日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2019.08.22

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(6)…男子フリースタイル97kg級・赤熊猶弥(自衛隊)


(文=布施鋼治)

赤熊猶弥(自衛隊)

 「赤熊という名字は、地元福岡にしかないような気がします。世界選手権では名前負けしないようにしないと(微笑)」

 これほど名字と風貌が一致する選手も珍しい。男子フリースタイル97㎏級の赤熊猶弥(自衛隊)が、2年ぶりに世界の舞台に立つ。「今回の世界選手権は東京オリンピックの予選を兼ねているので、出場できることは率直にうれしい。プレッシャーはないけど、しっかり勝たないといけない、という思いは強くありますね」

 昨年の全日本選手権以降、国内では絶好調。“宿敵”山口剛(ブシロード)にも12月、6月と連勝し、プレーオフを迎えることなく代表の座を射止めた。ちょうど1年前、プレーオフの末に日本代表の座を山口に奪われ、日本で世界選手権の映像を眺めていた時とは大きな違いだと感じている。

2017年世界選手権でオリンピック王者に完敗

 「あの時は、山口選手を表向きは応援している感じだったけど、正直、複雑な心境でした。やっぱり悔しかったんですかね」

 2年前、世界選手権(フランス)に初めて出場した時のことは鮮明に記憶している。最も印象に残っているのは、3回戦で実現したカイル・スナイダー(米国)との一騎討ちだ。0-10のテクニカルフォール負け。この大会で優勝を果たす2016年リオデジャネイロ・オリンピック金メダリストとの実力差を肌で感じた。

 「中でも、圧(力)がすごかった」

 敗者復活戦に回った赤熊は、マメド・イブラギモフ(カザフスタン)にテクニカルフォール負け。試合後は「タックルに入れていたら、勝っていた」と悔しがった。この時の世界選手権での敗北を糧に、赤熊は海外勢にパワー負けしないフィジカル強化を心がけた。

笑顔の“熊”は、中央アジアで怖い熊に変身する!

 「2年前と比べたらパワーもついているし、組み手もうまくなっていると思う」

 得意技はハイクラッチ。コーチからは「タックルにスムーズに入るための組み手をしっかりやるように」というアドバイスを受ける。「そのための反復練習を繰り返しやっています。横から入る片足タックルでポイントを奪いたい」

6月、宿敵を破って世界選手権出場を決め、応援席へガッツポーズ=撮影・矢吹建夫

 ただ、現在の世界の97㎏級戦線は、以前にも増してレベルの高い階級だと考えている。「スナイダー、アブデュラシド・サデュラエフ(ロシア=リオデジャネイロ86㎏級金メダリスト)とチャンピオンがふたりもいる。正直、そこに割って入っていくのは大変。でも、やる前から負ける気持ちでいるのはよくない。しっかりと勝つイメージを胸に抱いてマットに上がりたい」

 6月の全日本選抜選手権で優勝した直後のインタビューで、「世界選手権では最低でも5位以内」と明確な目標を打ち出していた。最低でも日本にオリンピック出場枠を持って帰る作戦だ。

 「しっかりと自分のレスリングをやれば、いけるという思いはある。一方で、そんなに甘くないという思いも。あと1ヶ月、しっかりと強化して、枠を取れるようにしたい」

 強化合宿では追い込み過ぎて、翌日から数日間に渡り練習ができない日もあった。マットを下りると優しい笑顔が印象的な“熊”は、中央アジアで怖い熊になることができるか。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
男子フリースタイル97kg級代表・赤熊猶弥(自衛隊)
 1991年6月5日生まれ、27歳。福岡県出身。福岡・東鷹高~拓大卒。180cm。高校時代はインターハイ3位が最高。拓大では新人選手権の優勝もなかったが、3年生の時の2012年全日本学生選手権84kg級優勝で台頭。2013年は全日本選抜選手権2位、学生二冠王など。2016年から97kg級へ。同年の全日本選抜選手権と全日本選手権も制した。2017年に世界選手権初出場。2018年は全日本選抜選手権で勝ったが、世界選手権には出場できなかった。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
男子フリースタイル97kg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定






サイト内検索

JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。
《送信先》 jwf-homepage@memoad.jp


フェアプレイで日本を元気に