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2020.07.22

【特集】幻となった地元インターハイ、「これから」を見据えて必死の努力を続ける…群馬・館林高校(上)

地元での“高校最後の夏”を迎えられなかった無念の3年生選手だが、すでに次の目標へ切り替えている。左から髙橋一輝・主将、日比野晴、小川雄也、坂上拓瑠・副主将

 本来なら、数多くの外国人の姿が見られたであろう2020年7月。8月2日からはオリンピックのレスリング競技がスタートし、高校レスリング界はテレビでその激闘を観戦しつつ、8月21~24日のインターハイへ向けて追い込み練習に汗を流しているはずだった。

 インターハイの開催地、群馬・館林市も、51年ぶりのインターハイに燃えていたことだろう。4月下旬、インターハイの中止が決定。6月には鹿児島国体の延期も決まった。3度のインターハイ団体優勝の実績を持つ地元の名門、館林高校は、8人いた3年生のうち、3人は“最後の試合”がないまま選手生活にピリオドを打つことにした。

 針谷豊監督は「2月あたりから騒がれ、3月に休校。予想はしていたが、インターハイがなくなることが正式に決まった時は力が抜けた。心のどこかで、『やってくれるのでは?』、という気持ちがあった。残念、という言葉では言い尽くせない脱力感があった」と無念の思いを話す。

 自身も選手たちも、全国高校選抜大会が流れた時は「インターハイはできるだろう」という気持ちがあり、インターハイが流れた時は「国体はやれる」という気持ちだった。「まさか全部なくなるとは」-。

8人の3年生のうち、5人が卒業後もレスリング活動を希望

 一方で、選手を励ます立場でもある。緊急事態宣言下では選手と会うことができず、ラインなどでの会話となったが、「引退する選手には『新たな目標を持って、そこに向かってほしい』と、卒業後も続ける選手には『やってきたことと悔しさを大学へ行ってぶつけてほしい』と伝えました」。

コーチはオリンピック2連覇(1964・68年)の小幡洋次郎氏。ほぼ毎日参加し、選手を指導している

 5人は大学へ進んでレスリングを続けることを希望した。幸い、群馬県では8月22~23日に代替大会を開催することとなり、10月には新潟市で全国の代替大会の予定もある。当初は、県外への遠征が認められるかどうか分からなかったが、7月16日に「OK」が出たという。これらを当面の目標に見据え、懸命に汗を流している。

 ■髙橋一輝・主将「地元インターハイがなくなって残念でした。でも、くよくよしていても仕方ないので、気持ちを切り替えました。大学でもレスリングをやるつもりなので、そこで、高校の分も頑張ろうと思いました」

 ■坂上拓瑠・副主将「ずっと前から地元のインターハイで優勝しようと思ってやってきたので、とても残念でした。みんな同じ状況なので、気持ちを切り替えました。大学でも続けるつもり。他県の選手に負けないよう、頑張ろうと思います」

 ■日比野晴斗「地元でのインターハイは、入学した時からの目標で、ずっと頑張ってきた。中止になって非常に残念でした。8月に代替大会があるので、そこでしっかり勝って、いい気持ちで高校の最後を終えたい」

 ■小川雄也「(予選を勝ち抜いて)インターハイに出るつもりで毎日頑張ってきたので、率直に残念でした。代替大会があるということで、その大会を目指して頑張りたいです」

※選手生活継続の中で、成塚騎士選手は通院のため取材日の練習を欠席

《続く》


▲針谷豊監督も率先してマットの消毒。感染対策には万全を期しての練習再開だ

▲練習場は広く、四方に窓がいくつもあって風通しはいい造り

▲壁には51年前のインターハイ学校対抗戦優勝の時の賞状が飾ってある

 







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