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2018.09.20

【特集】2018年世界選手権へかける(1)…男子フリースタイル92kg級・松本篤史(警視庁)

 今年の世界選手権は10月20日(土)~28日(日)、ハンガリー・ブダペストで行われる。新階級、計量方法の変更などの新ルールが採用されてから初めての世界選手権。2020年東京オリンピックまで2年を切り、各国とも昨年以上に力をかけてくることが予想される。日本代表30選手の世界選手権へかける決意を追った。


《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》
《勝者の素顔=JWFフェイスブックインスタグラム


(文・撮影=保高幸子)

松本篤史(警視庁)

 男子フリースタイル92kg級の代表の座には、意外な男が座った。2013年から3年連続でフリースタイルで世界代表として闘った松本篤史(警視庁)だ。2016年リオデジャネイロ・オリンピックの出場はかなわず。一時は引退かとも思われたが、昨年29歳で警察学校へ。所属とスタイルを変更し、昨年は男子グレコローマン85kg級で世界選手権(フランス)出場を果たした。

 グレコローマンのルールが変わったことにより、今年はフリースタイルにUターンして世界選手権への切符を手にした。この階級に出場の可能性がうわさされたロシアのアブデュラシド・サデュラエフ(オリンピックを含めて86kg級で3度世界一)は97kg級に照準を定め、ロシアからは若手が出場するという情報。

全日本合宿で練習する松本(右)

 イランのこの階級には8月のアジア大会97kg級の覇者アリレザ・カリミマチアニが出てくるようだ。2015年のアジア選手権(カタール)の決勝で敗れた相手。「リベンジしたい」と燃えている。

 新ルールで行われた昨年12月の全日本選手権の成績が振るわず、今年に入ってフリースタイルに出戻った。6月の全日本選抜選手権で見事に王座に返り咲き、7月の世界選手権代表決定プレーオフにも勝ってブダペスト行きを決めた。全日本選抜選手権で左ひじを痛め、プレーオフは「かばいながら闘った」という。

 「違和感を持ちながらでもプレーオフではよく動け、理想に近い形でできた」と少し自信になったもよう。「(昨年末の)どん底からは抜け出したと思う」ー。

再転向の難しさに直面も、「オリンピックまでは、まだ時間がある」

 浮き沈みしながらレスリングにくらいついてきた松本。現在はチームの方針と努力で練習拠点が増え、重量級選手の多い自衛隊や日大にも練習に行くようになった。「強化の幅は広がった」と話す。しかし、再転向については「不安しかありませんでしたよ」と苦笑いする。

2015年世界選手権でアブデュラシド・サデュラエフ(ロシア)に挑んだ松本

 グレコローマンに専念したのは1年半と短かった。それでも、闘い方は体に染みついている。「グレコローマンは足を取られる心配がないので、構えを高くしてガツガツ前に出られた。今は、もっと攻めたい気持ちはあるけど、まだ(足を取られる)怖さがある」と、スタイル転向の難しさを感じている。

 「フリースタイルには、完全に戻れていない」と言う一方、「オリンピックまでは、まだ時間がある」と、じっくり時間をかけて完成を目指す。今回の世界選手権でも、「もちろん表彰台を目指している」が、日本での勝ち方だけでは通用しないとも感じている。「足をキャッチして得点する能力をつけなければと思う」と進化を目指す。

 92kg級はオリンピックでは実施されない階級。このあと、86kgと97kgのどちらの階級で目指すかは、まだ決めていない。新設階級でもあり、松本がどの位置にいるのか、世界の情勢も今回明らかになるだろう。

 これまで、両スタイル合わせて世界選手権には4度出場しているが、挑戦は続く。30歳でも、まだまだ成長できることを見せてくれるだろう。







2023年世界選手権/激戦の跡
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