日本レスリング協会公式サイト
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2020.11.03

【2020年西日本学生選手権・特集】20年ぶりの王者は、大学入学後にレスリングを始めた選手…男子グレコローマン67kg級・前薗渓(大体大)

 西日本学生選手権の男子グレコローマン67kg級は、昨年5位の前薗渓(大体大)が優勝。同大学からは、2000年の姫路文博(現コーチ)以来20年ぶり、グレコローマンに限れば1983年の石森宏一以来、37年ぶりのチャンピオンが生まれた。大体大浪商高時代は柔道の選手。キャリア2年半(コロナ禍によるブランクがあるので、実質2年)の選手が、同大学の王者輩出を復活させた。

新人戦優勝の実績を持つ2選手を破り、大体大から20年ぶりの王者に輝いた前薗渓

 「優勝していろんな人に連絡をして、多くに人に支えられてきたんだなあ、と思うと、感慨深いものがありました」

 コロナ禍によって出場選手数が例年より少なかったのは確か。しかし、準決勝で闘った向井克典(徳山大)は昨年の新人戦優勝でこの大会は2位の選手。決勝を闘った善積築久(徳山大)は2年前の新人戦のチャンピオン。出場選手の質は落ちておらず、その中を勝ち抜いての優勝だった。

 「向井選手には負けたことがありまして、ずっと目標としていました。まず向井選手を破ることが目標でした。最初のグラウンドの防御を守り切れたのが大きかったです」と振り返り、この勝利で気持ちが楽になったという。

 「当面の目標を達成し、ホッとして気持ちが途切れた面は?」との問いに、「一瞬ありましたけど…。チームメートから『次に勝って優勝だ』『1位と2位は全然違うんだぞ』と声をかけられ、気持ちを入れ直すことができました」と言う。

 2週間前の全日本大学グレコローマン選手権では、初戦で東日本学生新人戦優勝の実績を持つ山本真聖(青山学院大)に終了間際までリードしていながら、最後に逆転を許して敗れていた。「そこからの2週間、集中して練習してきたことがよかったと思います」と、2週間前の悔しさ、そして「関東の選手に終了間際までリードできた」という自信が原動力だったと言う。

初心者だが、「相手の方がプレッシャーを感じているはず」

 中学時代の恩師がレスリングをやっていた指導者だったことや、高校の担任がレスリングの選手で(西尾直之=同志社大卒、2004年西日本学生王者)、レスリングに興味を持って大学進学後に闘いの場をマットに変えたという。

優勝した翌日は審判として参加、こちらも上を目指す

 柔道は脚をつかまれることがないため、フリースタイルのタックルに対する反応がうまくできず、大変だったそうだ。グレコローマンに活路を見出し、上を目指してやってきた。レスリングのキャリアの差を感じることもあるだろうが、逆の発想をしてきた。「相手は、大学から始めた選手と試合することで、逆にプレッシャーを感じている、と勝手に思っていました」というプラス思考。気持ちで負けなければ、上達も早い。

 このあと、フリースタイルになるが全日本大学選手権(11月7~8日)、西日本学生秋季リーグ戦(12月5~6日)と経験を積み、この優勝で全日本選手権の出場資格を満たせば、当然、全日本選手権にも出場。「出られる大会にはすべて出て、経験を積み、来年はもっと上、全国レベルの大会でまず入賞を目指したいです」と言う。

 フリースタイルが始まった大会2日目には、審判として参加。「去年資格を取りまして、今回が2回目。こちらの方が緊張しているかな」と苦笑しながら、レスリングに染まった生活に満足そう。

 男子のオリンピック代表を輩出した大学は日本に21大学あり、そのひとつが大体大(前述の石森宏一=1984年ロサンゼルス大会代表)。部員不足で廃部寸前の危機もあった同大学が、復活を目指して動き出した。







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