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2017.03.30

【全国高校選抜大会・特集】沖縄から5年ぶりの王者、今季の目標は高校五冠王…120kg級・仲里優力(沖縄・北部農林)

(文・撮影=樋口郁夫)

 全国高校選抜大会・個人戦の最重量級は、昨年のグレコローマンで3大会(JOC杯カデット、全国高校生グレコローマン選手権、国体)を制した仲里優力(沖縄・北部農林)が優勝。沖縄県として2012年の屋比久翔平(4月からALSOK)以来のこの大会のチャンピオンに輝いた。

 「うれしい、の一言です」と第一声。決勝の武藤翔吾(大分・日本文理大付)戦は、途中でリードされ、ラスト1分頃まで追う展開という冷や冷やした試合だったが、セコンドの屋比久保監督の「ゆっくりでいい。大丈夫だから」との声がしっかり聞こえ、「いつも練習していることを出し切り、最後まであきらめずに闘うことができで逆転できました」と振り返った。

 武藤とはこれまで4度闘い、お互いに技や闘い方を知り尽くしている間柄。「(いっそう)研究されていたし、うまくもなっていました」ということが苦戦の原因のようだが、公式戦での対戦成績では3勝1敗と勝ち越している相手。その優位さも焦ることなく闘えた要因だったかもしれない。

 準決勝では、学校対抗戦で優勝した日体大柏(千葉)のトリを務めるパキスタンからの留学生、アビッド・ハルーンとの対戦だった。昨年のインターハイ決勝は、やはり日体大柏の留学生のプレブスレン・デレゲルバヤル(モンゴル)と対戦し、0-4で敗れて優勝を逃していた。

 同じ留学生であり、個人戦に先立つ学校対抗戦で無敗だった選手。気持ちは決して穏やかではなかったようだ。それでも「勝つ気持ちはなくしていなかった。組み合ってみて、リーチ(腕の長さ)があって力が強かったので、テクニックで勝つしかない」と思い、パワーを技術でかわして9-0で快勝。この時点で優勝へ大きく近づいたといえよう。

■日本の重量級は自分が支える!

 フリースタイルでは初の全国王者。しかし、2014年の全国中学生選手権で優勝したほか、昨年のインターハイ2位で分かる通り、フリースタイルもできる選手。この大会の優勝により、今年はJOC杯(カデット)を含めて全国5大会制覇の第一歩を踏み出したことになる。

 現在の年齢区分になってからJOC杯カデットを含めた五冠王者は4人いて、JOC杯ジュニアを含めれば10人の高校選手が“五冠王者”の称号を得ている。しかし、沖縄県からはいない。屋比久監督からは「沖縄から初の五冠王者を目指せ」とはっぱをかけられており、そのつもりでシーズン最初のこの大会に臨んだという。

 幼稚園時代から屋比久監督のもとで始めたレスリング。昨年は世界カデット選手権に出場し(5位)、国際舞台にも飛躍した。沖縄に重量級の練習選手がいないのは事実。しかし、練習相手を求めて関東の大学へ行くなどして強化してきた。この大会のあとも国士舘大で合宿してから沖縄に帰る予定。環境の悪さを言い訳にせず、実力養成に余念がない。

 将来の夢を問われると、「(日本の)重量級は世界で勝てない、と言われているけど、世界でも勝てることを自分が見せたい」と話す。目指すオリンピックは2024年ではなく、「2020年東京オリンピックです」ときっぱり。そのためにも、まずは今年の五冠王者達成が望まれる。


 







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