(12月20日、東京・駒沢体育館、取材=増渕由気子、保高幸子、布施鋼治、斉藤葵)
■男子グレコローマン55kg級・田野倉翔太(東京・自由ヶ丘学園高教=圧勝続きで決勝進出)「(1年ぶりの実戦に)試合がめちゃくちゃ怖くて、実際に闘ってみて、しんどかった。59kg級時代に世界の強豪と闘っていた時よりも今日は緊張しました。現役復帰を決めたのは、日体大の恩師の松本慎吾監督からの言葉でした。焼き肉屋で偶然、お会いすることがあって、『もう1回、本気でやってみないか』と言われたことがきっかけとなりました。
僕も現役には心残りがありました。今、グレコローマンの軽量級は全盛期です。文田健一郎が世界チャンピオンで、太田忍がオリンピック銀メダル。河名真寿斗がU-23世界王者とすごいメンバーですが、僕はその全員に勝ったことがあるんですよね。僕の自慢です(笑)。
僕はこの身長なので、前日計量の59kg級では小さすぎました。55kg級ができて、松本監督に声をかけてもらったことで真剣に復帰を考えるようになりました。グラウンドのルールができたことは、よかった。僕の持ち味が出せた。そういうことも含めて、松本監督は誘ってくれたんだと思います。当日計量は10年のレスリング・キャリアで初めてでした。会場で食事ができたことはよかった。朝ごはんは炭水化物を中心にとりました。明日、必ず優勝します」
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■男子フリースタイル70㎏級・木下貴輪(山梨学院大=学生二冠王者の実力通り、3試合をテクニカルフォールで決勝へ)「当日計量でどれくらい身体が戻るか分からなかった。やってみて、初戦はきつかったけど、準決勝までいくと少し自分の身体が戻っている。今回はある程度自分の動きができたと思った。でも、いつもより身体は動かなかった。いつも(前日計量)の方が動く。とくに初戦はすぐ腕が張って、息が上がりました。
決勝は(乙黒)圭祐。同門対決なので、お互い知り尽くしているところがある。ここで回復しないと明らかに不利になる。決勝は明日の午後。ある程度戻そうと思います。今日の朝食はおかゆと豚汁と果物を食べました。あとはチームが持ってきたレモンのハチミツ漬けや紅茶をとりました」
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■女子65kg級・森川美和(東京・安部学院高=準決勝で榎本に勝ち、源平彩南との決勝へ)「優勝して世界選手権に出場したいと思い、階級を下げた。明日は、必ず勝って優勝したい。高校の65kg級で出る時は、いつも体重が足りなく食事制限も特にしていなかった。この階級で優勝するためにやってきた。
明日はもっと厳しい闘いになると思う。源平さんとは、練習試合で闘ったことがある。ラスト1分まで勝っていて最後にポイントを取られて負けてしまった。そこまでできたなら、今はもっとできると思う。源平さんよりも自分が上回っていると思うところは、柔軟性とスピードだと思います。力で闘っても負けてしまうと思うので、自分の強みを生かしていきたい。
8月の高校最後のインターハイは世界ジュニア選手権を蹴って出場したので必ず優勝しようと思って、優勝できた。自分の納得できる試合をしていきたい。今日の計量後の朝食は、豚汁、ご飯、肉団子、ウイダーinゼリー、バナナ、おにぎりを食べました。卒業後は、日体大へ進学予定。理由は至学館を倒したいから。明日も頑張ります。」
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■男子グレコローマンスタイル63kg級・北岡佑介(日体大=学生二冠王者も、準々決勝で井ノ口崇之に敗れる)「気持ちの弱さが出た。自分のしたいことができなかった。」
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■男子フリースタイル125kg級・山本泰丈(日大=全日本大学選手権で勝った山本泰輝に初戦で敗れる)「勝った流れで、所属でもいい練習ができていました。優勝したかった。差しに弱いところを研究されて、自分のレスリングが全然できませんでした。今後は体格を活かして自分から差していき、高い位置でのタックルをとれるスタイルを練習したい。リーグ戦で結果を出して、明治杯に繋げたいです
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■男子フリースタイル92kg級・吉田ケイワン(埼玉・花咲徳栄高=準決勝で鈴木聖二に敗れ、高校生としての決勝進出を逃す)「インターハイにはないような雰囲気の中で緊張してしまった。目標はいつも通り優勝を掲げていたが、負けてしまった。表彰台には上れるが、来年は1番上に立ちたい。
(今年を振り返ると)最後のインターハイの決勝は、勝ったり負けたりを繰り返していた相手だった。去年までは優勝を経験したこともあったのに、最後の1年は2位ばかりで悔いの残る1年だった。今の自分に足りないところは、体力、基本の部分。大学までのあと3、4ヶ月で基本をしっかりやっていきたい。4月からは日大に進学する予定。石黒峻士さんら、目標としている人と一緒に練習がしたいから日大を選んだ。」