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2017.07.21

アジア・ジュニア選手権の反省をふまえて緊急ミーティング…強化本部会・強化委員会

 日本協会の強化本部会と強化委員会は7月20日、東京・味の素トレーニングセンターでミーティングを開き、6月のアジア・ジュニア選手権(台湾)で3階級で不出場があり、8月1日からの世界ジュニア選手権(フィンランド)にあわや3階級が出場できなくなった事態の反省と今後の対策を話し合った。(関連記事

 ミーティングには、3スタイルの強化委員長を含む全日本の強化スタッフ以外に、アジア・ジュニア選手権の監督、計量失格した2選手の所属の監督も出席。当時の状況説明などが行われたが、一方的に責任を追及したのではなく、状況を把握し、要望を聞いた。「二度とこうした事態がないようにするための会議」(栄和人強化本部長)だった。

 世界レスリング連盟(UWW)のルールでは、世界選手権に出場できる選手数は、各スタイルで同じ年の大陸選手権に出場した選手数までと決められている。シニアでは、2007年と2011年の女子に問題となるケースが生じ、栄強化本部長もしっかり把握していたが、ジュニアとカデットにも適用されることは「知らなかった」とのこと。「責任は私にもある」と謝罪したが、強化スタッフのだれもが正確に把握していなかったようだ。

 このルールは、世界レスリング連盟(UWW)のホームページに掲載されている「GENERAL REGULATIONS FOR CHAMPIONSHIPS AND INTERNATIONAL COMPETITIONS」の第27条「参加」で記載されている。

 ただし、資料の発行日は「2017年3月」になっており、ジュニアとカデットにまで適用されるようになったのがいつかは不明。2011年ジュニアの日本女子は、アジアに7階級の派遣だったが、同年の世界ジュニア選手権は8階級に出場している。

 2014年の韓国の男子フリースタイルは「アジアに7階級、世界に8階級」。以前はそのルールがなかったか、あっても厳密に適用されていなかったようだ。現在は厳密に適用されるようになったことは間違いなく、今後は注意が必要であることが確認された。

 ただし、「参加」の意味が不明瞭。栄本部長は「エントリーして出場料を払い、現地へ行って減量し、計量器に乗ったうえで計量失格になった場合でも不出場となるのはおかしい」と話し、UWWに対して解釈を問い合わせ、改善を求める意向を示した。

 残る1選手は、出場が決まっていながら5月の東日本学生リーグ戦で負傷したため出場を取りやめたもの。大会まで1ヶ月を切っており、エントリー期限はすぎていたが、国際慣習でその時点でもエントリーできる可能性はあった。しかし。JOC杯3位の2選手がともに準決勝でテクニカルフォール負けしており、「実力差がある場合は3位の選手は繰り上げない」という認識のもと、代役を派遣しなかった。ルールを正確に知っていれば、だれかを派遣したと思われる。

■「全日本コーチでだけではなく、キッズ、カデット、ジュニアの指導者でルールをしっかりと共有したい」…栄和人本部長

 ミーティングでは、計量失格選手の所属の監督から事情説明があった。ともに選手と監督自身の甘さや自覚のなさを謝罪するとともに、選手には謹慎処分を下したり、次にこのような事態があった場合にはレスリングを続けさせない旨を伝えるなど厳しいペナルティーを科したことが報告された。今後の指導についても最善を尽くす意思表示があった。

 栄本部長は「前途有望な選手の将来を閉ざすことはしないでほしい」と話し、過度な処分を戒めた。

 男子フリースタイルの監督として同行した藤波俊一・ジュニア強化担当コーチも「当事者として責任を痛感し、深く反省している」と謝罪した一方、松永(共広)コーチはサウナにつきっきりで入るなど計量直前まで全力で減量させていたこと、女子のコーチも長時間にわたって全力で体重を落とさせたことを報告、コーチの最大限の努力を伝えた。

 今後の課題として、可能であれば空港周辺に前泊して出発させてほしいことや、予選から本戦まで4ヶ月以上ある年もあり、成長期の体重増加を考えて人選する必要もあることも提言した。

 栄本部長は「全日本コーチでだけではなく、キッズ、カデット、ジュニアの指導者でルールをしっかりと共有したい。バラバラでは駄目」と、今回の出場規定の問題のみならず、年齢についての規定などをしっかり把握し、あらゆる世代のコーチの一致団結を訴えた。

 一方、これまでに「セコンドについていたコーチが酒くさかった」「(セコンドが)タバコを吸いに外へ行った間に試合が始まった」などの声があったことも伝え、日本代表チームのスタッフとして大会に臨む自覚を訴えた。

 西口茂樹・副本部長は「だれが悪い、とかではなく、東京オリンピックへ向けて一致団結しよう、というミーティング。いい話し合いができたと思う。この失敗をプラスに変えていきたい」と話した。


 







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