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2020.10.02

男子フリースタイルの全日本チームが東京で合宿スタート

(撮影=保高幸子)

 男子フリースタイルの全日本チームが10月1日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタートした。全日本チームとしては、7月に女子と男子グレコローマンが実施。男子フリースタイルも同23日から予定していたが、感染の再拡大で中止へ。8~9月に予定されていた合宿もなくなり、3月7~13日に同所で行われて以来、約6ヶ月半ぶりに全日本のトップ選手が集まった。

約6月半ぶりの合宿を実施した男子フリースタイルの全日本チーム

 この日参加した選手は、全日本選手権の1・2位選手のうち、授業や仕事のため途中で抜けざるをえない選手には遠慮してもらい、8日までフルに参加できる選手を中心にした17人。全員がPCR検査を受けて陰性が確認されている。

 井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「スポーツ医科学委員会の中島耕平委員長から『今の状況なら合宿しても大丈夫』との判断をいただき、強化本部長と話し合いの末、実施しました」と、3スタイルの先陣を切っての合宿再開の経緯を説明。「何回か計画し、中止となっている。今回、合宿できたことに感謝するとともに、無事にやり遂げられるよう感染防止には全力を尽くしたい。この合宿を最後までやり切ることが、支えてくれている人への恩返しになる」と話した。

 各所属できちんと練習を積めているとの報告を受けている。それでも、初日は選手の動きを見たいこともあり、打ち込みを中心とした軽めの練習。「選手の動きを見ながら当初の計画を修正しつつ、最後までしっかりこなしたい」と言う。

 不透明だった来年の東京オリンピックも、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が実現に自信を見せ、世界レスリング連盟(UWW)が予選などの日程を発表。実施の風向きが強くなった。大会日程がはっきりしたことで、「そこを目標に頑張る気持ちが出てきている」と、選手の気持ちの高揚を歓迎した。

「オリンピックに向けて身が引き締まる思い」…65kg級・乙黒拓斗(山梨学院大)

 いち早くオリンピックの代表を内定していた65kg級の乙黒拓斗(山梨学院大)は、山梨県は感染者が少ないこともあり、最低限の練習は続けることができていたそうだ。それでも、多くの所属の選手が集まって切磋琢磨できる環境は気持ちがいいようで、「日本のトップ選手が集まって練習できる環境に戻れたことに感謝したい。うれしかったです。東京オリンピックに向けて身が引き締まった思いです」と言う。

 東京オリンピックの開催が危ぶまれても、「ずっと準備していた」ときっぱり。だからなのか、開催の雰囲気が強くなっても「(気持ちは)変わらないです」-。気持ちが揺れ動くことのない半年間だったようだ。

湯元進一コーチ(自衛隊)と練習する乙黒拓斗(山梨学院大)

 東京オリンピックまでの実戦については、「コーチと話し合って決めます。東京オリンピックの優勝が目標。それまでに出る大会があったら、それも優勝を目指します」と話した。

 兄で74kg級代表内定の乙黒圭祐(自衛隊)は、3月のプレーオフで勝った後、社会全体の自粛ムードが強くなって、全日本合宿のみならず、出げいこもままならなかった。久しぶりに味の素トレセンのマットで練習し、「戻ってきたな、という感じです。ふだん練習していない選手と練習するのは、とてもためになる」と言う。

 オリンピックが1年延期となったことでモチベーションの維持に苦しむ選手もいるだろうが、階級アップをこなし切れていなかった乙黒圭にとっては、“ありがたい1年”。自粛期間でしっかりと体力づくりに取り組め、「体重も増えて筋力もついた。充実した半年でした」と言う。

 オリンピックまでには、「出られる大会はすべて出たい」とし、12月に予定されている世界選手権(セルビア=10月5日に開催か中止かが決まる予定)への出場も視野に入れた。


米満達弘コーチ(自衛隊)と練習する樋口黎(日体大助手)

 ■57kg級・樋口黎(日体大助手)「(前回から)間が空いた全日本合宿。新鮮な気持ちで臨め、スタートとしてはよかったと思います。コロナのおかげで練習量が減ったり、地元に帰ったりしましたが、時間に余裕ができ、気持ちがリフレッシュされて、新たに頑張ろう、という気持ちになれました。そんなに悪い半年ではなかったです。

 体力的には、ピークに比べると程遠いとは思います。技術も体力も、少しずつ上げていきたい。(アジア予選の日程が決まり)予想していた時期であり、考えていた計画通りにやっていきたいと思います。(予選までに)どこかのタイミングで大会に出場し、試合感覚を取り戻したい」

 ■86kg級・高谷惣亮(ALSOK)「コロナ禍の最中は、できる練習が限られ、自宅でのトレーニングなどでした。でも、不安はなかったです。周囲がどうだ、とか考えることなく、自分のできることをしっかりやっていました。今日は、レベルの高い、いい練習ができました。体力は多少落ちていたかもしれませんが、レスリングができるのは、あらためて楽しいことだと思いました。

 (アジア予選の日程が決まったが)目標としているのはオリンピックですから…(どうということはない)。12月の世界選手権には出場しようと思っています。開催されなかったら、全日本選手権に出たいと思います」

▲代表内定後、初の全日本合宿となった乙黒圭祐(自衛隊)

▲一段と引き締まった肉体を披露する樋口黎(日体大助手)







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