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2018.12.27

【2018年天皇杯全日本選手権・特集】西口茂樹・強化本部長/総括

日本協会強化本部長・西口茂樹


攻撃レスリングがさえた乙黒拓斗(山梨学院大)

 今年の全日本選手権を見て、平均して感じられたのは、がっちり守って勝ちにいく選手が多かったこと。オリンピックの予選だからだと思う。負けない試合をするため守りを固めることが必要、ということは分かるが、攻撃のないレスリングでは世界で通じないのも事実だ。

 オリンピック代表がかかり、「負けられない」というプレッシャーが積極的な攻撃にブレーキをかけている。それはどの格闘技にも共通する宿命かもしれない。来年6月の明治杯全日本選抜選手権では、もっと強いプレッシャーに襲われることが予想される。「負けられない」→「手堅くいこう」という試合がさらに多くなるような予感がする。

 そのプレッシャーに打ち勝ち、紙一重の差を制することで自信が生まれ、世界選手権、そしてオリンピックで勝つ精神力が生まれるのだろうから、否定はできないが、極度のプレッシャーの中でも攻めて勝つことが大事。それを経験しない選手が世界へ出て勝てるとは思えない。

 その点ですばらしかったのは、男子フリースタイル65kg級で圧勝優勝した乙黒拓斗(山梨学院大)だ。世界選手権で負った足首の負傷の治療のため、この2ヶ月間、満足な練習ができなかったようだが、それでも攻撃レスリングを展開し、群を抜く強さを見せた。世界一に輝いただけのことはある。いったいどこまで強くなるのか、と思われる内容だった。

 初めて2日間のリミット計量が実施された大会で、これが選手の動きに影響を与えた可能性はある。しかし、それはどの国の選手も同じで、瞬発系の外国選手の方が厳しいはず。日本選手に有利なルールだ。この冬、1位または2位の選手を海外遠征に派遣して鍛えることになるが、このルール下で、外国選手を相手にどんな試合を見せてくれるか。

 女子は50kg級と53kg級で世界チャンピオン(須﨑優衣、奥野春菜)が負傷と体調不良で棄権という“アクシデント”があった。本人が一番悔しい思いをしていると思うので、厳しいことは言わないが、規定により、来年6月の明治杯全日本選抜選手権は予選会から出てもらうことになる。世界チャンピオンといえども、決めて公示した出場資格、選考方法を変えることはできない。(談)







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