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2017.08.23

【2017年世界選手権・特集】スタミナ戦に持ち込む作戦が初戦は的中…男子グレコローマン66kg級・高橋昭五(警視庁警察学校)

作戦が的中し初戦は逆転勝ちの高橋昭五(警視庁警察学校)

 【パリ(フランス)、文=布施鋼治】7月下旬、男子グレコローマン66㎏級の高橋昭五(警視庁警察学校)は東京・味の素ナショナルトレーニングセンターでの全日本合宿中に右足首を負傷。そのまま病院へ搬送された。診断の結果、骨膜が破れており、当初は全治2ヶ月と診断されるほどの重傷だった。高橋は1週間の入院を余儀なくされた。

 一時はリザーバーの出場も検討されたほど。高橋も「自分が世界選手権に出て勝てるのか」と悩んだ。男子グレコローマンの松本慎吾監督(日体大教)から「本当に大丈夫か?」「試合に出るだけではダメだぞ」と何度も念を押されると、高橋の負けじ魂に火が点いた。「死にもの狂いでやってやる」

 その後は、パリで100 %の力を出せるように、最終調整は減量と右足首に負担をかけない練習に専念した。「普段やっているような投げの練習はセーブして、マット練習をひたすらやっていました」

 高橋にとって今回は初めての世界選手権。誰と当たっても初めて肌を合わせる感じだった。デンマーク人との初戦(2回戦)もそうだったが、戦略は決まっていた。「外人は瞬発力はあるけど、持久戦になるとどうしても落ちてくる。そこで日本のレスリングの長所であるスタミナで勝つ」

3回戦は追い切れずに黒星

 戦略はズバリ的中した。第1ピリオドこそ場外逃避で2点を許したが、第2ピリオドになると、そり投げによるコレクトホールド(フォール寸前に追いつめることはできなくとも、効果的と見なされた攻撃を指す)で2点をゲット。2-2の同点ながら、ラストポイントを奪った高橋が勝利を収めた。

 続く3回戦で実現したウクライナの選手との一戦では、第1ピリオドの失点が響いて1-2で敗れた。高橋は初めから自分がいっていたら勝てたような試合だったと悔しがる。「相手にペースを合わせてしまい、その後はひたすら前に出たけど、取り切れなかった」

 それでも、世界の感触はつかんだ。高橋は体力面に関していえば負けていないと言い切る。「ウクライナの選手と最初にバーンと当たった時も、やばいな、という感触はなかった。あとは本当に細かい技術ですね。とりわけ海外の強い選手は差しが強い。しかも、ひたすら差しというわけではなく、横から攻めることもできる」

 世界に通用するフィジカルと日本レスリング伝統のスタミナに、課題である応用が効く組みのテクニックが加味される日が待ち遠しい。


 







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