【2017年世界選手権・レビュー（18）】男子フリースタイル97kg級／決勝・表彰式・メダリスト略歴

【男子フリースタイル97kg級・決勝】
Snyder, Kyle（米国）○［6-5］●Sadulaev, Abdulrashid（ロシア）

オリンピック王者決戦を制したカイル・スナイダー（米国）＝撮影・保高幸子

左から2位＝アブデュラシド・サデュラエフ（ロシア、優勝＝カイル・スナイダー（米国）、3位＝ゲオルギ・ケトエフ（アルメニア）、アスランベク・アルボロフ（アゼルバイジャン）＝チームスタッフ撮影

【男子フリースタイル97kg級・優勝】Snyder, Kyle（カイル・スナイダー＝米国）

　1995年11月20日生まれ、21歳。5歳からレスリングを始める。2013年世界ジュニア選手権96kg級優勝に始まり、2015年パンアメリカン大会97kg級優勝など実績を残し、同年の世界選手権でも優勝。19歳での世界チャンピオンは米国史上最年少。

　2016年はメドベジ国際大会（ベラルーシ）などで優勝を逃すことはあったが、リオデジャネイロ・オリンピックでは見事に優勝し、米国史上最年少のオリンピック・チャンピオンに輝いた。

　2017年はヤリギン国際大会（ロシア）優勝でスタートし、パンアメリカン選手権とスペインＧＰで優勝。その勢いで、オリンピック86kg級王者とのオリンピック王者決戦に勝ち、オリンピックを含めて3度目の世界一に輝いた。

　《1回戦～決勝の成績》
決　勝　  ○［6-5］Sadulaev, Abdulrashid（ロシア）
準決勝　○［Ｔフォール、4:44=10-0］Alborov, Aslanbek（アゼルバイジャン）
3回戦　 ○［Ｔフォール、3:00=10-0］赤熊猶弥（日本）
2回戦　 ○［Ｔフォール、1:58=10-0］Ibragimov, Mamed（カザフスタン）
1回戦　　 ＢＹＥ

【男子フリースタイル97kg級・2位】Sadulaev, Abdulrashid（アブデュラシド・サデュラエフ＝ロシア）

　1996年5月9日生まれ、21歳。9歳からレスリングを始める。2012年世界カデット選手権76kg級優勝、2013年世界カデット選手権85kg級優勝を経て、2013年にはシニアのゴールデンＧＰ決勝大会86kg級で優勝。2014年には欧州選手権優勝を経て、18歳で世界選手権を制した。

　2015年も欧州大会優勝のあと世界選手権を制覇。10代で2度の世界選手権優勝は世界で初めて。2016年のU-23欧州選手権優勝を経て、リオデジャネイロ・オリンピックを制した。2017年は階級をアップし、ロシア選手権優勝を経て世界選手権に挑んだが、銀メダルに終わった。

【男子フリースタイル97kg級・3位】Ketoev, Georgi（ゲオルギ・ケトエフ＝アルメニア）

　1985年11月19日生まれ、31歳。元ロシア国籍。11歳からレスリングを始める。ロシアの選手として、2002年欧州カデット選手権85kg級優勝、2005年世界ジュニア選手権優勝と実績を残し、2007年にシニアの欧州選手権と世界選手権を制覇。2008年北京オリンピックで3位。

　96kg級へアップしたが、世界選手権やロンドン・オリンピックではロシアの代表にはなれず。リオデジャネイロ・オリンピックの前にアルメニア国籍へ。世界予選第1戦で優勝し、リオデジャネイロ・オリンピックに出場した（初戦敗退）。2017年は欧州選手権で9位と低迷したが、10年ぶりの世界選手権でメダルを獲得した。

【男子フリースタイル97kg級・3位】Alborov, Aslanbek（アスランベク・アルボロフ＝アゼルバイジャン）

　1991年4月2日生まれ、26歳。9歳からレスリングを始める。2008年欧州カデット選手権85kg級2位、2010年世界ジュニア選手権96kg級2位などを経て、2012年ロンドン・オリンピック出場を目指したが、出場ならず。

　その後、国内の大会を勝ち抜けず、世界選手権とリオデジャネイロ・オリンピックの出場はならなかったが。2017年にヤシャ・ドク国際大会（トルコ）やアリ・アリエフ国際大会（ロシア）で勝ち、世界選手権のメダルにつなげた。