【2017年世界選手権・レビュー（13）】男子グレコローマン75kg級／決勝・表彰式・メダリスト略歴

【男子グレコローマン75kg級・決勝】
Nemes, Viktor（セルビア）〇［4-1］●Chekhirkin, Aleksander（ロシア）

セルビア2人目の世界王者に輝いたビクトル・ネメス（青）＝撮影・保高幸子

左から2位＝アレクサンドル・チェヒルキン（ロシア）、優勝＝ビクトル・ネメス（セルビア）、タマス・ロエリンツ（ハンガリー）、サエイド・ムラド・アブドバリ（イラン）＝撮影・保高幸子

【男子グレコローマン75kg級・優勝】Nemes, Viktor（ビクトル・ネメス＝セルビア）

　1993年7月21日生まれ、24歳。5歳からレスリングを始める。 2009年からカデットで国際大会に出場するも、主要大会ではなかなか上位へ行けず。2013年の世界ジュニア選手権74kg級5位でやっとトップレベルへ。

　シニアでは2014年ハンガリーＧＰ75kg級3位、地中海選手権優勝などで飛躍し、2015年欧州大会で2位。世界選手権での上位入賞はならなかったが、翌2016年に欧州選手権2位を経て、オリンピック欧州予選で優勝。リオデジャネイロ・オリンピックは8位に入賞した。

　同年のゴールデンＧＰ決勝大会で優勝し、2017年はトビリシ国際大会（ジョージア優勝）、イオン・コルネアヌ国際大会（ルーマニア）優勝で勢いをつけ、世界王者に輝いた。セルビアの世界王者は2014年のダボール・ステファネク（66kg級）に続いて2人目。

《1回戦～決勝の成績》
決　 勝　〇［4-1］Chekhirkin, Aleksander（ロシア）
準決勝　〇［7-0］Kilov, Kazbek（ベラルーシ）
4回戦　 〇［2-1］Chalyan, Karapet（アルメニア）
3回戦　 〇［3-1］Yerezhepov, Maksat（カザフスタン）
2回戦　 〇［2-1］Abdvali, Saeid Mourad（イラン）
1回戦　　 ＢＹＥ

【男子グレコローマン75kg級・2位】Chekhirkin, Aleksander（アレクサンドル・チェヒルキン＝ロシア）

　1986年3月13日生まれ、31歳。13歳からレスリングを始める。2006年欧州ジュニア選手権66kg級2位から国際舞台の実績がスタート。2011年にスペインＧＰやプレ・オリンピックの74kg級で優勝するが、2012年ロンドン・オリンピックは出場できず。

　その後、2014年欧州選手権やハイレベルの国際大会での優勝、メダル獲得はあるが、ロンドン・オリンピック王者のロマン・ブラソフの存在のため世界選手権、およびリオデジャネイロ・オリンピックは出場できなかった。2017年にロシア選手権で優勝し、ピトラシンスキ国際大会（ポーランド）で勝ち、世界選手権に初出場でメダルを獲得した。

【男子グレコローマン75kg級・3位】Loerincz, Tamas（タマス・ロエリンツ＝ハンガリー）

　1986年12月20日生まれ、30歳。8歳からレスリングを始める。2003年欧州カデット選手権50kg級4位などを経て、2006年欧州選手権66kg級優勝。2007年は世界選手権5位へ躍進し、2008年北京オリンピック8位。

　2009・10年にともに世界選手権5位などを経て、2012年ロンドン・オリンピック2位。その後も、時に71kg級に上げて世界のトップクラスを維持し、2016年リオデジャネイロ・オリンピックに出場した（初戦敗退）。2017年欧州選手権3位と実力をキープ。

【男子グレコローマン75kg級・3位】Abdvali, Saeid Mourad（サエイド・ムラド・アブドバリ＝イラン）

　1989年11月4日生まれ、27歳。11歳からレスリングを始める。2008年にアジアと世界のジュニア選手権66kg級で優勝し、2009年にも世界ジュニア選手権で優勝。2011年に66kg級で世界選手権を制した。2012年ロンドン・オリンピックは11位。

　階級を上げ、2014年アジア選手権75kg級とアジア大会71kg級でともに3位などを経て、2015年世界選手権75kg級5位。2016年リオデジャネイロ・オリンピックは3位だった。