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2020.12.08

【2020年西日本学生秋季リーグ戦・特集】創部11年目での初優勝、「4年間かけて強くする」の方針のもと、常勝チームを目指す…九州共立大・藤山慎平監督

大学王者誕生に続き、西日本学生リーグ戦を制覇した九州共立大=撮影・保高幸子

 10月の全日本大学グレコローマン選手権で初の王者を輩出した九州共立大が、今度は西日本学生界最大のイベント、リーグ戦で初優勝を飾った。決勝戦が終わったあと、自粛ムードが漂う中ながら、うれしさをこらえ切れなかった部員たちによる藤山慎平監督の胴上げが始まった。

 創部して11年8ヶ月の歳月が経っていた。5年目の2013年春季リーグ戦で二部優勝を遂げた。その時は、主将の胴上げはあったが、藤山監督は「二部(での優勝の時)はいい。一部で優勝した時」と胴上げを辞退していた。それから7年半…。

 待ちに待ったその時の気持ちを問われると、「うれしい…、の一言です」と話し、言葉が続かない。それほどまでにうれしかった優勝。11年間の浮き沈みが脳裏をよぎったのだろう。

自身のインカレ優勝より、「何倍もうれしい」

 一部リーグに上がってすぐの2013年秋季では、優勝経験のある立命館大を破るなどして5位に食い込めた。翌2014年春季は予選リーグで全勝をマーク。決勝で徳山大に1-6と大敗しながらも2位に躍進できた。藤山監督は「優勝はもうすぐだ、と思った」と言う。

決勝で貴重な3勝目を挙げた61kg級・下田龍晴とハイタッチする藤山監督=同

 勝負の世界は甘くなかった。翌シーズンから決勝進出に見放され、2016年春季は最下位となって二部転落(注=同リーグは入れ替え戦なしで交代)。すぐに再昇格したものの、2017年春季はまたも最下位で2度目の二部落ちの屈辱。2018年春季から、やっと一部に落ち着き、2度の2位を経て今回の優勝につながった。

 同監督は日体大時代の2006年に全日本学生選手権の男子グレコローマン66kg級での優勝経験がある。過去の優勝のうれしさが今でも残っているかどうかは分からないが、「その時の優勝と今回と、どちらがうれしいですか?」と聞くと、即座に「今回の方が何倍も(うれしい)」という答が返ってきた。「0からのスタートだったんですよ」-。

 どんな選手でも「0」からスタートして優勝までたどりつくわけだし、強豪がひしめく中でもまれ、「勝って当たりまえ」のプレッシャーの中で勝つのも、想像を絶する過酷さがあることは否定しない。だが、部員3人でスタートし、強い選手がなかなか取れず、先がどうなるか分からない中でチームを育てた末の団体優勝の方に、何倍もの喜びを感じるのも自然の感情だろう。

集中力を高めるため、練習時間は1時間! 勇気をもって実行した

 「(自分が)グレコローマンの選手だったから、駄目なのかな、と思ったりもしました」と悩んだこともあった。そこは「レスリングは同じ」「選手の意識を変えるのが監督の役目」などと言い聞かせ、壁に挑んだ。

優勝を決めた饒波正眞主将と歓喜の九州共立大選手=同

 11年間の指導を聞くと、「選手に強くなってほしい、という思いでやってきました」「センスではない。強くなろう、という気持ちを育てること」「4年間かけて強くするんです」など、選手への愛情があふれる言葉が続く。手塩にかけて育てた、という言葉がぴったりの西日本学生王座の奪取だった。

 コロナ禍の中では練習時間が限られてしまい、どういう練習をやったら集中して練習をできるかを考えてきた半年間だった。出た結論は「練習を1時間にすること」。それにより、選手の練習に打ち込む集中力が高まってくれたと言う。

 マットワークの練習と言えば、どのチームでも2時間~2時間半が普通。「練習は時間ではなく内容」と言われながらも、これを1時間にするのは「勇気が必要でした」と話す。それでも、勇気をもって実行した。その結果が優勝だった。

 57kg級に起用した1年生の荒木瑞生(佐賀・鳥栖工高卒)が全勝をマーク。61kg級で西日本学生王者の下田龍晴もしっかり役目をこなした。125kg級の饒波正眞主将は、決勝戦で優勝を決めるべき試合できっちりと勝ち、文句なしの最優秀選手(八田杯)に選ばれた。上級生と下級生とがうまくかみ合っての優勝。

選手の健闘をねぎらうとともに、新たな飛躍へ向けた試合後のミーティング=同

 一方で、「本当の優勝とは言えないかもしれない」とも話す。昨季までは8チームの総当たり戦で、7試合を闘い抜く体力と戦力の厚さが必要だったが、今回はコロナ下での特別ルール。2ブロック制での闘いに戻り、総試合数は4試合。来季は1ブロックに戻るかもしれず、この優勝で安閑としていられないという気持ちが、その言葉につながっている。

 口にした「ずっと勝ち続けられるチーム」を達成するためには、層をもっと厚くしなければならない。母校・日体大のように強豪新人を多く取れるわけではないので、下からの突き上げでチーム力をアップさせることは厳しい。「4年間かけて育てます」という指導方針のもとで選手の意識改革を進め、層を厚くしていくことが必要だ。その思いが選手に通じれば、盤石の強さを持つことは不可能ではあるまい。藤山監督の闘いは続く。

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