男子グレコローマンの全日本チームが4月14日、神奈川県横浜市の日体大で合宿をスタートした。
3月のクロアチア~ハンガリーの長期遠征を終えて初の合宿。欧州で見つかった課題の克服が主となるが、松本慎吾・男子グレコローマン強化委員長(日体大教)は「アジア選手権(5月10~14日、インド)まで約1ヶ月、代表でない選手にとっては全日本選抜選手権(6月16~18日、東京)まで約2ヶ月」と、勝負の時が近づいていることを喚起し、「全日本合宿でポイントを取れる技を高めてほしい」と求めた。
遠征は、合宿のほか2大会に出場。軽量級は優勝選手を輩出するなど上々の結果を残せたが、中・重量級は満足いく結果ではなかった。「自分も笹本コーチ(睦=日本協会アシスタントコーチ)も現役時代は勝負できる技を持っていたので、海外でも結果を残せた。外国選手が相手でもポイントを取る形を身につけなければならない。そうでないと、漫然と練習するだけになってしまう」と、自分の形をつくることを求め、今後は技術練習を多く取り入れていくという。
この日は「1分30秒×4本」などのスパーリングを実施。通常の半分の時間にする意味は、最初の1分30秒で前に出て攻勢をとることが次につながり、後半の勝負へつなげられるからだ。「最初から見合ってしまうスパーリングでは、勝負できない。けんか腰でいい。バッティングしてもいい。それだけの腹をすえて闘ってほしい」と、スタミナ配分を考えない開始からの全力ファイトを望んだ。
遠征にフル帯同した笹本睦コーチは「外国の練習時間は短いけれど、外国選手の体力はすごい。技術はなくても前に出る力がすごく、日本の体力のある選手でも、なかなかポイントを取れず、守っているうちにスタミナを奪われてしまっていた」と合宿を振り返る。「日本に戻って、日本選手相手の練習…、攻めなくても疲れない、ポイントを取られない、という練習をやってはならない」と、松本委員長と同じく開始直後からパワー全開の練習を要望した。
当面の目標のアジア選手権に関しては、「同じアジアの選手なので、スタミナでは競り勝てる。自分のスタイルを貫き、ポイントを取れる技を磨いてほしい」と話した。
合宿は19日まで行われる。
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