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2018.04.17

ワールドカップ出場の男子フリースタイル・チームが帰国

 ワールドカップ(W杯)出場とペンシルベニア州立大での合宿で鍛えていた男子フリースタイルの全日本チームが4月16日、成田空港着の日本航空で帰国した。W杯は33年ぶりの銅メダル獲得で、昨年の世界3位の選手や一昨年の世界王者を破る選手もいた。合宿は米国代表選手や4人の全米学生王者の中に入っての実りある練習だった。

 井上謙二監督(男子フリースタイル強化委員長=自衛隊)は「17人もの派遣を認めていただき、結果を出せてホッとしています」と第一声。所属を超えて全日本チームとしてのまとりがあり、「上を目指す雰囲気が充満していた。全日本合宿からチーム・ビルディングを徹底してやってきた。その成果が実った」という。

ワールドカップで銅メダルを獲得した男子フリースタイル・全日本チーム

 「17人いたので、力を分散させて闘わせることができたのは大きい」と、体力温存と集中も好成績の一因という。イラン、ロシア、トルコがいなかった中での成績であることも認識しているが、それらの国が出ていても「3位が見える位置にいる」ときっぱり。

 米国の大会は演出や観客の熱狂がすごく、「オリンピックに匹敵する熱狂の中での闘い」だったという。そんな中で17選手全員をマットに上げ、経験を積ませた。「(大観衆の前で)あがるのではなく、堂々としていて、プレッシャーを楽しんでいたみたいだ」と、選手の強心臓ぶりにも満足そうだった。

 合宿を行ったペンシルべニア州立大は、先月の全米学生選手権で3連覇を達成した大学であり、4人の個人王者がいる。併設されているクラブには2人のW杯出場選手や世界2位の経験のある選手などがいる強豪チーム。その中での練習だけでも貴重なことだが、カエル・サンダーソン、ジェーク・バーナーという2人のオリンピック金メダリストのコーチがいて、重量級選手相手に手を抜かないスパーリングをやってくれ、価値ある合宿となった。

 米満達弘コーチ(自衛隊)にとっては、指導者に回ってから初めての遠征。後半は奇しくも2年間コーチ留学した地への遠征となった。「まだ(留学終了から)1年も経っていないので、懐かしい、という気持ちはなかったですね。選手をしっかりサポートできたかどうかは分からないけど、やるべきことはしっかりやったと思います」と言う。

 同州立大のコーチは、日本のナショナルチームが来るということで喜んでくれていたそうだが、練習が始まると「強さに驚いていました」とのこと。留学が終わったから終わり、ではなく、「こういう交流が必要ですね。交流を深めてお互いに高めることがスポーツには大事だと思います」と、今後も合宿でお世話になりたい希望を口にした。

 それに先立つW杯では、日本選手が強くなっていること実感したという。「ふだんの練習でみんな強くなっていることは知っていたけど、成績が出て、その内容もよく、驚かされた」と言う。 

「減量がなく思い切って動けた」…階級アップの高谷惣亮

 チームをけん引した79kg級の高谷惣亮主将(ALSOK)は「日本の実力は(イラン、ロシアがいても)3位が見える位置にいる。イランとはいい勝負ができたはず。ロシアはともかく、反対ブロック1位のアゼルバイジャンとやっても勝ったと思う」と自信を見せる。

 来年はロシアやイランがいる中での3位以上が目標となるが、「チーム全体の底力がついている。今年の世界選手権でも(国別対抗得点の)8位以内になって出場権を取り、来年へつなげたい」と言う。

現地で練習する全日本チーム=撮影・保高幸子

 個人としては、79kg級に上げてから初の国際大会。「体が動いて、力負けもしなかった。減量がない方が思い切って動けることを実感しました。負けたアメリカ戦は、うまいことやられてポンポンといかれてしまった。そう大きな差はない。行ける、という気持ち。世界選手権でリベンジしたい」と言う。

 79kg級での闘いは、その世界選手権まで。「そこで金メダルを取り、12月の全日本選手権から(オリンピック階級の)86kg級へ上げます」との青写真を披露した。

 W杯で4試合すべてでチームの先陣を切った57kg級世界王者の高橋侑希(ALSOK)は「チーム一丸となって取った銅メダル。うれしかったです。最初が勝たないとならないので(4戦全勝で)チームに貢献できました。副将としても役目をこなせました」と言う。

 米国戦は昨年の世界選手権決勝の再戦。「研究されてどう勝つかが重要。勝てたことで最低限度のことはできた。会場すべてが敵という中での闘いも、いい経験でした。U-23世界王者もいて、レベルは低くなかった。今後に生きてくると思います」と言う。

 この4戦全勝で世界V2へ向けてスイッチが入ったと思われたが、「(世界選手権予選の)明治杯があります。そこでしっかり勝ってからです」と気を引き締めた。







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