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2019.05.04

【特集】令和バージョンへの転換に挑む2017年世界王者・文田健一郎(ミキハウス=男子グレコローマン60kg級)


 (文=布施鋼治、写真提供=UWWオフィシャルカメラマン・保高幸子)

メダル獲得とはいえ、表情はさえなかった文田健一郎(ミキハウス)

 「ここで負けたことで、今のままでは駄目だと痛感しました」。2019年アジア選手権最終日。男子グレコローマン60㎏級で大本命だった文田健一郎(ミキハウス)は2回戦でリ・セウン(北朝鮮)に敗北。気持ちを切り換えて臨んだ敗者復活戦を勝ち抜き、銅メダルを確保した。

 「前々回の天皇杯(全日本選手権)で太田(忍)先輩に負けた時も悔しかったけど、今回はそれ以上の悔しさかもしれない。自分が国際大会で勝てるようになってからは、正直、忍先輩しか眼中になかったですからね」

 リ・セウンは昨年のアジア選手権決勝で、太田が勝っている相手だ。リ・セウンに3-5で敗れた直後、文田は憔悴しきった面持ちで、嗚咽を繰り返しながら敗因を口にした。「グラウンドで2回返ったことに尽きると思います。ディフェンスより、(ローリングされながら)相手に乗りにいこうと考えたことがよくなかった」

 第1ピリオドが終了した時点でスコアは1-5。第2ピリオドになると反撃に転じた文田に対して、リ・セウンは防戦一方だったが、パッシブ(消極性)を受けることは一度もなかった。現在のグレコローマンの流れを考えると、首をかしげざるをえないレフェリングだったが、文田はそれを言い訳にしない。「自分が取り切る力がなかったから負けただけです。審判に左右されるような試合をするようだったら、まだまだ三流ということです」

「勝っているし、このままでも大丈夫だろう」という甘さ!

 リ・セウンと闘っている最中、文田は(相手が)自分の対策をしっかりとやってきていることを肌で感じた。「以前から監督やコーチには『いつか四つに組ませてもらえないままグラウンド勝負でやられるぞ』と指摘されていました。自分でも『そうだよな』と思いながら、『でも、勝っているし、このままでも大丈夫だろう』という甘さがあったんだと思う。案の定、相手は徹底的に組まないように試合を作ってきた。守られると、何もできなくなってしまった」

グレコローマンの期待を背負ってマットに上がった文田だが…

 文田は、リ・セウン以外の対戦相手も、自分に対する戦略を十分に練ってきていると振り返る。これまで対戦相手の試合映像を細かくはチェックしていない文田とは対照的だ。「(映像を)見ている時期もあったけど、見ると逆に意識しすぎてしまう部分があって、やめてしまいました。今回の試合を見る限り、監督やコーチが指摘するように、そういう対策も必要なのかと思い始めました」

 思ったら即行動だ。結局、相手の負傷棄権で3位決定戦は不戦勝だったが、その直前、文田はアップ場で対戦する予定だったワリハン・サイリケ(中国)の試合映像を見ていた。「相手は自分の対策をしてきているということを、もっと本気で考えないといけない。やっぱり、従来の平成バージョンではダメ。得意の投げを徹底して使うためには、投げに至るまでの動きを考え直さないと」

 6月の全日本選抜選手権では、太田との天下分け目の大一番が待ち受けている。それまでに、文田は平成バージョンをアップデートさせた“令和バージョン”を作り出すことができるか。







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