不本意なブランクを乗り越え、阪部創（自衛隊）が初優勝…2020年天皇杯全日本選手権・第2日

　2020年天皇杯全日本選手権第2日は12月18日、東京・駒沢体育館で男女8階級が行われ、男子グレコローマン87kg級決勝は昨年77kg級3位だった阪部創（自衛隊）が東京オリンピック・アジア予選代表の角雅人（自衛隊）を撃破。初の日本一に輝いた。

不本意なブランクを乗り越え、日本一に輝いた阪部創（自衛隊）

　阪部は2016年に80kg級で世界選手権出場を果たし、77kg級で東京オリンピックを目指したが、2018年6月の全日本選抜選手権でのドーピング検査で陽性反応を示し、暫定的に資格停止処分を受けた。しかし、薬の添付文書に成分が不記載であり、2019年2月、日本アンチドーピング機構（JADA）から「過誤も過失もないものと認められる」と判断され、処分取り消しとなった（関連記事）。

　不本意なブランクを乗り越え、アジア予選代表の同門選手を破って栄冠を獲得。神奈川大出身選手としては初の全日本王者に輝いた。

　この日出場した4人のアジア予選代表のうち、男子グレコローマン77kg級の屋比久翔平（ALSOK）、同130kg級の園田新（ALSOK）、男子フリースタイル97kg級の赤熊猶弥（自衛隊）の3選手は順当勝ち。男子フリースタイル65kg級は、昨年の世界ジュニア選手権61kg級優勝の山口海輝（日体大）が初の日本一に輝いた。

　女子50kg級は昨年のアジア・ジュニア選手権優勝の吉元玲美那（至学館大）が初優勝し、62kg級は昨年の国体優勝の尾﨑野乃香（JOCエリートアカデミー／東京・帝京高）が17歳にして初出場初優勝。76kg級は昨年の世界ジュニア選手権72kg級優勝の鏡優翔（東洋大）が昨年のチャンピオンを破って優勝した。2018年72kg級に続く栄冠。

　各階級の成績は下記の通り。（撮影＝矢吹建夫）

階級アップを決めた山口海輝（日体大）。11月の全日本大学選手権に続き、65kg級で日本一に輝いた

昨年の国体に続いてシニアの大会を制し、満面に笑みを浮かべた尾﨑野乃香（JOCエリートアカデミー／東京・帝京高）

女子

　【50kg級】

　▼決勝
吉元玲美那（至学館大）○［Ｔフォール、2:53=11-0］●伊藤海（京都・網野高）

　▼3位決定戦
中村未優（Sports Design Lab）○［7-0］●五十嵐未帆（明光ネットワークジャパン）

　▼敗者復活戦
五十嵐未帆（明光ネットワークジャパン）○［8-2］●坂本由宇（JWA／東京・帝京高）
中村未優（Sports Design Lab）○［Ｔフォール、2:40=10-0］●米原実穂（愛知・至学館高）

　▼準決勝
伊藤海（京都・網野高）○［4-0］●五十嵐未帆（明光ネットワークジャパン）
吉元玲美那（至学館大）○［Ｔフォール、1:48=10-0］●米原実穂（愛知・至学館高）

　▼1回戦
五十嵐未帆（明光ネットワークジャパン）○［Ｔフォール、5:28=10-0］●小坂歩未（法大）
伊藤海（京都・網野高）○［10-4］●坂本由宇（JWA／東京・帝京高）
米原実穂（愛知・至学館高）○［6-2］●清水美海（日大）
吉元玲美那（至学館大）○［9-6］●中村未優（Sports Design Lab）

　【62kg級】

　▼決勝
尾﨑野乃香（JWA／東京・帝京高）○［5-0］●小玉彩天奈（早大）

　▼3位決定戦
宮道りん（日体大）○［5-5］●石井亜海（東京・安部学院高）

　▼敗者復活戦
石井亜海（東京・安部学院高）○［4-3］●坂野結衣（警視庁）

　▼準決勝
尾﨑野乃香（JWA／東京・帝京高）○［6-2］●石井亜海（東京・安部学院高）
小玉彩天奈（早大）○［フォール、5:59=7-4］●宮道りん（日体大）

　▼1回戦
尾﨑野乃香（JWA／東京・帝京高）○［3-0］●坂野結衣（警視庁）
宮道りん（日体大）○［Ｔフォール、5:04=10-0］●岩澤希羽（至学館大）

　【76kg級】

　▼決勝
鏡優翔（東洋大）○［6-4］●松雪泰葉（至学館大）

　▼3位決定戦
阿部梨乃（自衛隊）○［2-1］●長島水城（大東文化大）

　▼準決勝
松雪泰葉（至学館大）○［Ｔフォール、4:52=11-0］●長島水城（大東文化大）
鏡優翔（東洋大）○［5-2］●阿部梨乃（自衛隊）

　▼1回戦
長島水城（大東文化大）○［5-0］●齋藤未来（小田開発工業）

男子グレコローマン

　【77kg級】

　▼決勝
屋比久翔平（ALSOK）○［2-1］●小路直頌（自衛隊）

　▼3位決定戦
櫻庭功大（自衛隊）○［5-0］●小室裕大（自衛隊）

　▼敗者復活戦
小室裕大（自衛隊）○［不戦勝］●下山田周（日体大）
櫻庭功大（自衛隊）○［Ｔフォール、4:29=8-0］●菅原魁一（日本文理大）

　▼準決勝
屋比久翔平（ALSOK）○［Ｔフォール、2:24=10-0］●下山田周（日体大）
小路直頌（自衛隊）○［3-1］●菅原魁一（日本文理大）

　▼1回戦
屋比久翔平（ALSOK）○［Ｔフォール、5:58=9-1］●小室裕大（自衛隊）
下山田周（日体大）○［9-7］●日下尚（日体大）
菅原魁一（日本文理大）○［6-0］●山田脩（日体大）
小路直頌（自衛隊）○［4-1］●櫻庭功大（自衛隊）

　【87kg級】

　▼決勝
阪部創（自衛隊）○［6-3］●角雅人（自衛隊）

　▼3位決定戦
鶴田峻大（自衛隊）○［Ｔフォール、2:25=9-0］●宮本海渡（日体大）

　▼1回戦
角雅人（自衛隊）○［Ｔフォール、3:56=11-0］●宮本海渡（日体大）
阪部創（自衛隊）○［4-1］●鶴田峻大（自衛隊）

　【130kg級】

　▼決勝
園田新（ALSOK）○［Ｔフォール、1:13=8-0］●奥村総太（拓大）

　▼3位決定戦
河野隆太（あづまフーズ）○［フォール、1:35=4-0］●鈴木翔真（拓大）

　▼敗者復活戦
河野隆太（あづまフーズ）○［Ｔフォール、2:43=9-0］●貝塚賢史（茨城・霞ヶ浦高職）

　▼準決勝
園田新（ALSOK）○［Ｔフォール、0:54=9-0］●鈴木翔真（拓大）
奥村総太（拓大）○［Ｔフォール、4:28=10-1］●河野隆太（あづまフーズ）

　▼1回戦
鈴木翔真（拓大）○［7-1］●番地啓太（国士舘大）
奥村総太（拓大）○［5-1］●貝塚賢史（茨城・霞ヶ浦高職）
河野隆太（あづまフーズ）○［不戦勝］●庄司樹（専大）

男子フリースタイル

　【65kg級】

　▼決勝
山口海輝（日体大）○［2-1］●安楽龍馬（早大）

　▼3位決定戦
米澤圭（住友金属鉱山）○［8-6］●上野裕次郎（栃木県スポーツ協会）

　▼敗者復活戦
米澤圭（住友金属鉱山）○［6-0］●萩原大和（拓大）

　▼準決勝
山口海輝（日体大）○［10-2］●上野裕次郎（栃木県スポーツ協会）
安楽龍馬（早大）○［2-2］●米澤圭（住友金属鉱山）

　▼1回戦
山口海輝（日体大）○［不戦勝］●徳力貫太（専大）
上野裕次郎（栃木県スポーツ協会）○［9-5］●磯次郎（自衛隊）
安楽龍馬（早大）○［5-2］●萩原大和（拓大）
米澤圭（住友金属鉱山）○［5-3］●中田陽（三重・朝明高教）

　【97kg級】

　▼決勝
赤熊猶弥（自衛隊）○［Ｔフォール、1:56=10-0］●石黒峻士（新日本プロレス職）

　▼3位決定戦
山口剛（新日本プロレス職）○［11-9］●園田平（自衛隊）

　▼敗者復活戦
園田平（自衛隊）○［4-3］●大津拓馬（山梨学院大）

　▼準決勝
赤熊猶弥（自衛隊）○［4-2］●山口剛（新日本プロレス職）
石黒峻士（新日本プロレス職）○［2-2］●園田平（自衛隊）

　▼1回戦
山口剛（新日本プロレス職）○［7-2］●二ノ宮寛斗（不二精機）
園田平（自衛隊）○［11-5］●吉田ケイワン（日大）
石黒峻士（新日本プロレス職）○［5-1］●大津拓馬（山梨学院大）