2020年3月現在、運用されているルールを簡易にまとめました。観戦、応援のお供に、ぜひ愛読ください。(監修=日本協会・審判委員会)
レスリング・ルールの要点について
■シニア(20歳~)
《男子フリースタイル(FS)》
オリンピック | 57kg | 65kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg | ||||
オリンピック以外 | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 79kg | 86kg | 92kg | 97kg | 125kg |
《男子グレコローマン(GR)》
オリンピック | 60kg | 67kg | 77kg | 87kg | 97kg | 130kg | ||||
オリンピック以外 | 55kg | 60kg | 63kg | 67kg | 72kg | 77kg | 82kg | 87kg | 97kg | 130kg |
《女子(WW)》
オリンピック | 50kg | 53kg | 57kg | 62kg | 68kg | 76kg | ||||
オリンピック以外 | 50kg | 53kg | 55kg | 57kg | 59kg | 62kg | 65kg | 68kg | 72kg | 76kg |
■ジュニア(18~20歳)
FS | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 79kg | 86kg | 92kg | 97kg | 125kg |
GR | 55kg | 60kg | 63kg | 67kg | 72kg | 77kg | 82kg | 87kg | 97kg | 130kg |
WW | 50kg | 53kg | 55kg | 57kg | 59kg | 62kg | 65kg | 68kg | 72kg | 76kg |
■カデット(16~17歳)
FS・GR | 41~45kg | 48kg | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 110kg |
WW | 36~40kg | 43kg | 46kg | 49kg | 53kg | 57kg | 61kg | 65kg | 69kg | 73kg |
(1)トーナメント方式で実施し、決勝進出者に敗退した選手が敗者復活戦(REPECHAGE)出場権を得る
■トーナメント表は8の倍数(8・16・32・64)になるように組み、8の倍数にならない場合は予備戦を行い、イニシャルNO、の多い側(下側)へ予備戦が配置される。
■敗者復活戦の最終勝者が3位、敗者が5位となる。(3位・5位が2名となる。)
■7位以降の順位は、勝ち点総数、勝ち点内容、総得点総失点により決定される。
■各階級の試合は2日間で実施され、競技の前日に抽選、初日は、メディカルチェック・計量の後、準決勝まで、2日目は、計量の後、敗者復活戦、3位決定戦、決勝が行われる。
■参加選手が16名を下回る場合は、1日制で競技を行う事もある。(当日の朝、メディカルチェック・計量・抽選)
■トップシード(TS1~4)制を適用する場合、シード選手は原則予備戦なしで組合せが行われる。
■8名未満はノルディック方式となる。
◎6名・7名の場合は、2プール制リーグ戦の後、クロス準決勝・3位決定戦・決勝を行う。(例:丸数字は抽選番号)
①→A ②→B ③→A ④→B ⑤→A ⑥→B ⑦→A
◎6名未満は、総当たり方式とする。
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2日制では、リーグ戦の最終ラウンドは2日目の実施となる。(3位は1名)
(2)勝ち点は以下のとおりである。
VFA 5:0 |
VCTORY BY FALL フォールによる勝利 |
VIN 5:0 |
VICTORY BY INJURY 負傷棄権の試合による勝利 If an athlete is injured before or during a bout |
VCA 5:0 |
VICTORY BY 3 CAUTION 警告3回による勝利 3 cautions given to the opponent during a about |
VSU 4:O |
VICTORY BY TECHNICAL SUPERIORITY テクニカルフォール 敗者ポイント無し Without any point scored by the opponent |
VSU1 4:1 |
VICTORY BY TECHNICAL SUPERIORITY テクニカルフォール 敗者ポイント有り With point(s) scored by the opponent |
VPO 3:O |
VICTORY BY POINTS 判定敗者ポイント無し Without any point(s) scored by the opponent |
VPO1 3:1 |
VICTORY BY POINTS 判定敗者ポイント有り With point(s) scored by opponent |
VFO 5:0 |
VICTORY BY FORFEIT 不戦勝 棄権試合による勝利 If an athlete doesn’t show up on the mat |
DSQ 5:0 |
DISQUALIFICATION 罰則による失格 before or during the bout for unfair behavior |
2DSQ 0:0 |
DOUBLE DISQUALIFICATION 両者失格 both wrestlers disqualified due to infractions |
(1)フォールがない場合、3分2ピリオドのトータルポイントで勝敗を決定する。技術展開によって得点差が規定の数(フリースタイル10点・グレコローマン8点)になった場合、その技術展開が終了した時点でテクニカルフォールが成立し、試合終了となる。
(2)同点時の勝者決定手順
①得点価値の高さ(ビッグポイント)
②警告が少ない選手(コーション)
③最終ポイントを獲った選手(ラストポイント)
(3)3回の警告(コーション:○)を受けた者は敗者となるが、グレコローマンスタイルにおける防御者の足(脚)の反則[レッグファウル]は、一回目○+2、二回目の反則を犯した時点で試合終了、反則者は敗者となる。
(4)技術点評価(反則点)
《男子フリースタイル・女子》
1点 | ・場外ポイント ・テイクダウンされてから反撃のゴービハインド ・アクティビティピリオド30秒後、無得点時の罰則 ・チャレンジ失敗〈相手に1点〉 |
2点 | ・テイクダウン・ガッツレンチ・アンクルホールド ・デンジヤーポジション・コレクトホールド(移動ポイント) |
4点 | ・スモールアンプリチュードでダイレクトデンジャーポジション ・グランドアンプリチュードでノーデンジャーポジション |
5点 | ・グランドアンプリチュードでダイレクトデンジャーポジション |
反則 | ○+1が原則 ・パーテレで、デンジャーポジションでの場外逃避は○+2点 |
《男子グレコローマン》
1点 | ・場外ポイント ・オーダードパーテレ適用時に積極的レスラーに1点 ・チャレンジ失敗〈相手に1点〉 |
2点 | ・テイクダウン・ガッツレンチ ・デンジャーポジション ・コレクトホールド(移動ポイント) |
4点 | ・スモールアンプリチュードでダイレクトデンジャーポジション ・グランドアンプリチュードでノーデンジャーポジション |
5点 | ・グランドアンプリチュードでダイレクトデンジャーポジション |
反則 | ○+2が原則 ・攻撃者の反則は一回目注意、 二回目○+1 ・防御者の足の反則 一回目○+2 |
(1)審判団(マットチェアマン、レフェリー・ジャッジ)はコンソルテエーションによりビデオを使用する事が出来ない。
(2)コーチ(セコンド)は1試合に1回、チャレンジ(ビデオ判定)を審判団に対し要請できる。
(3)コーチ(セコンド)はコーナー色のスポンジ(CUBE)を投げ入れて「チャレンジ」を要請する。
※セコンドの要請に対して選手がチャレンジを拒否する事もできる。
(4)マットチェアマンはチャレンジを確認したら、試合がニュートラル状態であることを確認し、試合を止める。
(5)両コーナーのセコンドと共にVTRを見る審判員は、インストラクター(または代理人)2名とマットチェアマンとする。ポイントはインストラクター(または代理人)が提示し、ブラスポイントはマットチェアマンが提示する。チャレンジにおけるジュリーの判定は最終決定。
(6)チャレンジが認められた場合は、得点が修正され、再度チャレンジ権が認められる。
(7)チャレンジが認められない場合、対戦者に1点が入り、その試合のチャレンジ権を失う。
(8)チャレンジの結果、相手の得点が増えた場合はチャレンジ失敗となる。
(9)インストラクター(または代理人)は、各大会で大会会長または、その目的の為に指名された審判が行う。
(1)フリースタイルの場合
①試合は中断され、最初の「パッシブ」が口頭で与えられる。 ※パッシブ(正式にはバッシピティーpassivity)
②同様に2度目の「パッシブ」を受けた場合、アクティビティピリオドとして「30秒の計時」が行われ、その30秒間にどちらの選手にもポイントが入らなかった場合、アクティビティピリオドを課されたレスラーの相手に1点が与えられる。(コーションなし)
③アクティビティピリオド30秒間か経過した時点で、レフェリーは試合を止めずに1点を成立させる。アクティビティピリオドの間も技術回避等の行為は摘発され、防御側のコーションが成立する場合がある。
※第1ピリオド開始2分後に0:0のスコアである場合、審判団は消極的なレスラーを指定する必要がある。
※各ピリオド終了30秒未満に、審判団3人すべてがレスラーの技術回避に同意すると、ダイレクトに○+1が成立する。
(2)グレコローマンスタイルの場合(オーダードパーテレは1試合に2回まで適用され、1ピリオドに2回も可能である。)
① 最初のパッシビティ(何れかの選手に拘らず)
積極的なレスリングを実施している選手に1ポイントを与え、その選手が、「スタンディング」または「バーテレポジション」でのレスリングを選択でさる。時間の設定はされていない。
② 2回目のパッシビディ(何れかの選手に拘らず)
積極的なレスリングを実施している選手に1ポイントを与え、その選手が、「スタンディング」または「バーテレポジション」でのレスリングを選択できる。時間の設定はされていない。
③3回目及びそれ以降のパッシビディ(何れかの選手に拘らず)
積極的なレスリングを実施している選手に1ポイントを与え、試合は停止されない。
※試合時間の短いU15やカデットも同様に適用される。
■2018.3.15 UWW審判クリニック JWF4月2日発表
◎コンソルテエーションの際、VTRを見ることは廃止とする。
◎全スタイルにおいて粗暴行為を繰り返した選手に対しては、「レッドカード」を与える。
◎グレコローマンのオーダードパーテレ(ピリオド1回、⇒1試合2回まで)
◎グレコローマンスタイルのパッシブの摘発(上下の選択)
同点時、どちらかの選手が明らかに攻撃的な場合。
得点をリードしている選手が余りにも防御的な場合。
・各ピリオド1回 ⇒ 1試合で2回までとする。
・時間の設定は廃止する。(0-0の場合の2分・4分30秒の設定は廃止する。)
・以降の消極的な選手に対してはP+1が入る。(その際、試合は止めない。)
◎グレコローマンで防御者のレッグファウルは、二回で敗者となる。
①攻撃者の足の反則 1回目注意、2回目○+1
②防御者の足の反則 1回目○+2、2回目失格
◎フリースタイルの警告は○+1、グレコローマンの警告は○+2を原則とする。
◎バッシビティとネガティブレスリングを区別する。
【パッシビティは、ペナルティ適用(各スタイル毎に異なる)】
(例)・反撃無しの攻撃回避
・相手の手首を握り、攻撃を始めない
・相手とコンタクトをしないで攻撃する
・攻撃をした後すぐに元のポジションに戻る
・嘘のアタック
・ゾーンに逃げ(下がって)留まる
・センターでコントロールしない(センターで試合をしない)
・相手をゾーンに留める(ゾーンに追い込む)
・良いポジションにも関わらず、攻撃しない
・守備的なレスリング(守ってばかりいる)
【ネガティブレスリングは、警告(○+_)の対象】
(例)・ブロッキング
・ヘッドダウン[上半身を起こさない]
・スタンドレスリングでオープンを避ける
・指のロック
・相手の胸に頭をつけ続ける
・シミュレーション
2018.9.1発効 UWW8.22発表 JWF9月6日発表
・スクールボーイ⇒U15
・オーダードパーテレ(47条)グレコローマン
1試合で2回まで適用され、1ピリオド2回も可能。
・オーダードパーテレのフライング(45条)
「フリースタイル」
〇攻撃側の選手が2回フライングをした場合、ペナルティ無しでスタンドから開始。
〇防御側の選手が2回フライングをした場合、○+1で再度のパーテレで開始。
「グレコローマン:
〇攻撃側の選手が2回フライングをした場合 ペナルティ無しでスタンドから開始。
〇防御側の選手が2回フライングをした場合、○+2で再度パーテレで開始。
・プッシュの反則(39条)
プッシュは、ノーポイント・ノーペナルティで、センターで再開
2018.10.21 UWW発表 JWF 11月9日発表
・力二ばさみが禁止技とされた(その後、真後ろからのカニバサミは可能へ。サイドからかけて相手が怪我した場合は粗暴行為で失格)。
以 上