(文=増渕由気子、布施鋼治、岡野希春、斉藤葵)
■男子フリースタイル74kg級・三輪優翔(日体大=準決勝で全日本3位の奥井眞生選手を破るなど飛躍の2位)「(全日本レベルの大会では)初めての決勝進出。それ自体はうれしかったですが、内容は満足できません。自分の詰めが甘いところがあって、取り切れなかった。細かいところを対応していたら、勝てたかもしれない。奥井さんに勝てたことはうれしかったけれども、1回戦の相手や準決勝の相手の方が苦手意識がある選手だったので、それぞれに勝てたこともうれしかった。挑戦者の気持ちでいられたのがよかったです。今後に向けて、修正点をしっかり直して、体を作って勝てるようにしたい」
■男子フリースタイル97kg級・園田平(自衛隊=国体王者、全日本2位も同門の先輩に力負け)「地力というか、元のパワーが圧倒的に負けていた。普段から赤熊さんとは、練習をやってるが、すべてに差がある。今日は何もできず手応えもなかった。ナショナルのトレーニング施設に週3回通ったけど、それだけじゃ追いつかなかった。圧倒的な差があるので、少しでも追いついていきたい。4月から自衛隊に入り、いい環境でレスリングをやらせてもらっている」
■男子グレコローマン55kg級・小川翔太(日体大=全日本選手権に続く2位)「全日本選手権は田野倉先輩にテクニカルフォールで負けたのですが、今回は6分闘えて、少し前進した銀メダルでした。今回、(大けがのため車イスの)弟が大阪から応援に来てくれた。弟もリハビリで頑張っているので、自分も頑張っているところを見せたかった。不甲斐ない試合をしたのが申し訳ない。もっといい試合して、田野倉先輩に勝って優勝するところを見せたかったです。でも、世界ジュニア選手権があるので、リフト技のパワーをつけていきたい」
■男子グレコローマン67㎏級・高橋昭五(警視庁=決勝で同門同期の下山田培に敗れる)「去年と一緒で、最初にグラウンドで取り切れずに立たれてしまい、逆に相手のうまい形に入られてしまった。自分が最初に取っていたら、試合の流れも変わっていたと思う。初めのグラウンドがダメでした。実力不足です。最初のグラウンドのワンチャンスが課題ですね。あそこさえしっかり取れていたら…。世界選手権では下山田を応援し、全日本選手権の決勝で再び対戦できたらいいと思います」
■女子57kg級・花井瑛絵(至学館大=準決勝で元55kg級世界チャンピオンを破るも、決勝で坂上嘉津季に敗退)「最初に点を取られたら追いつけない。課題としていた部分が改善できなかったので負けた。タックルが速くて上手な選手っていうのは分かっていたのに、一瞬浮いたところをタックルに入られ、そのまま返されてしまった。準決勝は自分から攻めることはできたけど、テクニカルポイントを取れなかった(ともに30秒ルールの2点のみ)。相手の足にさわれなかった。しっかりと足を触ってポイントを取らないと優勝はできないと思った。」
■女子62kg級・伊藤友莉香(自衛隊=全日本2位の実力者もプレーオフ持ち込めず)「たくさんの人の期待を裏切ってしまって、なかなか結果が出なくて申し訳ないです。決勝の相手は、去年の世界選手権プレーオフ以来の対戦となりました。対策より自分のレスリングをやろうと思っていました。小さいけががあちこちにあって、練習ができない時もあったんですけど、周りの応援のおかげで心が折れずに試合に臨めました。感謝したいです。国内で全く勝てていないので、まず国内で勝つことを考えます。その先のことは考えられないです」
■女子68kg級・関千晶(警視庁=結婚後の最初の大会。準決勝で第1シードの森川を破ったものの、決勝はラスト8秒で敗れる)「全然ダメでした。接戦になるのは分かっていた。最後は思いっきり行こうと思ってたんですけど…。今後のことは、もう少しゆっくり考えます」
■男子フリースタイル74kg級・吉田隆起(拓大=優勝した保坂健に準決勝で大接戦)「自分の思っていた通りにできたので、行けるかな、と思いながらやっていた。最後のところでタイムが見えなくて、逃げていたら勝てないなと思って、2点を取りにいった(ことが裏目へ)。逃げずに試合を終えることは、拓大に入ってできるようになったこと。この気持ちは大切にしたい。次の大会につながる負けにしたい」
■男子フリースタイル74kg級・藤波勇飛(山梨学院大=全日本王者だが、負傷棄権でプレーオフへ)「ゴールデンウィークの練習中に顔面を陥没骨折し、全治2ヶ月。治りが遅く棄権しました。先週の全国中学生選手権中に家族と相談して、7月のプレーオフに照準をあわせることにしました。患部はずっとしびれている状態。電気治療などをして回復に努めています。でも、74kg級で自分以外の人が勝っていると、じっとしていられないです。8月にはアジア大会もある。4年に1度の大会だから出て勝ちたいし、世界選手権も確実に出たいです」
■男子フリースタイル74㎏級・奥井眞生(自衛隊=藤波不在で優勝狙うも、2回戦で今年のJOC杯ジュニア優勝の三輪優翔に敗れる)「守りに徹しすぎてしまった。仕上がりは悪くなかったが、結果がよくなかったので、言い訳をせずに、これから先の伸びしろを考えていきたい。来月の全日本社会人選手権で結果を出し、年末の全日本選手権で自分のレスリングができるように頑張ります」
■男子フリースタイル74kg級・多胡島伸佳(KATSURA group=昨年70kg級2位で、階級を上げて臨むもけがで2回戦を棄権)「1週間くらい前に大学1年生の時の右肩のけががぶり返し、無理して出てまた悪化させるのもな、と思い棄権した。東京オリンピックの予選となるのは全日本選手権からなので。出るか出ないかは、直前まで五分五分だった。ウォーミングアップをやって万全じゃないと感じた。肩は上がるけど、引きつけた時に肩がゆるくなっていて抜ける。大学1年の時にリハビリをやらなすぎて、なあなあで治したけど、ここでしわ寄せが来た」
■男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード=3月のアジア選手権でメダルを取ったものの、準決勝で赤熊猶弥に敗れる)「僕自身の甘さが招いた結果。ラスト1分くらいまでは思い通りの試合運びだったけど、気持ちの部分という一番大事なところが抜けていた。試合中に気持ちを切らしてしまったことを反省して、次につなげたい。調子が悪い時もあるし、年齢的にもきつくなってきてるという声も聞こえるけど、自分の気持ちとコンディション作りで乗り越えたい」
■男子グレコローマン55kg級・片桐大夢(拓大=同級生対決はJOC杯優勝の小川翔太に軍配)「得意技である組み手を意識されていて、なかなか技をかけることができなかった。自分も相手の試合を見て研究をしていきたい。(小川選手は)組み手がうまく、パワーがついている印象を受けた。引き続き大学の大会でも当たるので、次はリベンジしたい」
■男子グレコローマン67kg級・川瀬克祥(シリウスEHC=昨年全日本選手権2位の実力者も決勝進出ならず)「弱点であるグラウンドに対して後半守ることができなかった。今後の試合で調整して、全日本選手権で優勝をしたい。試合後、日体大の松本慎吾監督から、しっかりディフェンス面を強化するようにアドバイスをもらった。監督やコーチなど支えてくれる人のために、恩返しができるように頑張る」
■男子グレコローマン67kg級・宇井大和(早大=昨年のアジア・インドア&マーシャルアーツ大会66kg級3位の経験生かせず初戦で髙橋昭五に敗れる)「グラウンドに持って行くのが自分のスタイルで、第1ピリオドでグラウンドに持ち込みたかったけれど、相手のスタンドの方が上だったので取られてしまった。体力がないので後半追い上げるのは難しい。グランドの状態から自分の技が結構かかっていたのでそこは通用するところかなと思った。学生の大会でしっかり優勝して、次の全日本選手権では今回よりいい成績を残せるように頑張りたい」
■男子グレコローマン77㎏級・泉武志(一宮グループ=全日本選手権2位も、決勝進出ならず)「ただ、ただ、自分の力不足。練習して細かいところをつめて、点を取れるところで取り切ることをしっかりやっていかなければならないと思いました。(準決勝で最後に逆転フォールされたことについて)グラウンドだと逆転される可能性があったので、スタンドで取りにいこうと思った。取ったと思ったけど、詰めが甘くて相手の技を受けてしまった。(日体大の)松本慎吾監督からは『ここで諦めるな。諦めずにやれ』というアドバイスを受けました」
■女子57kg級・南條早映(至学館大=坂上嘉津季との準決勝、残り15秒で2点取られ惜しくも逆転負け)「実力も経験も相手の方が上ですけど、気持ちだけは自分が上であると思って臨みました。この大会で自分の力を出し切り、勝つことを目標に練習をしてきた。まだ練習量が足りていなかった。最初は思い切って攻めていたけど、最後は攻めの気持ちが薄れていたため、最後のポイントで負けてしまった。新しい環境で最後まで闘う気力と体力を強化していく」
■女子57kg級・澤葉菜子(至学館大=同門対決で昨年の世界ジュニア選手権優勝の南條早映に敗れる)「後半攻めて行こうと思ったが、相手にかわされた。パッシブで先制点を取られても動揺しなかったけど、攻めた後の処理をしっかり補強する必要があると思った。体力と技をトップの選手に近づけられるように力をつけたい」
■女子68㎏級・森川美和(日体大=警視庁ベテラン関千晶に敗れ準決勝敗退)「ポイントを確実に取りたかった。タックルで攻め切れず、自分の動きができなかった。(出場が決まっている6月22~23日の)中国オープンの優勝を目指し、今後の試合に向けて頑張ります」