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2019.08.24

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(7)…男子グレコローマン77kg級・屋比久翔平(ALSOK)


(文=保高幸子)

屋比久翔平(ALSOK)

 7月下旬にベラルーシで行われた「オレグ・カラワエフ国際大会」で2位の好成績を挙げた男子グレコローマン77kg級の屋比久翔平(ALSOK)。帰国し、2日後にはロシアの「ネステレンコ記念大会」へ向い、ここでも2位入賞と上り調子。

 日本に戻ってすぐに群馬・草津での全日本合宿に合流。タフなスケジュールをものともしないハードな練習をこなしていた。「(世界選手権の)目標はベスト4。メダルを取る」と、一発でオリンピック出場を決めるつもりだ。

 ベラルーシ遠征で得たのは「自分の形を出せれば勝てる」という実感。前半に前に出て後半にポイントを取る、というもので、体力が必要になる闘い方。草津の合宿では「この形の徹底をやっていく。しっかり追い込んで、身体レベルを上げる。後半もばてずに自分の技術展開ができるようにしていきたい」と課題を設定した。

7月下旬の「オレグ・カワラエフ国際大会」(ベラルーシ)で2位と躍進した屋比久翔平=撮影:ウィリアム・メイ

 昨年8月、アジア大会の3位決定戦で中国選手相手に互角かそれ以上の内容ながら、1点差で惜しくも敗れて涙を流した。しかし、確実に表彰台が見えていた。このままの勢いで日本のトップを取り続けるかと思われたが、12月には2015年から3年間守り続けた全日本選手権の王座からまさかの陥落。

 この時は準決勝で敗れただけでなく、1回戦から動きがよくなかった。「体幹に力が入らず、グラウンドでひとつも上げることができず、負けました」。これをきっかけに気づいたのは、練習においてもプレッシャーをかけることより、ポイントを取ることに集中してしまっていたこと。

 前に出てプレッシャーをかけ続け、相手をばてさせる…。これが屋比久の勝利のセオリー。ここに立ち帰り、反復練習し、本来の強さを取り戻すための鍛錬をした。その結果、今年6月の全日本選抜選手権では揺るぎない強さをみせて優勝し、プレーオフにも快勝して世界選手権代表を勝ち取った。

強豪ぞろいの階級だが、「自分の形を出せたらメダル」!

 オリンピック前年の世界選手権の闘いが厳しいことは、2016年リオデジャネイロ・オリンピック前年の世界選手権(米国・ラスベガス)を現地で見ていた屋比久も分かっている。しかも、77kg級はロマン・ブラソフ(ロシア)、キム・ヒョンウ(金炫雨=韓国)のオリンピック・チャンピオンに加え、タマス・ロリンツ(ハンガリー)、ビクトル・ネメス(セルビア)ら強豪ぞろい。

昨年の世界選手権で闘う屋比久=撮影・保高幸子

 それでも、「自分の形を出せたらメダルが取れると思います」ときっぱり。それもそのはず、ベラルーシでは減量がうまくいかずに1回戦からばててしまったにもかかわらず、後半にグラウンドでポイントを取ったのだ。「練習の成果が出ています」と、しっかりと手応えを感じ、自信を持つことができた。「世界選手権が楽しみです」と頼もしい。

 「草津合宿終了後から脂肪を落としていき、後半のスタミナが落ちないよう、水抜きではない減量で体重を調整していく」。残り1ヶ月を長いととるか短いととるかは、選手それぞれ。屋比久は「世界選手権まではまだ時間がある」と、焦りのない状態。じっくりと体力レベルをあげ、体重調整、そして対戦相手の研究を行い、満を辞して決戦の日を迎えるつもりだ。

 オリンピックの夢を父・保さん(国士舘大OB)から引き継ぎ、沖縄県出身として初めてのオリンピックレスラーになりたい。前人未踏の道を切り拓くことができるか。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
男子グレコローマン77kg級代表・屋比久翔平(ALSOK)
 1995年1月4日生まれ、24歳。沖縄県出身。沖縄・浦添工高~日体大卒。174cm。高校時代からグレコローマンで台頭し、JOC杯は2011~15年にカデット~ジュニアのグレコローマンで5連覇。2014~16年に2階級にわたって大学二冠王者に君臨するとともに、2015年全日本選手権75kg級で初優勝。2016年も全日本選手権で優勝。2017・18年に75・77kg級で世界選手権へ出場した。父・保さんは1989・91年の全日本王者。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
男子グレコローマン77kg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定






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