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2017.01.26

【全日本マスターズ選手権・特集】16年ぶりの実戦、かつ初めてのフリースタイルに挑戦! 元木康年さん(埼玉・和光クラブ)

(文・撮影=増渕由気子)

 念願のフリースタイルに初挑戦! 2000年シドニー・オリンピックの男子グレコローマン63kg級代表で長らく自衛隊と全日本のコーチを務めていた元木康年さん(埼玉・和光クラブ)が全日本マスターズ選手権の46~50歳の部63kg級に出場。スタイルは違えども、現役時代と変わらぬ階級でマットに立ち、オリンピアンのオーラを放ちながら3試合を勝ち抜いて初優勝を飾った。

 大会前に掲載された本ホームページの見どころ記事で大きく取り扱われたことで、周囲から「余裕で勝てる」と声をかけられることが多かったという。本人は「フリースタイルの試合は初めて。他の試合を見る余裕がないくらい、とても緊張しました」と精いっぱいの様子だった。

 元木さんは山形・庄内農高時代まで柔道に取り組み、自衛隊に入ってレスリングに転向。現役時代からグレコローマン一本で活躍してきた。昨秋、レスリング班から広報班に異動となり、来客に体育学校の案内などをしている。

 男子レスリングは、世界で薄氷を踏みながらオリンピックで連続メダルを獲得してきている。全日本コーチを長らく務めた元木さんは、常に張りつめたものがあったことだろう。指導者としての肩の荷が下り、「新しい仕事に挑戦できて楽しい」と充実した毎日を送る。その一方で、レスリング道場を通り過ぎる度に、「やっぱり、自分はレスリングが好きなんだな」と再確認した。

■今年秋には世界ベテランズ選手権に挑戦か?

 フリースタイルは、「遊びで手を出せる領域でなかった」と現役、コーチ時代を通して取り組むことはなかった。レスリング班から離れた今、念願のフリースタイルを学ぶ機会に恵まれた。

 「練習はお昼休みのほか、家族サービスを返上して、娘が通う埼玉栄高校(埼玉)で週末にさせてもらいました。好きなことをさせてくれた家族には感謝しかありませんね。練習は、タックルなどの基本から練習してきました。動画なども見て研究しましたし、ワダスペシャル(注=和田貴広・前男子フリースタイル強化委員長の必殺技)も練習したんですよ」。

 フリースタイルを練習して分かったことは、「相手が警戒する中、タックルを決めることは本当に難しいです。フリースタイルのトップ選手のすごさが分かりました」と苦笑い。試合では相手と距離を取って低く構え、タックルの機会をうかがったが、ポイントは接近戦で相手を落としてバックポイントを稼ぐパターンが多かった。

 「去年の健康診断でコレステロール値が高く、医者に『運動不足』と言われてしまった。もっと運動しないと」という理由も手伝って、フリースタイルの練習は当面続ける予定。今後の定期的な試合の出場については明言を避けたが、世界ベテランズ選手権について触れると顔つきが変わった。

 「3連覇を目指していた勝目力也さんが病気のために欠場したことは、本人も無念だったことでしょう。今回、自分が試合に出ることで勇気づけたいと思っていました。タイミングが合えば、勝目さんと一緒に世界ベテランズ選手権に行きたいですね。彼はフリースタイル。僕はグレコローマンで。日本人初のグレコローマンの世界チャンピオンにも挑戦してみたい」。

 盟友とタッグを組んで、世界で活躍する元木さんが見られるか―。


 







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