(文・撮影=全国少年少女連盟理事・桑田信明)
今年7月に大阪・舞洲アリーナで開催された第35回全国少年少女選手権の5・6年生のチャンピオン40名を全国から招集し、「2018年エリートキャンプ」が9月21日、味の素ナショナルトレーニングセンターでスタートした。
この事業は「スポーツ振興くじ」の助成を受け、日本レスリング協会とNPO法人全国少年少女レスリング連盟が、国際大会での活躍はもとより、他の選手の模範となり、リーダーシップが取れる「エリート」にふさわしい次世代の選手を育成するために開催。将来の海外派遣を視野に入れ、期間中の体調管理や団体行動、公共交通機関を使った移動などを自己責任の下に行動し学ぶ。期間は23日(祝)まで。
初日は、開校式の後、小学校卒業後の継続を見据えた世界レスリング連盟(UWW)ルールの講習やアンチドーピング委員会によるドーピング講習も行われ、2日目の午前は基礎体力トレーニング、午後にはUWWルールによる練習試合が行われた。夕食後には映像講習が行われた。
選手は、厳しい練習と慣れない座学のほか、規律ある団体行動など、親元を離れて日常生活とは全く異なる環境の中でも、レスリングに対する情熱をもって全力で取り組んだ。
キャンプを統括する全国少年少女連盟の梅原龍一連盟理事長は「このキャンプをスタートとし、本物のエリートとしてレスリングスキルはもちろんのこと、常識ある社会人として世界で活躍する選手に成長することを期待したい。普段はご両親の下で自由に生活していると思うが、本当の自由とは人に迷惑をかけないことが基本。それを考え責任ある行動を心掛けてほしい」とコメント。
連盟の白井正良強化委員長は「去年実施のキャンプでUWWルールの講習時間が少なかった反省をふまえ、今年はルールを熟知してもらうための時間を割きました。これは中学進学時にもレスリング競技を継続してほしいことと、入学時からすぐにルールに対応して困ることのないようにと願ったからです」と話した。
さらに、「味の素ナショナルトレーニングセンターへ初めて来た選手は、この素晴らしい環境での練習や合宿を将来も継続して行えるよう願っています。テーマとなる『夢と希望の一体化』をかなえるためにも、両親をはじめとする応援してくれるすべての皆さんのためにも、今日の仲間とともに闘い、また練習して自身の成長を高めあってほしいと思います。」と続けた。
3日目は通常の二部練習の後、スポーツと環境についての映像講習が予定され、最終日も午前中まで通常練習が行われる。
2016年リオデジャネイロ・オリンピックのメダリストは、全ての選手が小学生から競技をスタートしてた。今後も世界のレスリングをリードすべく、日本協会と全国少年少女連盟は選手の育成を行っていく計画。
※本合宿は競技力向上事業の助成を受けています。