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2019.11.14

【2019年全日本大学選手権・特集】無冠返上! 故郷に錦を飾った遅咲き選手…74kg級・川畑孔明(東洋大)

昨年の学生王者を破って優勝の川畑孔明(東洋大)=撮影・矢吹建夫

 地元出身選手(鹿児島・樟南高卒)として開会式の選手宣誓を務めた川畑孔明(東洋大)が、74kg級決勝で昨年の学生王者・尾形颯(中大)を5-0で破って優勝、故郷に錦を飾った。高校時代に全国王者はなく、東洋大進学後も東日本学生新人戦で2度の優勝を飾るものの、学生タイトルには縁がなかった。初の学生タイトルに「すごくうれしいです。鹿児島で初めてタイトルを取れたことが、特にうれしいです」と、喜びもひとしおだ。

「今までは試合前にピークがきてしまい、本番の試合でばてることが多かった。今回はうまく合わせることができ、それがよかったのだと思います」と、コンディションづくりの成功を勝因に挙げた。地元で「会場は知り合いばかり。すごく応援してもらって、これも大きかったです」と続けた。

 東洋大から23年ぶりにチャンピオンを輩出させた若松正監督も「今までは、試合直前まで追い込んだ練習をしてしまっていた。『勝たなければいけない』という気持ちがオーバーワークとなり、試合で実力出せなかった。そこをセーブさせた。調整がしっかりできたのが勝因」と、異口同音に勝因を口にした。

2回戦で優勝候補の基山仁太郎(日体大)を撃破=同

 最大のヤマ場は、2回戦で対戦した全日本選抜選手権2位の基山仁太郎(日体大)との一戦。ここを突破したことで、優勝へ大きく前進した。「相手が強いことは分かっていた。やるしかなかった。思い切って臨みました」。先手を取って3-0になったあたりで自分のペースを作れ、最後は4-1のスコアでの勝利。「先に、先にと攻めたのがよかったと思います」と振り返った。

 もう一人の強敵の吉田隆起(拓大)が負傷で計量棄権したことも追い風となった。「まだ勝ったことがないんです」。それだけに、勝って優勝という気持ちもあったようだが、今回はその無念さより、優勝の喜びが上回っている感じだ。

ここで終わってはレスリング人生に悔い! 来春から自衛隊へ

 これまでは、上位に顔を出すが優勝には手が届かない、というパターンの連続だった。今年6月の全日本選抜選手権(79kg級=4者リーグ戦)では、半年前の全日本選手権で敗れた井筒勇人(拓大)を破りながらも、初戦で髙橋夢大(京都・網野高)に1点差で敗れたことが響いて2位。気を取り直して臨んだ8月の全日本学生選手権では、準決勝で前年王者の尾形颯(中大)を8-1で破りながら、決勝で吉田に3-5で敗れて2位。

 学生最後の大会で、やっとその壁を乗り越えることができた。吉田のほか、この階級の学生王者の成國大志(青山学院大)の欠場など「幸運」とも言える要素があったのは確かだが、実力がなければ、そのチャンスをつかむことはできない。どんな形であれ、優勝は日々の努力なしには達成は不可能だ。

開会式では選手宣誓を務めた=同

 卒業後は自衛隊へ進む予定で、「この優勝は大きな弾みになります」と言う。実績が足りないため、一般隊員として入隊し、実績を積み上げて体育学校入りを目指す“雑草コース”だが、「このままで終わってしまっては、悔いが残ります。すごい人がいるところで、もっともまれたい」という気持ちから、レスリングに専念できる道を選んだ。

 74kg級といえば、来春から先輩になる奥井眞生(自衛隊)が東京オリンピックの出場枠を取ってきた階級。しかし、現段階で東京オリンピックは時期が早いと思っており、2024年パリ・オリンピックを目標に、長い目で実力養成に取り組む予定。国際大会の経験がないだけに、「まず海外遠征に選ばれるような選手になることですね」と、自衛隊でのレスリング活動に思いをはせる。

 若松監督は「東洋大には彼と競ることができる選手が少なく、よく自衛隊に出げいこに行っていた。伸び幅はある選手。自衛隊でもまれれば、楽しみな選手です」と期待した。 

 その前に、この優勝をきっかけに来月の全日本選手権でも好成績を目指すことは言うまでもない。79kg級でも出場資格があるので、どちらに出場するかはこれから決めるそうだが、同監督は「79kg級なら優勝、74kg級なら力を出し切ってほしい」と“ノルマ”を課した。







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