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2019.12.28

【2019年全日本選手権・特集】金メダルのためには、地獄を見てでもやらないといけない!…男子フリースタイル57kg級・樋口黎(日体大助手)

(文=東京スポーツ新聞社・中村亜希子、撮影=矢吹建夫)

過酷な減量を乗り越え、オリンピック予選出場権を手にした樋口黎

 オリンピック金メダルのためには、地獄を見てでもやらないといけない-。悲壮な覚悟で自分を追い込んだリオデジャネイロ・オリンピック銀メダリストが、東京オリンピックに一歩近づいた。

 男子フリースタイル57kg級決勝は、樋口黎(日体大助手)が高橋侑希(ALSOK)を7―6で下し、来年3月のアジア予選の代表権をつかんだ。序盤から勢いよく攻め、第1ピリオドは3―1とリードする。

 第2ピリオド、片足タックルからローリングでポイントを追加。7―1と差を広げた。ここから高橋に怒涛の追い上げを許し、残り31秒で7―6に迫られた。樋口は「攻める気持ちを出さないとダメだなと思った。前にプレッシャーをかけた」と力を振り絞り、31秒をしのいで勝利した。

 原点ともいえる57kg級での試合は、実にリオデジャネイロ・オリンピック以来だった。今年9月の世界選手権の結果、65kg級は乙黒拓斗(山梨学院大)が5位でオリンピック出場枠を取ったものの、代表決定はこの大会に持ち越し。57kg級は高橋が出場枠を取れず、今大会の勝者がアジア予選に臨むことになった。

 いずれの階級もオリンピック出場のチャンスが残されたが、樋口は即座に最軽量級を選択した。「自分の筋量、リーチの長さなどを考えました。それにこれまで、自分で出場枠を取って来て、別の人が出たケースはないと思った。すぐに決めました」。

大好物のマカロンは「半年以上食べてない」

 最大の課題は、体づくりだった。“マカロン王子”で知られる大のお菓子好き。節制、減量は苦手だったが、明確に目標が定まった今、やるしかない。本気で食事管理に臨んだ。「体重を落とすのが本当にきついので、練習よりシビアにやりました。和食中心の食生活にして、野菜が中心。10年分くらい野菜を食べました」。

ローリングでポイントを加え、一時は7-1とした樋口

 11月にはドイツのブンデスリーガに参戦して鍛えたが、その間も、自分で考え無駄な糖質を控え、脂質を減らした食事をとった。お菓子などもってのほか。マカロンは「半年以上食べてない」。優勝のご褒美に1口くらい許されそうだが、「また元に戻ると大変なのでやめておきます」と拒否した。

 ここまで追い込むのは、リオデジャネイロ大会での苦い思い出があるからだ。「銀メダルで終わった悔しさが大きくて。オリンピックの借りは、オリンピックでしか返せない。湯元先生(健一=2008年北京オリンピック銀メダル、2012年年ロンドン・オリンピック5位)からも、2大会連続でオリンピックに出ることがいかに難しいかを聞きました。オリンピック金メダルのためには、地獄を見てでもやらないといけない」。

 アジア予選で2位以内に入れば、再びオリンピックの舞台に立つ。「一発で決めて、東京オリンピックに行きたい」。腹の底から声を張り上げた。







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