境に身を置く。

一部のマスコミから“ポスト吉田”と言われていることについての感想を求めると、向田は小さな声で、恥ずかしそうにつぶやいた。「偉大な先輩に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、沙保里さんに追いつけるように頑張りたい」

■世界選手権を初制覇して、全日本選手権に進めるか

 向田は5歳からレスリングを始めているので、キャリアは14年。最大の転機は練習の拠点を東京から名古屋に移したことだ。「東京から離れることになったので、すごく寂しい部分もありました。でも、今年に入ってからずっと優勝できているのは至学館大に入ったおかげだと思います」

 その言葉に偽りはない。6月の全日本選抜選手権53㎏級では、宮原優(東洋大)、矢後佑華(当時日大クラブ=現警視庁警察学校)らの年上選手を下して初優勝。その勢いで9月の世界ジュニア選手権(フランス)55㎏級では、全試合テクニカルフォールという圧倒的な強さを見せつけて優勝した。

 得意技は、吉田同様、組まずにチャンスと見るや、一気に入るタックルだ。「相手の動きに合わさずに、フェイントやカウンターを駆使してポイントにつなぐことができたらいいかなと思います」

 世界選手権でも55㎏級に出場するが、続く全日本選手権(12月21~23日、東京・代々木競技場第2体育館)には53㎏級でエントリーしている。国内では53㎏級、海外では55㎏級での闘いが続くが、階級によってギアチェンジをはかる。「55㎏級は皆さんパワーがすごい。どちらの階級でも勝てるような体力とテクニックを身につけたい」

 すべては2020年東京オリンピックに向けての試金石。世界選手権を初制覇して、全日本選手権に駒を進めることができるか。

向田真優(むかいだ・まゆ=至学館大)

 1997年6月22日生まれ、18歳。三重県出身。三重・四日市ジュニア~JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高卒。2013年世界カデット選手権52kg級優勝など早くから国内外で台頭し、2014年ユース・オリンピック52kg級優勝。2015年全日本選手権は53kg級で3位。今年は全日本選抜選手権53kg級優勝のあと、世界ジュニア選手権55kg級で優勝。157cm。


 







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