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2019.09.12

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(18)完…女子57kg級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)


(文=東京スポーツ新聞社・中村亜希子)

川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)

 日本中が注目したオリンピック4連覇の伊調馨(ALSOK)との決戦を制した川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)が、満を持して世界選手権・女子57㎏級金メダルを狙う。試合当日まで1か月を切った時点での全日本合宿では、息が上がり、倒れこむほど自らを追い込んだ。階級の枠を超え、さまざまな相手との打ち込みをこなした。

 「海外の57㎏級には、身長が極端に高くて手足が長かったり、日本人にない粘り強さがあったりなど、いろいろなタイプがいる。映像で研究して、例えば手首をつかんで来る選手がいれば、それと同じようにやってもらい、手足が長い選手と打ち込みしてどんな感覚か練習している」と、仮想トレーニングも行っている。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック63㎏級で金メダルを獲得。その後、60㎏、59㎏で世界を制するなど、階級を変えてもしっかり結果を残してきた。57kg級は初出場。昨年の世界女王、ロン・ニンニン(栄寧寧=中国)をはじめ、ノルウェー、ナイジェリアなど、実績のある選手はほぼ全員が初顔合わせとなる。

伊調馨との3度にわたる闘いに勝利した川井梨紗子=7月のプレーオフ

 それでも、「毎年違う階級で出ているので、不安というのはあまりない。自分が持っているものを出し切りたいという思いが強いです」と力を込めた。

 相手を意識しすぎず、自分ができることをして、精いっぱい闘う-。簡単なようで難しい勝者の哲学は、誰もが強さを知るビッグネームとの3番勝負でさらに磨かれた。「馨さんとの試合では、レスリングというより、精神面が強くなれたかな、と思うことの方が大きい。去年の天皇杯(全日本選手権=12月)で負けてから7月のプレーオフまでの約半年間、すごく濃かったので」。

 敗戦でレスリングをやめようとまで思ったが、家族や仲間の助けもあり、マットに立つことができた。自分にしかできないことに集中し、置かれた立場のありがたさを感じることで、試練を前向きな気持ちに変えた。

ここまできたチャンス、絶対に無駄にはしない!

 「東京オリンピックを目指すこと、しかもオリンピック・チャンピオン同士の対決を、自分が憧れていた馨さんとできることは、そうない。今しかできないことだ、と思うようになった。7月のプレーオフに向け、社会人でオリンピックを目指せるありがたみを感じ、注目される試合ができることがうれしいという気持ちに徐々に変わってきた」。

昨年は妹(右)が銀色。今年、そして来年の目標は2人そろっての金色!

 気持ちの変化はプレーにも表れた。張り詰めた緊張感の中でも、自分の技で積極的に攻め、勝つことができた。

 今回は妹の友香子(62㎏級代表)とのダブル・オリンピック切符獲得に挑む。全日本選手権のあと、なかなか立ち直れなかった姉に対して、何も言わず、「自分が頑張る姿を見たら梨紗子もきっと頑張る」と、ただひたすらに練習に精を出した妹の気持ちは十分に伝わっていた。ささいなことでケンカもするが、互いになくてはならない存在だ。

 「東京オリンピックは特別だし、2人がそこを目指せる立場にいることは、簡単ではないし、偶然でもできることじゃない。明治杯(全日本選抜選手権)の後、2人で『ここまできたチャンスを絶対に無駄にしたくないよね』と話しました。今も練習、頑張っています」。2人の夢実現まで、あと一歩だ。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
女子57kg級代表・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)
 1994年11月21日生まれ、24歳。石川県出身。愛知・至学館高~至学館大卒。160cm。2009年全国中学生選手権優勝、2011年世界カデット選手権52kg級優勝などを経て、2012年世界選手権51kg級7位へ。2013・14年は世界ジュニア選手権55・59kg級で優勝。2015年は階級を上げて世界選手権63kg級で2位。2016年はアジア選手権で勝ったあと、リオデジャネイロ・オリンピックを制した。2017年は60kg級で、2018年は59kg級で世界選手権を制した。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
女子57kgkg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定






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《オリンピック・レスリングNo.62》

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