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2016.12.27

【2016年全日本選手権・特集】スタイルを変えても、強さ変わらず…男子グレコローマン85kg級・松本篤史(ALSOK)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

 全日本選手権の男子グレコローマン85kg級は、フリースタイルを主戦場としてきた松本篤史(ALSOK)が優勝。今夏グレコローマンに転向し、秋の国体に続く優勝を飾った。松本は「国体の優勝がまぐれじゃないことを証明したくて全日本に向けて努力してきた。その成果が少しは出たのかなと思う」とほっとした表情を浮かべた。

 日体大時代から国内のトップレベルで活躍し、2012年のロンドン・オリンピック、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックを目指したが、ともにかなわなかった。特にリオデジャネイロ大会は、国際大会でも優勝を経験し、出場が大いに期待されながらの無念だった。昨年12月の全日本選手権でまさかの初戦敗退。オリンピックへの夢はあっけなくしぼんだ。

 「国内選考会で情けない試合をして日本代表になれなかった。終わったと思った。次の仕事を考えないといけないと思った」。失意の中、今年はひとまずは学生相手にコーチ見習いをして過ごした。時間がたつにつれて悔しさが沸き、現役続行を決意。5月の全日本選抜選手権ではフリースタイル86kg級で優勝したが、ロンドン大会・男子グレコローマン60kg級銅メメダリストの兄・隆太郎の助言もあってグレコローマンへの転向を決意した。

■父親が頑張る姿を子供に見せる!

 スタイルは変えたが、強さは変わらなかった。「フリースタイルの時もグレコローマンでも、プレースタイルは変わらない。前に出て相手が嫌がることを6分間やり続けること」。今大会でも実力者の角雅人(自衛隊)、岡嶋勇也(警視庁警察学校)らに押し負けず、言葉通り終盤に強さを発揮して優勝を手にした。

 日体大の松本慎吾監督に「今のグレコローマンの重量級なら、勝って当たりまえ」と高い意識を受けつけられているが、「組まれると苦手」と、本格的な技術習得はこれからになる。また、「まだ海外では通用しない。対応できるよう練習していきたい」とレベルアップに意欲的だ。

 一度は終わったと思ったレスリング人生だったが、今年12月にALSOKとの契約が終わったあとは、警視庁に進むことが決まっており、警察学校を経て、再びオリンピックを目指すための環境を手に入れた。

 妻からは「父親が頑張っている姿を息子に見せてほしい」と励まされた。オリンピックでメダルを獲得した兄の存在も、「このままでは終われない」という気持ちを後押ししている。28歳の松本が新たなステージで3度目の正直を目指す。


 







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