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2019.08.27

【2019年全日本学生選手権・特集】野獣復活! 迷いを捨てて86kg級で活路を開く!…山﨑弥十朗(早大)

(文=布施鋼治)

男子フリースタイル86kg級で優勝した山﨑弥十朗(早大)。“野獣”復活なるか=撮影・矢吹建夫

 “野獣”復活-。8月21日、東京・駒沢体育館で行なわれた全日本学生選手権大会・第2日。男子フリースタイル86㎏級で山﨑弥十朗(早大)が昨年79kg級優勝の石黒隼士(日大)を破って優勝した。

 「自分で納得できる優勝は、大学1年の時の国体以来ですかね。決勝は相手がしょっぱなに入ってきたところに合わせて投げることができた。勝ち方としてはラッキーな部分もあったけど、練習通り動けたのがよかった」

 山﨑は埼玉・埼玉栄高の2年生の時(2014年)に中国・南京で行われたユース・オリンピックで優勝。翌2015年に初めてシニアの全日本選手権(フリースタイル74kg級)に出場し、大器の片鱗を見せつけ5位に入賞した。早大に進学した2016年には全日本選抜選手権、全日本選手権とも決勝まで進出している。

 名前が「野獣朗の間違いではないか」と思わせるほど、ワイルドで伸びやかなレスリングが印象的だった。誰もが「山﨑は東京オリンピックの期待の星として躍進する」と信じていた。しかし、その後、74㎏級と86㎏級を行ったり来たりする間に徐々に野獣らしさを失い、成績も振るわなくなった。昨年の天皇杯では74㎏級の2回戦で姿を消している。

 不振の原因は何だったのか。山﨑は「気持ちの部分」と推測した。「最後まで集中力を切らさず、というところがうまくいかなかったんですかね」。減量もベスト・パフォーマンスの足を引っ張った。「(74㎏から86㎏までの)12㎏に振り回され、自分の見失っていたような気がします」

「動ける下半身、力強い上半身」の理想を目指す

 74㎏級に強いこだわりを持っていたこともスランプを長引かせた。「僕は身長が低いので(173㎝)、上の階級だと勝てないんじゃないかという不安が大きかった」

力強い攻撃だった決勝戦=同

 転機のきっかけは不振にあえぐ山﨑に早大レスリング部OBがかけた一言だった。「74㎏級でなくてもいいんじゃないか」

 その進言通り、「こだわらなくてもいいんじゃないか」と発想の転換をはかった。「小さいからといって弱いわけではない。86㎏級には自分より小さな選手もいるし、小さければ体を大きくすればいい」

 下半身は動ける一方で、上半身は力強い。そんなレスリングを山﨑は理想とする。「どちらかといえば、僕は器用貧乏。何でもできるけど、これといった技がない。ただ、今回の決勝で咄嗟に出た投げのような武器もある。アグレッシブな部分を上げつつ、テクニックの部分の幅も広げたい」

 卒業後の進路は未定ながら、レスリングは続けるつもり。山﨑は「今日の優勝で少しはアピールできたんじゃないですかね」と会心の“野獣スマイル”を浮かべた。







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