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2019.08.14

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(1)…男子グレコローマン130kg級・園田新(ALSOK)


(文=保高幸子)

園田新(ALSOK)

 男子グレコローマンの最重量級で闘う園田新(ALSOK)にとって、オリンピックは「絶対に出られる大会」ではない。出場できる可能性は「五分五分ですらない」というのは、自分自身が一番分かっている。

 アジアや世界での予選制度が導入されたのが1992年バルセロナ大会。最初の2大会に鈴木賢一が出場したあとの2000年シドニー大会以降、この階級の日本選手の出場はかなっていない。まずはオリンピックに出場することが園田の目標。一方、「世界選手権で出場枠を獲得するのは難しいと思う」というのも正直なところ。「不可能を可能にできるように、自分に自信がつくような闘いをすることが(今大会の)目標です」。

 世界選手権で自信のつく闘いができれば、来年春のアジア予選で2位までに与えられる出場枠の獲得も見えてくる。アジア予選の前哨戦とも言えた昨年8月のアジア大会(インドネシア)では、男子グレコローマンの最重量級で24年ぶりのメダルを獲得。アジア予選を勝ち抜ける可能性を見せた。

昨年のアジア大会では銅メダル獲得の殊勲を挙げた

 4年前の園田は体重が増えず、「勝てない」と思うと途中で勝負諦めてしまっていた。そんな姿を覚えている人もいるだろう。変わるきっかけになったのは、リオデジャネイロ・オリンピックの世界予選で元世界2位のミハリー・ディークバルデス(ハンガリー)と死闘を繰り広げたこと。負けたものの接戦を経験した園田は、「自分も世界で勝負できるのかも」と大きな自信を手にした。そこから4年間、強くなるためしっかりと練習してきた。

 近年は体づくりにも本格的に取り組み、ウエートトレーニングの成果もかなり出ている。スクワットは160kgから240kgへアップ。ベンチプレスも150kgから200kgまで上がるようになり、「スタンドでは外国人選手ともやりあえる」という自信になった。「最初のグラウンドを守れたら勝負できる。そこがスタートライン。そのあと絶対に押し負けない」という闘いをするのが目標。根性比べには自信を持っているそうで、気持ちで負けない闘いができると胸を張る。

3ヶ月間にわたるハンガリー単独武者修行で成長

 世界での立ち位置を少しでも上げ、可能性を探すため、今年初めには自費でハンガリーに渡航し、約3ヶ月間の単独武者修行をしてきた。武者修行の成果はいきなり目に見えて出るものではない。だが、毎日海外の選手と練習をしてこそ得られた感覚がある。

昨年の世界選手権で闘う園田

 「彼らはやられても気にしない。日本のレスリングから見ると雑なところもあるけれど、細かいことを気にしていないと感じた。自分はいままで細かいことばかり考えすぎていた。もっと大きな目で、視野を広くしてもいいのかなと思いました」。違う文化圏に身を置いてこそ感じたこと。重量級の場合、日本では練習相手も多くはいない。ハンガリーでの大きい相手との練習や孤独の時間が園田の成長材料となった。

 オリンピックは園田だけの夢ではない。オリンピック出場の夢を持ちつつ、かなうことのなかった父・崇さんや母校・日野高校(滋賀)の恩師・南敏文さん(注=1980年モスクワ大会の幻の代表)の夢でもある。

 そして「日野高校はこれまで強い先輩たちがたくさんいたけど、誰もオリンピック出場がかなわなかったんです。背負っているつもりではないけど、オリンピック出場は日野高校の夢」と話す。「南先生が指導を引退する前の最後のオリンピックが来年の東京だと思う」。東京オリンピックにかける気持ちを後押しする存在は多い。

 「オリンピックに出場して、重量級も勝てるということを証明したい」。園田の夢、地元の夢、そして日本レスリングの重量級の後進たちの夢が叶う可能性を、世界選手権で見せる。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
男子グレコローマン130kg級代表・園田新(ALSOK)
 1994年7月5日生まれ、25歳。滋賀県出身。滋賀・日野高~拓大卒。187cm。2011・12年全国高校生グレコローマン選手権優勝などを経て、2013年全日本学生選手権で1年生王者へ。2014年に全日本選抜選手権を制して世界選手権へ出場。2015年も国内大会で勝ち続ける。2016年リオデジャネイロ・オリンピックへは出場できなかったが、国内では負け知らず。2018年のアジア大会では銅メダルを獲得した。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
男子グレコローマン130kg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定






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